
子犬のためのコングの使い方【獣医師監修】
コングは、その素材、形、仕組みのすべてに、犬にとっての魅力がぎっしり詰まった知育おもちゃ。一緒に遊ぶ時だけでなく、ひとり…
愛犬用の知育玩具として有名なコング。しつけやストレス発散、留守中の一人遊びだけでなく、ブラッシングなどのケアのときにも活躍する便利なアイテムで、今や知育玩具の代名詞といってもいいほど。しかし、今一つ使いこなせていないという飼い主さんが多いのも事実。遊び方がよくわからず、犬が諦めて放り出してしまう…などというお悩みはよく耳にします。でも飼い主さんがちょっと工夫してあげれば、犬はコングでの遊びに必ず夢中になります。そこで今回は、愛犬を飽きさせないコングの上手な使い方をご紹介。これまで何度か試したけど遊ばなかったな…という方もぜひ、この記事を参考にもう一度コング遊びにチャレンジして、ペットを飽きさせないコングの上手な使い方をマスターしてくださいね!
コングとは、良質な天然ゴムでできた犬用のおもちゃ。中が空洞になっていて、中に詰めたおやつを取り出すために犬が頭を使って遊べるようになっているのが大きな特徴。同様の知育玩具のことを、代名詞的に「コング」ということもあるようです。
コングは良質な天然ゴムでできているため、噛みごたえがあってとても丈夫。犬が強い力で噛んでもへこたれず長持ちします。とにかくひたすらコングを噛ませてあげる、という使い方は、甘噛みなどの噛み癖に悩む方におすすめです。
ちょっと不思議な形をしているコングは、丸いボールなどのおもちゃと違って、不規則な方向にバウンドします。どこにバウンドするか予測できないため、本来獲物を追いかけて捕まえる性質を持つ犬は、追いかけずにはいられないはず。投げたり転がしたりしたコングを追いかける遊びは、なかなか狩猟本能を満たされず、ストレスをためてしまっている愛犬にぴったりの遊び方です。また、雨でお散歩にいけない日の室内遊びとしてもおすすめです。
コング最大の特徴は、フードやおやつを詰められる作りになっていること。中が空洞になっており、その中にフードを詰めて与えることができます。さらに、内側に段差があり、詰めたフードが少しずつしか出てこない仕組みになっているため、犬はコングの中からおやつを出すために試行錯誤。頭を使って遊ぶのが大好きな犬が夢中になって長時間遊ぶことができる遊び方です。
犬が夢中になる要素が詰まったコングですが、時々、中に入れたおやつをうまく取り出せずに諦めてしまったり、逆におやつを取り出すのが簡単すぎてすぐに飽きてしまうことがあります。でも実は、ちょっと工夫をしてあげることで、愛犬はコングに夢中になるはず。さらに、コングでの遊びが得意になった愛犬には難易度をアップさせてさらに楽しませることも可能です。
ここからは、愛犬がもっとコングを好きになる使い方をご紹介します。
最初から難易度の高いフードの詰め方はおすすめできません。犬がコングの楽しさを知る前に飽きてしまうのは、お楽しみのフードが全然うまく取り出せないからかもしれません。
まずは、犬の目の前でコングの中にフードを詰めましょう。中に大好きな食べ物が入っている、ということを覚えてもらったうえでコングを与えてみるのです。
犬がフードを取り出しやすいように、始めのうちは小さく硬い、コロコロしたドライフードなどを入れてみましょう。数粒ずつ入れるのがおすすめです。
フードの取り出し方がわからず困っている場合は、コングを目の前で少し転がして数粒フードを出してみて、取り出し方を教えてあげましょう。
慣れるまではこの方法を繰り返し、コングで遊ぶことの楽しさを覚えてもらいましょう。
フードを取り出すことができずにコングを転がしてしまう場合は、飼い主さんが手でコングの端のほうを抑えてあげてください。
始めのうちは飼い主の手を借りないとフードを取り出せないかもしれませんが、何度か繰り返すうちに、コツをつかんで自分の前足で支えながらかじったり転がしたりできるようになるはずですよ。
コング遊びの楽しさがわかってきた愛犬には、少しずつ難易度をUPさせていきましょう。そうすることで、コングでの遊びを長時間楽しむことができるようになります。また、おやつのフードの詰め方のバリエーションを増やしておけば、飽きることなく何度も何度もコングでの遊びを楽しむことができるようになりますよ。
愛犬がコングに慣れてきたら、詰めるフードの種類や詰め方を工夫します。
まずは、細かくしたジャーキーやチーズなど、匂いの強いフードをコングの奥の方に入れてみましょう。これらのフードは、長時間匂いが残るため犬の集中力が続きやすいでしょう。
できるようになってきたら、小さいビスケットのようなおやつもおすすめです。
また、ジャーキーやチーズをつめたコングは、愛犬の見えない所にコングを隠して犬の嗅覚だけで探させる「宝探しゲーム」にもおすすめです。
もう少し難易度を高めたいときは、大きい方の穴に棒状のジャーキーなどを差し込んで詰め、フードの出口を狭くしてしまう方法も。奥のフードが出にくくなるので、愛犬はさらに夢中になるはずですよ。
ドライタイプのフードに慣れてきたら、今度はふやかしたドライフードやウェットフード をコングの中に入れてみましょう。ドライフードに比べて取り出しにくく、さらに難易度が高まります。コングの内側の溝に、ハチミツやチーズを塗るのもおすすめです。そこに愛犬の好きなふりかけなどをまぶしておくと、嗜好性がアップしますよ。
また、ウェットフード とドライフードの両方を入れるという手も。食感が柔らかいもの、硬いものを交互に入れることで、犬はより楽しくなるはずです。
コング上級者の犬は、最難関にチャレンジしてみましょう。
大きめのビスケットやジャーキーなどでフタをして、穴を塞いでしまいます。こうすることで、グッと難易度が上がり簡単には取れなくなります。出せそうで出せない歯がゆさに、愛犬もきっと夢中になることでしょう。
大きめのフードが入れにくい場合は、コングを上からギュッと押しつぶして口を広げてみてください。大きいフードでも簡単に中に入れることができますよ。
フードを詰めて与えることのできるコングは、犬とのコミュニケーションに最適なアイテム。頭を使うことによる知育玩具としての役割はもちろん、噛み癖対策や留守番時の不安や退屈を解消する一人遊びグッズとしても活躍します。また、長時間集中できるおもちゃでもあるので、触られるのを嫌がる部位を触りたいときや、ブラッシングの練習時に気を紛らわすのにもおすすめです。とはいえ、このような便利な使い方をするためには、コングが大好きになってもらわなくてはなりません。犬がコングに飽きて放り出してしまわないように、ぜひ今回紹介したいろいろな使い方を試してみてくださいね。
東京大学農学部 獣医学専修を卒業後、大阪の高度獣医二次診療病院に勤務の後、渡米しミシガン州立大学、カリフォルニア大学 ディビス校にて、整形外科・再生医療の研究などに携わる。帰国後は、アメリカでの経験を活かし、神奈川県大和市にある山口獣医科病院の院長として、より良い地域医療の普及に邁進中。
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