
本当に必要な犬の防災グッズまとめ。いつものリードは使えない…?!
愛犬のための防災グッズを準備するときは、「どんな犬にも必要な防災グッズ」だけを準備すればいいわけではありません。愛犬の年…
大きな災害にあった時や避難が必要になった時、普段のしつけが果たす役割として、周りの人への配慮や安全の確保を思い浮かべる方は多いでしょう。でも、しつけには、愛犬自身の気持ちを少しでも落ち着かせてストレスを小さくしてあげる、というもうひとつの大事な役割もあります。今回は、普段から少しずつ積み上げておきたい、災害時や避難が必要になった時に役に立つしつけを6つご紹介します。
クレートトレーニングとは、合図でクレートの中に入ることだけを指すのではありません。クレートの中で、安心してゆったりと過ごせるようになっておくことがポイントです。クレートの中が犬にとって「落ち着ける場所」「安心できる場所」になっていることはとても大事。それは、スムーズな避難のためでもあり、避難所でクレートの中で過ごすことになった時のストレス軽減のためでもあります。
実は、クレートトレーニングが役立つのは避難が必要になった時だけではありません。クレートの中が安心できる場所になっていれば、台風に伴う風や雨の音、ゲリラ豪雨の時の雷の音などで、愛犬が「怖い…」と感じた時に、逃げ込んで時間を過ごすのにも役立ちますよ。ぜひ、日ごろから自宅の愛犬がいつも過ごすスペースの一画に、自由に入れるようにクレートを設置しておきましょう。
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これがしつけ?と思った方もいらっしゃるかもしれません。ただ愛犬が名前を覚えるというだけでなく、名前を呼ばれることが嬉しいこと、と思えるようにしておくことがポイントです。
もちろん、万一愛犬が迷子になった時のため、愛犬が自分の名前に反応できるようにしておくことは役に立つかもしれません。でも、それ以上に大事なことがあります。災害時は、人ですら怖かったり、ストレスを強く感じたりする環境。愛犬はもっと不安で落ち着かない気持ちになっていることでしょう。そんな時、愛犬の気持ちが安らぐような方法がひとつでも、ふたつでもあれば、少しでもストレスを軽減させてあげることにつながるはずです。名前を呼ばれることが嬉しいと感じられる愛犬であれば、優しく名前を呼んで体を撫でてあげることが、愛犬の緊張をゆるめてあげることに役立つのです。
そのために、普段から「名前を呼んで叱らない」ことを徹底しましょう。名前を呼んでおやつをあげる、名前を呼んでほめる、優しくスキンシップをとる、など、犬がうれしい気持ちになる時に名前を呼ぶようにしてください。
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避難所や一時的なペットの救護施設では、自宅とは異なり、飼い主さん以外の人がまわりにたくさんいる環境で過ごさなくてはなりません。また、すぐ近くに他の犬や猫などの動物がいることも考えられます。他のペットが近くで生活していたり、家族以外の人が頻繁に近くを通ったりすることに対して、極端に強いストレスを感じてしまう犬にとっては、非常に大きなストレスとなってしまうでしょう。
また、災害時には、自宅にいたとしても、周囲で突然大きな音がしたり、救急車のサイレンが複数鳴ったりということがあります。避難所で過ごすことになったとしたら、さらに多くの慣れない物音が聞こえるでしょう。このような日常と違う雰囲気に対して、あまりにも強い恐怖を感じてしまう状態だと、犬が感じるストレスもきわめて大きくなってしまうと考えれます。
そうした強いストレスから、犬が体調を崩してしまったり、時には、恐怖のあまりに、人にかみついたり、吠えたり、とびかかったりということが起こってしまうかもしれません。
日ごろからいろいろな人や動物に慣れておき、家の中で過ごすばかりでなく、様々な場所や環境での経験をさせてあげることは、万一の時にもきっと役に立つはずですよ。
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ここまで、災害時に少しでも愛犬が落ち着いて過ごすために役立つしつけなどをご紹介しました。ここからは、被災時、特に避難が必要になった時に役に立つコマンドやしつけについてです。ここで大事なことは、被災時という普段と違った環境では、普段できることができなくても不思議ではないということ。それでも、万一の時に愛犬を守るため、そして周囲の人への配慮として、できる限りのしつけの準備をしておくことをおすすめします。
「待て」は、雷のような大きな音などでパニックになった犬が逃げようと走り出したり、人にとびかかろうとしたりしたときに、犬を制止するのに役立ちます。次に紹介する「おいで」とともに、自宅の室内だけでなく、公園や他の犬がいる場所のような気の散りやすい場所など、色々なシチュエーションで練習しておくことで、いざという時の成功率は上がるはずです。
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いわゆる「呼び戻し」ともいわれる「おいで」も、愛犬や周囲の人の安全確保に役立つコマンドです。災害時は周囲の音に邪魔されて飼い主の声が犬に届きづらいケースもあるかもしれません。例えば飼い主さんが犬に向かって両手いっぱいに広げたら「おいで」の合図というように、ジェスチャーだけでも意味が分かるように準備しておくとなお良いでしょう。
愛犬にのトイレシートを敷いた場所が排泄しても良い場所ということをきちんと教えておくことで、災害時に愛犬の排泄物の管理ができるようになります。また、お散歩に行けない日が続いても、犬自身がストレスを感じることなく排泄できるので、愛犬の健康を守るためにも大切です。
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普段から愛情をもって愛犬に接し、社会になじんだ生活を送れるようにしておくことが、被災時にもきっと役に立ちます。社会化やしつけ、トレーニングは日々の積み重ねです。一度できたらOK、とは考えず、色々な場所やシチュエーションで練習をしておくことをおすすめします。愛犬用の防災グッズを準備しておくことも、しつけとともに必要なことです。
こいぬすてっぷに所属している獣医師チーム。臨床経験が豊富な獣医師により構成されています。獣医療の知識や経験を生かし、子犬育て、しつけに関わる正しい知識をわかりやすくお届けしていきます。
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