
犬の留守番のストレス解消の方法5選【獣医師監修】
犬が留守で感じるストレスを解消する方法には、ストレスの原因によりいくつかのパターンがあります。犬は留守番中、飼い主が不在…
夏の帰省などの予定で、愛犬をどこかに預ける必要があるという飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか。でも、犬を預けることは大きなストレスになるのでは?と不安に思う飼い主さんもいるかもしれません。でも、今後飼い主さんの体調の変化や仕事の都合、災害などでやむを得ず犬預けることになってしまうこともないとはいえません。そのようなときに備えて、日ごろから飼い主さんも犬も、「預ける/預けられる」ということに慣れておくことはよいことです。今回の記事は、愛犬を預けるにあたってよくある3つの疑問にお答えします。
犬を預けよう、と決めた時の悩みのひとつは、「犬をどこに預けるのか」ということですよね。犬を預ける場所を適切に選んであげることは、預けられる犬のストレスの軽減に大きく影響します。預け先別の特徴を知ったうえで、年齢や性格、健康状態といった愛犬の状況とあわせてどこに預けるかを決定するのがベストです。
犬を預ける先として、トリミングサロンやペットショップに併設されているペットホテルを思い浮かべる飼い主さんも多いのではないでしょうか?普段通い慣れているサロンであれば、スタッフの顔も部屋の様子にも犬が慣れているため、比較的犬のストレスが少なくて済む可能性があります。
ペットホテルでは、食事やお散歩の時間だけでなく、施設内のフリースペースで自由に遊べる時間を設けているところもあります。また、連泊や長期の利用で料金が割引になったり、複数頭で預けると割引になったりというところもありますので、情報をチェックしておくと、いざという時に便利ですよ。
ペットホテルは、愛犬の健康状態によっては預けられないことがありますので、事前に細かく確認をしておく必要があります。
動物病院によっては、病気をした時の入院ではなく、ホテルとしての預かりを受け入れている場合もあります。また、動物病院にペットホテルが併設されているというケースもあります。
普段からかかっている動物病院で預けることができれば、愛犬も施設の雰囲気や先生、スタッフのことを分かっているというだけでなく、先生も犬の普段の様子を知ってくれているため、飼い主さんとしては心強いですよね。
治療中の疾患がある犬や、体調に波がある場合、高齢の犬の場合などは、動物病院のペットホテルがよいでしょう。
ただし、動物病院でのいやな経験などから、動物病院そのものが苦手な犬もいます。愛犬が動物病院を苦手に感じているようであれば、預けることが犬にとって非常に大きなストレスとなってしまいます。愛犬の気持ちも考えながら預ける先を決めてあげましょう。
また、ペットホテルを併設している動物病院を除いては、動物病院はあくまでも「ペットホテル」としての機能よりも「病院」としての機能がメイン。急患が来たり、診療が混雑したりしている場合には、長時間ケージの中で過ごすことになることも少なくないことは知っておきましょう。
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普段から交流があって慣れ親しんでいる知人や親戚宅であれば、環境は変わっても家庭で過ごすという点で、犬も比較的リラックスして過ごせる可能性が高いでしょう。預ける場合は、預け先の人間が犬の扱いに慣れていることや、犬の扱いについて飼い主さんと同じような考え方である必要があります。
また、知人や親せきの方が相手であったとしても、万が一犬がケガをしてしまったり、誰かにケガをさせてしまった場合、家具などを破損、汚損してしまった場合など、トラブルへの対応についても、きちんと決めておかなくてはなりません。
どのタイプの預け先に預けるかを決めたら、次に実際の犬の預け先を決定しましょう。いくつかチェックしておきたいポイントがありますので、愛犬にとって何が好ましいのか、何にストレスを感じるのかをよく考えて、優先順位をつけてみましょう。
犬を預けるときに、しつけが不十分な状態の犬の場合は、預けられる先が見つかりにくいことがあります。また、犬も預け先で、落ち着いて過ごせずにストレスをためることになってしまいます。犬を預けるときのためにも、日ごろのきちんとしたしつけが重要です。
愛犬は、飼い主さん以外の人間やほかの犬がいる環境でも、落ち着いて過ごすことができますか?
犬がきちんと社会性を身に付けている場合は、飼い主さん以外の人間やほかの犬ともトラブルを起こすことなく過ごすことができます。子犬の時期から、家族以外の人間や外で出会う犬にできるだけ慣らしておき、社会性のある犬に育てることがポイントです。
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預け先では状況によっては、長い時間クレートで過ごさなければならないかもしれません。クレートに入ることを嫌がる犬には、大変大きなストレスとなってしまうことでしょう。
クレートに慣れるためには「クレート=安心できる場所」と犬が感じられるようにしておくことがポイントです。犬の好きな毛布を敷いたり、日ごろからこまめにクレートを使って楽しい思い出が増えるような状況を作り、クレートに慣らしておくことをおすすめします。
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愛犬が普段、飼い主さんと離れて過ごすことがあまりない場合は、飼い主さんと離れる練習をしておくと、いざ預けるときが来ても不安が少なくて済みます。
初めての時から長時間預けてしまうと、犬に不安を与えてしまうことがあります。すると、飼い主さんと離れることがより一層苦手になってしまいます。最初はほんの数分程度、たとえば、ごみ出しの間だけ、など、別の部屋で過ごせるようにすることから練習をはじめ、徐々に飼い主さんと離れても落ち着いて過ごせる犬にしつけていきましょう。
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【留守番のしつけ】犬が落ち着いて過ごせるようになるコツとは?
これまで一度も誰かに犬を預ける機会がなかった場合には、本番前に預ける練習をしておくのも1つの手です。練習は、飼い主さんと離れることが犬にとって大きなストレスにならないように、数時間や半日程度からスタートさせましょう。預けている間に、犬が楽しいと感じるような出来事があるようにしてもらえるとベスト。
反対に、最初から長時間預けたり、預けている間に嫌な思いをするようなことがあったりすると、トラウマとなってしまい、預けられることが苦手な犬になってしまうことも。練習の時点で、犬が預けられることを苦手にならないように、注意して進めることが非常に大切です。
預けられることが苦手にならないようにするには、預け先の協力が欠かせません。
フードや食器、リード、クレート、おもちゃなど、普段使っているものを渡してそれを使ってもらうようにし、できるだけいつもと同じ環境を作ってあげましょう。預けている間、犬が好きなことをたくさん経験させる一方で、愛犬が苦手なことはできるだけ避けるように、可能な限り協力してもらえる預け先を見つけることがポイントになります。
飼い主さんと一緒にいる時間が犬にとって一番なのは当然ですが、預けることをマイナスに考えすぎないようにすることも大切です。どの飼い主さんもどの犬も、環境や状況によってどうしても預けなければならないときが来る可能性があります。その時に落ち着いて過ごせるように、普段から社会性のある犬に育てておくようにしましょう。預けなければならない状況はいつやって来るか分かりません。普段からペットホテルや動物病院など、預け先の情報収集をしておくと、いざというときに安心です。
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東京大学農学部 獣医学専修を卒業後、大阪の高度獣医二次診療病院に勤務の後、渡米しミシガン州立大学、カリフォルニア大学 ディビス校にて、整形外科・再生医療の研究などに携わる。帰国後は、アメリカでの経験を活かし、神奈川県大和市にある山口獣医科病院の院長として、より良い地域医療の普及に邁進中。
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