
子犬の甘噛みのしつけ、どうするのが正解?【獣医師監修】
子犬の甘噛みのしつけは、甘噛みの理由によって対応を変えていく必要があります。「何が何でもすぐに甘噛みをやめさせる!」とい…
「物音に反応してワンワン吠える」「大事な書類を…」「スマホを…」そんな時、愛犬を叱りますか?一見手っ取り早くて簡単そうな「叱る」ということですが、実はそう簡単なことではありません。特に、愛犬との信頼関係が十分でない状態で叱ることは副作用しかないと言ってもいいほど。信頼関係があったとしても、場合によってはその信頼関係は崩壊してしまうことになりかねません。ここでは、犬と人とが仲良く暮らすために、絶対にしてはいけない叱り方、そして犬が好ましくない行動をとった時の「叱る」以外の対応についてご紹介します。
これらの行為は、正しくしつけが行えないばかりか、弊害があまりにも大きい叱り方で、言語道断。信頼関係を損ねるだけでなく、恐怖のあまりに犬が攻撃的になってしまうこともある非常に危険な方法。決して犬にしてはいけない叱り方です。
「散歩を終えて家に帰りたいのに、勝手に違う方へ行こうとして全然言うことを聞かない」「飼い主の大事な洋服にいたずらをしている」「トイレではないところでおしっこやうんちをしている」…などなど、愛犬と暮らしていると、キーっと叱りたくなることはいくらでもあるかもしれません。たしかに叱ることで、その瞬間のその行動をやめさせられる可能性はあります。でも実際には、それでは全く根本的な解決にはなってません。
飼い主が望む行動を教わらないままでは、おそらく次に同じシチュエーションになった時にも、愛犬は今回と同じような行動をとるでしょう。また、愛犬は飼い主に叱られた恐怖から、「自分を守らなきゃ!」という思いで噛みついてくるようになるケースも少なくありません。
これらは、愛犬を叱ることでのちに起こってくる問題です。どれひとつとっても、飼い主さんにとって望ましいものではないですよね…。ですから、困った行動、やめてほしい行動を犬がとるときには、むやみに犬を叱るのではなく、「やめさせるために、叱る以外にできることは本当にないの?」というふうに考えたいのです。
叱られすぎている犬は、自信がなくいつも飼い主の顔色をうかがっている、神経質でびくびくした犬になり、逆に、褒めて育てたら、自信に満ちたハッピーな犬になる!というのはよく言われることです。 愛犬とは、できる限り叱らずにすむように、そしてたくさん褒めながら暮らしていきたいものです。
そのためには、愛犬がしてほしくないことをした時に、「してほしくないこと」をやめさせることだけでは不十分なのです。「してほしいこと」を教え、導いてあげないことには、また同じ「飼い主がしてほしくないと思っていること」をしてしまうのは当然です。ですから、次に同じシチュエーションになった時には必ず「してほしくないこと」をしてしまう前に「してほしいこと」を教え、きちんとできたらすぐに心から褒めてあげるようにしてください。
愛犬にとって「飼い主=叱る人、怖い人」ではなく、「飼い主=頼れる人、大好きな人」であってこそ、愛犬は安心して日々を送れるのではないでしょうか。
さらに、飼い主が愛犬を上手に褒められるようになることのメリットは信頼関係だけではありません。犬は「もっと褒められたい!」という気持ちから、飼い主のしてほしい行動(つまり、褒めてもらえるような行動)をとる頻度が増えていきます。すると、結果的に、叱る必要のある行動などとらなくなってしまうのです。
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「叱らず、褒めることが大事」だとわかってはいても、褒めるだけではなかなかうまくいかないこともあるのが現実…。そんな時には、叱るよりもずっと副作用の少ない「罰」という方法で、叱ることなく「してほしくない行動」をやめるように導きましょう。
罰というと、厳しいしつけのような、ちょっとこわいイメージを持ってしまうかもしれませんが、ここでの罰は、「犬がした行動の直後に、自分の好きなものがなくなってしまう」という罰です。おもちゃで遊んでいる最中に手に甘噛みをしたら、遊びがストップしてしまう、部屋から大好きな飼い主が出て行ってしまう、といった方法です。
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「ごはんを催促せずに静かに待てた」「今日もトイレがうまくいった」など、日常の中で愛犬がとった何気ない望ましい行動を当たり前と思わず、細かく気づいて褒めることをぜひ、習慣にしてください。飼い主が望む行動をとっている愛犬を自然に褒められるようになるといいですね。愛犬との幸せな暮らしのため、ぜひ、一度犬への接し方を見直してみてくださいね。
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こいぬすてっぷに所属している獣医師チーム。臨床経験が豊富な獣医師により構成されています。獣医療の知識や経験を生かし、子犬育て、しつけに関わる正しい知識をわかりやすくお届けしていきます。
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