
愛犬が人間の食べ物を欲しがる…どうしたらいい?【獣医師監修】
人間の食べ物をかわいくおねだりしたり、食事中じっと見つめてくる、人の食事中は吠え続けている…なんてことはありませんか?愛…
「犬がいたずらしてるのを見つけても無視しましょう」と言われるのを聞いたことのある飼い主さんも多いかと思います。犬のイタズラを発見した時、「無視をする」のはひとつの大事な方法。でも、愛犬のいたずらは無視だけでは解決しません。今回は、つい見落としがちな愛犬のイタズラ対策を2つご紹介します。おうちで過ごす時間を活用して、イタズラ対策をしてみませんか?
犬は、「ある行動をしたら褒められた」という嬉しい経験を重ねることで、その行動をとる頻度が増えていきます。ですから、「いたずらをしないで上手に遊んでいる=正解!」ということを伝えるために、イタズラをしていないタイミングで繰り返し褒めてあげることが大切です。この方法は、飼い主さんにかまってもらいたいタイプの子に特に効果的。
つい見過ごしがちですが、イタズラをせず静かにしている状態を当たりまえと思わずにしっかりと褒めてあげましょう。
犬が自分のおもちゃで一生懸命遊んでたら、「静かに遊んでるし、そっとしとこう…」なんて思うかもしれません。また、飼い主さん自身にすることがあったりすると、そのまま声をかけることもなく、いわば「スルー」してしまうことも多いのではないでしょうか。でも、この、イタズラではなく、きちんと「自分のおもちゃで遊んでいる瞬間」に褒めたり、声がけしたりすることこそが、イタズラ解決の最重要ポイントなのです。
かじってはいけない日用品ではなく、愛犬が噛んでもいいおもちゃを噛んでいる時に「偉いね!」「いい子!」などと褒めてあげましょう。時には、「そのおもちゃ、いいなー、ちょうだい!」などと言って、さりげなく飼い主さんも遊びに参加するとさらに効果的!犬にとって、そのおもちゃへの愛着が増しますし、「日用品ではなく、おもちゃをかじっていた方がかまってもらえるんだ!」と学習もします。
ついつい、いたずらをしている時の愛犬に目がいってしまうものですが、いたずらをしていない時こそしっかりと褒めることを繰り返しましょう!
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逆にスリッパなどの日用品で遊んでいる時、つまりイタズラをしている時には、「かまってもらえた!」という報酬を与えないようにすることが必要です。
いつもかじるだけで、食べ物以外のものは飲み込んだことがなく、かじっても危険のないものや、かじられも困らないものでイタズラしてるのなら、無視するのも一つの方法。
一方、飲み込んでしまうおそれがあったり、かじられては困るものをかじっているのであれば、こら!などの大きな声を出すことはせず、愛犬がおもちゃで遊んでいる時と同様のさりげない調子で近づいて、おやつやお気に入りのおもちゃと交換を。犬がかじっていたものを自ら離したら、さっと片付けてしまってください。
無理やり取り返そうとしたり、大きな声を出して追い掛け回したりするのはNGです。「かまってくれた!」と感じる可能性があるだけでなく、「とられたくない!」という気持ちが強くなって飲み込んでしまう危険性があるからです。
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とはいえ、かじられて困るものを出しっぱなしにしない、ごみ箱は蓋付きにする、など、「イタズラできない環境」をあらかじめ作っておくことも、飼い主さんの大事な役割で、イタズラ対策の鉄則であることをお忘れなく。犬がスリッパで遊んでしまったのは、そこにスリッパがあったから。飼い主さんのミスだと考えて、決して犬を責めたり叱ったりはしないでくださいね。
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私たちにとって「イタズラ」に見える犬の行動。でも、犬にとっては、「もっと遊んでほしい」「もっと運動したい」など、何かの欲求を満たすための行動だったりもします。理由のないいやがらせなどでは決してありません。
ですから、それを無理やりやめさせようとしたところで、犬は今度は別の方法でその欲求を満たそうとすることになるでしょう。 時には吠えたり、噛みついたり…といった、別の深刻な問題に発展することも考えられます。
愛犬のイタズラ対策には、犬がイタズラすることで満たそうとしている欲求を探ってしっかりと満たしてあげることが重要です。愛犬がいつもイタズラするタイミングやシチュエーションを記録してみるなどして、愛犬のイタズラの傾向をつかんでみるとよいでしょう。
たとえば、夕飯の支度の時間になるとイタズラを始める愛犬の場合であれば、夕飯の支度をする直前に少し愛犬のための時間を作ってあげるのがひとつの方法。
夕方でバタバタしがちな忙しい時間帯もしれませんが、ちょっと我慢してみましょう。いつもイタズラしてしまう時間帯より少し早い時間帯にしっかりと遊び、愛犬の気持ちを満足させておくのがポイントです。散歩や室内遊びでほどよく疲れる程度に体を動かし、心ゆくまで甘えさせてあげる時間を設けることで、そのあとの時間帯を愛犬は満ち足りた気持ちで、リラックスして過ごしてくれることにつながります。もちろん、ゆったり過ごせている愛犬を「えらいねー」などと穏やかに褒めてあげることもお忘れなく。そうすることで、結果的にはスムーズに、そして愛犬のイタズラにイライラすることもなく、穏やかな気持ちで夕方から夜の時間を送れるようになるのではないでしょうか。
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犬との暮らしでは、多少のイタズラや困ったことは覚悟しておくことが必要です。でも、イタズラばかりでは、愛犬との暮らしを心から楽しむのが難しくなってしまいますよね。とはいえ、やみくもにイタズラを抑制しようとするだけでは不十分ですし、愛犬の気持ちを無視していることになってしまいます。愛犬の気持ちを満たしてあげつつ、日用品ではなく、おもちゃで遊ぶ方向へとうまく導いてあげれば、少しずつイタズラは減っていくはずです。ぜひ、お試しください!
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東京大学農学部 獣医学専修を卒業後、大阪の高度獣医二次診療病院に勤務の後、渡米しミシガン州立大学、カリフォルニア大学 ディビス校にて、整形外科・再生医療の研究などに携わる。帰国後は、アメリカでの経験を活かし、神奈川県大和市にある山口獣医科病院の院長として、より良い地域医療の普及に邁進中。
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