
犬のでべそ、臍ヘルニア(さいヘルニア)とは?【獣医師監修】
犬の臍ヘルニア(さいヘルニア)は、犬のおへその部分にぽっこりと膨らみができる、いわゆる「でべそ」の原因のひとつです。今回…
犬の血尿は、体で何か問題が起こっているサイン。時には極めて緊急性が高く、救急処置が必要となることもあります。病気の原因についての自己判断はせず、しっかり犬の様子を観察し、動物病院を受診してください。
尿の色の確認は、排泄したあとのペットシーツや床(地面)、排尿後の犬の外陰部に白いティッシュを押し当てるなどして尿をティッシュに吸わせることで可能です。
犬が血尿しているのを見つけたときには、血尿のでかたや尿のしかたも確認してください。排尿するときの様子は、動物病院での診断の助けになります。排尿しようとりきんでいるのに尿がちょろっとしか出ない、何度もトイレに行っている、おしっこの最後の方だけポタポタ血が混ざるなどといった症状がないかをよく観察しておきましょう。
粗相も症状のひとつかもしれません。それまでトイレで排泄ができていたのに、急にトイレ以外の場所で何度も排泄するようになったという場合は、尿の量が増えたり、頻尿になったりしている可能性が。逆に、尿量が急に減っていないか、も非常に大切なポイントになります。
あわせて、犬に元気、食欲があるかといった一般的な健康状態や、嘔吐や発熱などの血尿以外の症状がないかにも気を付けておきましょう。
これらの尿は血尿と間違われがちですが、必ずしも「血尿」ではなく、正確には「血色素尿(ヘモグロビン尿)」や「ビリルビン尿」と呼ばれる尿であったりします。これらの血尿っぽい「いつもと異なる色の尿」が出ている時にも、動物病院を受診する必要があると考えてください。
犬が血尿や血尿のような異常な色の尿をしたのであれば、それ以降にする尿についてはできる限り色と量を確認し記録しておくことをおすすめします。
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犬が血尿をしたら、動物病院で診察や治療を受ける必要があります。血尿の原因をつきとめることなく、自宅で血尿に対してできることはほとんどないと考えておきましょう。
ここで気を付けておきたいことは、犬の血尿には、命の危険があり、たとえ夜間でも大至急動物病院を受診するべきケースと、急がなくてもよい(可能な限り早いタイミングで受診すべき)ケースとがあるということ。
まずは犬の様子をしっかり観察して、緊急受診が必要かどうかを判断しなくてはなりません。判断に迷うときは、動物病院に連絡を取り、状況を伝えて指示を仰ぎましょう。
血尿をしていた犬が、きちんと排尿できなくなっている時は、結石や腫瘍などが原因で尿道閉塞を起こしている可能性があります。また、腎臓で尿が作られない腎不全の状況に陥っていることも。そのままでは、数時間ほどの間に重篤な状態へと症状が進行してしまうこともあります。
また、血尿や血尿のような異常な色の尿をしている犬の歯茎の粘膜がいつもより白っぽい色をしている時は、なんらかの原因で重度の貧血が起こっているかもしれません。真っ赤な血尿を大量にする場合も同様です。出血により貧血を起こすおそれがあります。原因は様々で、腎臓や膀胱といった泌尿器での出血のほか、「玉ねぎ中毒」や「免疫の異常などによる赤血球の破壊」など、いくつも考えられますが、いずれであっても急激な貧血は命に関わります。
血尿をした犬が発熱していたり、ぐったりしている場合も、 ためらうことなく動物病院を受診してください。原因はさまざまですすが、短時間で病状が悪化してしまうことも起こりえます。
避妊をしていないメスで、トイレだけでなくいろいろな場所にポタポタ血尿のようなものがついている、外陰部から血の混じったものが出ている時には子宮蓄膿症のおそれがあります。大至急動物病院を受診してください。
「血尿」だと思っていたものが、実は「血の混ざったおりもの」である場合があるのです。
避妊をしていないメス犬に起こる可能性のある「子宮蓄膿症」は、子宮に膿が溜まる病気。子宮蓄膿症は、命に関わることも多い、きわめて緊急性の高い病気のひとつです。
発情出血と無関係な時期の避妊をしていないメス犬の外陰部から血液の混ざったものが出ている場合は、速やかに動物病院を受診して、診断、治療を受けてください。
膀胱炎をはじめ、何らかの血尿の原因となる病気がひそんでいる可能性は十分にあります。
犬が血尿していたとしても、血尿の色が薄く、まとまった量の尿ができていて、元気もあり、食欲も変わりなくしっかりある状態なら、一般的には緊急性が特別に高いわけではありませんが、できるだけ早く受診してください。
犬の血尿は重篤な病気や治療に長い時間が必要な病気のサインであることもよくあります。自己判断はせず、必ず動物病院を受診してください。
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東京大学農学部 獣医学専修を卒業後、大阪の高度獣医二次診療病院に勤務の後、渡米しミシガン州立大学、カリフォルニア大学 ディビス校にて、整形外科・再生医療の研究などに携わる。帰国後は、アメリカでの経験を活かし、神奈川県大和市にある山口獣医科病院の院長として、より良い地域医療の普及に邁進中。
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