
歯磨きを嫌がる犬のための練習方法【獣医師監修】
歯磨きを嫌がる犬と飼い主さんにとって、歯磨きの時間は大きなストレスの元。中には歯磨きをあきらめてしまっている方もいるかも…
子犬がブラッシングを嫌がってしまうのはよくあることです。今回は、子犬がブラッシングを嫌がる4つの理由と、対処法についてです。
子犬が元気いっぱいでエネルギーがありあまっている状態で、子犬の体をブラッシングするのは相当大変。お互いストレスになりますので、そういったときには仕切り直して、別のタイミングでブラッシングをするようにしてください。
一番のおすすめなのは、たくさん遊んで満足して、眠たそうなタイミング。元気いっぱい遊びたいモードの時と比べて格段にブラッシングを受け入れやすくなります。優しくブラッシングしているうちに、気持ちよくなってそのまま眠ることまでできれば理想的ですね。
子犬が体を触られることに抵抗を感じている状態では、ブラッシングはできません。部分的に嫌な場所がある場合や、全身どこを触られるのも苦手な場合など、色々なパターンがあります。何か触られることが苦手になるようなできごとがあったのかもしれませんので、まずは、体を触られることを大好きになるよう練習を重ねましょう。
たくさん遊んで一緒にくつろいでいる時間帯、ちょっと眠そうな時間帯に、片手でフードを与えながら、優しく言葉をかけて背中を撫でてあげたり、頭を撫でてあげたりすることを毎日行いましょう。
毎日、食事1回分のフードをこの体を触る練習に費やしてしまってOKです。一気にフードを食べようとしてしまうなら、ドライフードをぐっと握りこんで親指と人差し指の隙間から少しずつ食べさせながら、もう片方の手で子犬の体を優しく撫でましょう。コングのような知育玩具を活用するのもよい方法です。
体を触られても気にせずフードに夢中になっていられるようになったら、触られるのが苦手な部分にも少しずつチャレンジしていきましょう。
これらは、 「嫌がっているサイン」です。すぐに触るのをやめ、子犬が触られても気にしない場所や触られて喜ぶ場所を撫でてあげてから、その日の練習は終えてしまってください。
毎日少しずつ、嫌な思いをさせないように、そして子犬が気持ちいい、嬉しいと感じるように練習を積み重ねると、やがてご褒美の食べ物なしでも体を触られることを快く受け入れてくれるようになります。それどころか、体を触られること自体が大好きになってくれますよ。
ブラッシングの練習で大事なことは、嫌がる愛犬と格闘しないこと。また、嫌がるそぶりがあった時に「ささっと終わらせてしまおう!」と無理やり済ませようとしないこと。犬に痛い思いや嫌な思いをさせると、頑張って触られることに慣れたのに、また元の触られるのがイヤな状態に戻ってしまいます。
ここでも、遊びや運動で心身ともに満足している状態で練習してください。体を触る練習と同じように、フードを少しずつ食べさせながら行いましょう。毎日全身をくまなく行うのではなく、背中にだけチョンチョンとブラシをかけて終わらせる日があってもOKです。毎日、少しずつの積み重ねでブラッシングできる範囲はどんどん広がっていくのでご心配なく。とにかく大事なことは、「犬に嫌な気持ちを起こさせないこと」です。必ず嫌な気持ちになる前に切り上げてください。
ブラッシングに慣れてきたら、苦手な場所にも挑戦です。毛のもつれは必ずブラッシング前に手で軽くほどいておいてください。手に握るか、知育玩具に入れたお気に入りのフードを食べている間に、少しブラッシングしてみてください。その後、愛犬が嫌がらない場所をブラッシングして終了です。「いい子だったね」と褒め、残りのフードを食べさせてあげましょう。ブラッシングを嫌な印象で追えないことが、明日のブラッシングも快く受け入れてもらえることにつながります。
このようにして、ブラッシングに嫌な印象を残すことなく「上手にブラッシングができた!」という経験を毎日少しずつ重ねていきましょう。ブラッシングに対する印象は徐々によくなっていき、リラックスしてブラッシングをさせてくれるようになっていきます。
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ブラッシングの道具を怖がったり、おもちゃとして遊びたくなったりというケースもあります。道具を近づけようとしたときの子犬の様子をよく見てみましょう。
道具を怖がる場合は、ブラッシングに使う道具が子犬にとって恐怖の対象ではないことを教えてあげましょう。道具を怖がっている間は、その道具を使って無理やりブラッシングはしないようにしてください。
数日間、ブラシなどの道具を愛犬の近くに置いたままにしてみたり、においをかがせてあげたりしてみてください。この間、もつれなどが気にいなる時は、手ぐしや指で軽くほぐすようにておきましょう。
道具に慣れたら、片手や知育玩具でフードを食べさせながらブラシをさりげなく体に当てることからスタートです。道具で遊んでしまう場合も、ここからスタートしてください。
大好きなフードを食べている間に、子犬の視界に入らないように、後ろからそっとブラシで体に触れてみます。問題なくできるようになったら、片手や知育玩具を使いながら、少しずつブラッシングを練習してみてくださいね。二人がかりでできるなら、片方の人がフードを食べさせる係をするのがおすすめ。
フードを食べながらブラッシングすることで、道具を気にしにくくなりますよ。
毛玉の部分のブラッシングを子犬が嫌がるのは当然のこと。毛玉ができると、動くたびに皮膚が引っ張られて痛い思いをします。そこにブラシをかけようとすると、さらに強く皮膚が引っ張られ、ものすごく痛いはず。また、一部分だけ頑固な毛玉になっている時は、その下に皮膚炎や傷が隠れていて、それが嫌がる原因になっていることもあります。
毛玉やもつれができたら、その都度手で軽くほどいておくことが大切です。手でほぐせないようならば、毛玉はすでにかなり固まっている状態。そんなときはペットサロンなどでプロに任せることをおすすめします。無理にほぐそうとすると、痛い思いをして、ますますブラッシングを嫌がるようになりかねません。
毛玉をきれいにしてもらったら、翌日からは毛玉になった部分には特に念入りに手ぐしをかけてあげて、毛玉のない状態をキープしましょう。ブラシを嫌がらないならブラシでもOK。もしも触られたりブラシをかけられたりすることを嫌がるようになってしまっているなら、お気に入りのフードを使いながら毎日少しずつ練習していきましょう。
ブラッシングが嫌いな子犬のための練習では、大好きなごはんを少しずつ食べながら、楽しく慣らしていくことがポイントです。食べている間に終わっちゃった!気持ちよかった!楽しかった!という経験が積み重なれば、やがてブラッシングが好きになってくれるはず。焦らず時間をかけて練習しましょう。
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こいぬすてっぷに所属している獣医師チーム。臨床経験が豊富な獣医師により構成されています。獣医療の知識や経験を生かし、子犬育て、しつけに関わる正しい知識をわかりやすくお届けしていきます。
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