
犬がマスクを食べた時の対処法【獣医師監修】
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涼しくなるにつれて気を付けたい犬の病気のひとつ、膀胱炎。なじみのある病名だと感じるかもしれませんが、治療が長期化することも多いため、決して甘く見てはいけません。今回は、毎日の愛犬のケアの中で、膀胱炎を起こりにくくし、早期発見するためのポイントを4つご紹介します。
犬の膀胱炎の原因の多くは、細菌感染、結石、そしてこれらが複合したもの。 涼しくなるにしたがい、飲水量が減り、尿量も減りますよね。すると、排尿して膀胱をからっぽにする回数が減ります。膀胱内に古い尿が溜まっている時間が長くなると、そこで細菌が増殖しやすくなり、やがて膀胱粘膜への細菌感染を起こすのです。さらに、尿中のミネラルなどがかたまって石のようになる「結石」が膀胱炎を引き起こすケースも。飲水量が減ると、尿は濃縮され、結石がつくられやすくなるのです。また、細菌による膀胱炎が結石形成の原因となることもよくあります。
ここからいよいよ、膀胱炎を起こりにくくし、早期発見するために普段から飼い主さんができることを4つご紹介します。
膀胱内での細菌の繁殖を抑えるには、水を飲む量を増やすことで尿量を増やし、しっかりとこまめに排泄させることが大切。また、飲水量を増やすことは、尿を濃縮させすぎずに、結石を生成させにくくする効果もあります。
飲水量が減りがちな涼しい時期は、意識して水を飲ませるようにしてください。
あまり水を飲んでいないかな…、と思ったら、食事の時のフードにぬるま湯をかける、味付けしていない野菜やささみなどの茹で汁を飲み水に少しだけ加えて風味をつける、などの一工夫をしてみましょう。
トイレを常に清潔にして、好きなときにいつでもおしっこができるようにしておきましょう。排尿を我慢すると、膀胱に尿が溜まっている時間が長くなり、膀胱内で細菌が繁殖しやすくなるからです。
また、外に出なくてもトイレでおしっこができるように、トイレトレーニングをしておくことも非常に大切です。
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特にメス犬では、尿道の距離が短いために外陰部に付着した細菌が膀胱へ到達しやすく、細菌性膀胱炎にかかりやすい傾向があります。
排泄後、被毛に尿が付着したままにしておくと、細菌の温床となってしまいます。外陰部周囲の皮膚炎の原因にもなりますので、外陰部周辺の被毛が長い場合はカットしたり、排尿後に付着した尿を拭いてあげたりして、清潔を保つようにしてください。
膀胱炎は早期発見、早期治療が病気を長引かせないために重要です。たかが膀胱炎…と軽く見ていたら、治療に非常に時間がかかった、なんてこともよくあります。ですから、膀胱炎かな?と思うような症状がある場合には、できるだけ早く動物病院を受診し、診断、治療を受けましょう。
膀胱炎でよく見られる症状は次のとおりです。
「トイレはマスターしているはずなのに、急に粗相するようになった」という時も要注意。膀胱炎を起こすと頻尿になるので、トイレ以外の場所で排泄してしまうことがよくあります。
膀胱炎かな?と思う特徴的な症状は、平たく言えば、「ちょっとずつしかおしっこをしない」というものです。ですから、もともとチョコチョコとおしっこをしながらお散歩するような愛犬だと少々気づきにくいかもしれません。
おしっこのしかたがいつもと違うかな?と思ったときはもちろん、そうでないときも、普段からおしっこの色を確認することをおすすめします。外でしてしまった、という時は、そのまま水をかけたりするのではなく、ティッシュペーパーのような白い紙で吸い取って色の確認をしましょう。また、色のついたペットシーツを使用している場合も、尿の色の変化に気づきにくい場合があります。ティッシュペーパーをあててみるなどして色を確認しておきましょう。
何度もおしっこの姿勢をとるのに尿が出ない状態が続く場合、結石が尿道で詰まってしまう「尿道閉塞」と呼ばれる状態になっていることがあります。尿道閉塞は尿道が細くて長い雄犬でよく起こる病気。丸一日近く尿が出ていないようならば緊急処置が必要です。命にかかわりますので、大至急動物病院を受診してください。
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膀胱炎や結石症は非常に再発しやすい病気です。また、時には治療に相当な時間がかかってしまったり、病気が悪化して申告な状態に陥ってしまったりといったケースもあります。予防と早期発見、早期治療がとても大事だということをぜひ覚えておいてくださいね。
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こいぬすてっぷに所属している獣医師チーム。臨床経験が豊富な獣医師により構成されています。獣医療の知識や経験を生かし、子犬育て、しつけに関わる正しい知識をわかりやすくお届けしていきます。
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