
子犬を迎えたら要チェック。犬に必要な健康管理のまとめ【獣医師監修】
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犬がマダニに寄生されると、時には命をも脅かす病気にかかることがあります。また、マダニによる被害は犬だけではありません。人もマダニが原因で命にかかわる病気にかかることが知られています。
犬に寄生したマダニが吸血した際に、マダニの体内に潜んでいる病原体が犬へと感染することがあります。それが、命に関わる貧血を起こす「バベシア症」です。
バベシア症は、バベシア原虫という病原体を体内に持つマダニに咬まれることで発症する病気です。バベシア原虫は、犬の赤血球に寄生し、寄生された赤血球は犬の体内でどんどん破壊されていきます。すると犬は貧血を起こし、同時に元気を失い、発熱や食欲不振といった症状が見られるようになります。赤血球の破壊が極めて急速に起こった場合には、死に至ることもあります。
バベシア原虫をはこぶマダニは、かつては西日本にのみ生息するとされてきました。しかし近年では全国どこでも、犬がマダニに咬まれるとバベシアに感染する可能性があると考えておかなくてはなりません。
犬にマダニが寄生してても、あわてて自分で引っ張ってとろうとしてはいけません。
マダニは犬の皮膚に頭部を食い込ませて咬みついているため、無理に引っ張って取ろうとすると、頭部が犬の体内に残ってしまうことがあります。
運よくマダニをはがせたとしても、そのマダニに人が噛まれると、今度は人がマダニのもつ病原体に感染して病気にかかる恐れがあります。
犬の体にマダニを見つけたら、必ずすみやかに動物病院で診察を受け、駆除してもらうようにしてください。
マダニは、人にも深刻な病気を起こす可能性があります。マダニが媒介する人の病気としては「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」、発熱や紅斑などを引き起こす「日本紅斑熱」などが知られています。
特に、「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」は、 10~30%と致死率の高い病気です。マダニへの対策を徹底することで予防することが大切です。
※参考
厚生労働省 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について
マダニ対策としては、動物病院で処方されるノミ・ダニ対策の薬を使用してください。お薬にはいくつかの種類がありますので、かかりつけの獣医師と相談しながら決めるのが良いでしょう。
動物用医薬品以外のノミ・ダニ対策グッズは、効果が十分ではありません。確実なマダニ対策のためには、動物用医薬品を使う必要があります。
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散歩後にブラッシングすることで清潔さを保つと同時に、マダニが付着していないか確認をしましょう。万一、マダニが付着していたら、動物病院へ。
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マダニには、犬にも人にも深刻な病気に感染させる可能性があります。年間を通してマダニへの感染のリスクはありますので、安心して毎日を過ごせるように予防対策は通年で行いましょう。
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