
犬の無駄吠え対策【獣医師監修】
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愛犬に「お手」をさせたいと思って練習をしているけれど、どうもうまくいかない…そんなときは、一度「お手」の教え方を最初から見直しましょう!「お手」は犬のしつけとしてとても有名なコマンドのひとつではありますが、実は教え方にはちょっとしたコツがあります。今回は、お手の練習がなかなかうまくいかない人必見の「愛犬への『お手』の教え方」をご紹介します。
「お手」は、芸ではありません。
日常のケアなどをスムーズに進めるために、できておいたほうがよいしつけのひとつです。
「お手」のゴールは、「前足を優しく握れるようになること」。
グルーミングや散歩のあとの足ふきなどをスムーズに行うために大事な「お手」。犬が足先を触られること自体を嫌いになってしまうと、日々のケアがつらいものになってしまいます。ぜひ丁寧に練習していってくださいね。
※「お手」を教えることの大切さについては、こちらの記事でご紹介しています。
→【犬のしつけ】「お手」は本当に必要なの?
犬への「お手」の教え方にはコツがあります。それは「犬が『自ら』前足を出すようにすること」です。
そのために大切なことは、無理やり犬の前足を握ったり持ち上げたりしないこと。ここではまず、「自ら前足を挙げる」ことの教え方からです。「お手」という言葉はまだ必要ありません。
まずは、おすわりの姿勢からスタートです。
おすわりの姿勢をとれたら、犬の足の甲の部分をそっと触ってみてください。
犬の前足の甲をそっと触った時に、ひょいっと犬が前足を挙げたら、その瞬間に「上手!」としっかり褒めてご褒美の食べ物をあげましょう。
たったこれだけ。これを何度か繰り返してください。
最初はほんとうにこれだけでOKです。それだけ?と思うかもしれませんが、大丈夫。
とにかく焦らずゆっくりステップアップしていくことが成功への近道です。
※おすわりの教え方はこちらの記事をご覧ください。
→犬のおすわりの教え方。確実にマスターするための4STEP
ここで「お手」という言葉と「前足を挙げる行為」を結び付けましょう。
犬の前足の甲をそっと触って、犬が前足をひょいっと挙げた時に同時に「お手」と言うようにしてください。
犬の前足を飼い主の手に乗せることはまだ考えなくてOKです。
「お手」の言葉と同時に犬が触られた前足を挙げることができたら、その瞬間に褒めてくださいね。
これも何度も何度も繰り返し練習しましょう。
いよいよ、飼い主の手に犬の前足を乗せる練習です。
「お手」の合図で犬が前足を挙げた瞬間、犬が挙げた前足の下に、さっと飼い主の手を差し出してください。
そして、ここからは犬の前足が飼い主さんの手に触れたときだけ褒めることを繰り返しましょう。何度も繰り返しているうちに、徐々に犬が自ら飼い主さんの手に触れてくるようになるはずです。
ここでは、飼い主さんの手の上に犬が前足を「乗せるだけ」で合格です。
「握手」のように愛犬の手を握ってみたくなる気持ちは抑えて、上手に前足を乗せられた愛犬を誉めてあげてください。
犬は足先を無理に触られるのを嫌がるものです。足先を手の上に乗せてくれただけでも心から「上手」と褒めてあげてくださいね。
少しずつ前足を乗せている時間を長くしていけるように、ゆっくり時間をかけて練習しましょう。
①~③の教え方を実践することで、犬は「お手」の合図で自ら前足を飼い主の手の上に乗せてくれるようになってくれるはず。でも、日常生活でマスターしておきたいしつけとしての「お手」のゴールは、前足を優しく握れるようになること。次は、「お手」で飼い主の手の上に乗せた愛犬の前足を、優しくそっと握られることを練習しましょう。
「前足を握られる」ということは、犬にとって苦手な行為であることが少なくありません。ですから、できるだけ、「前足を優しく握られる」ということに良い印象を持ってもらうことがポイントです。
「お手」で飼い主の手の上に乗せた前足を優しくそっと握ってください。くれぐれも「握手」のようにぎゅっと握ったり、握った前足を上下に振ったり、前足を引っ張ったりはしないでください。さらに、犬の前足を優しく握っている間、しっかりと誉め言葉をかけながら、反対の手に握ったおやつなどのご褒美を少しずつ与え続けます。
苦手なことを我慢している状態を褒め続けることで、お手で前足を握られることに対する印象を良いものにしていくのです。
愛犬の前足を優しく握って少し時間がたったら、必ず愛犬がおやつを食べている間に握るのをやめましょう。ここが大事なポイント。握られることを嫌な印象で終わらせないことが大切です。
最初はほんの一瞬からスタート。1秒でも我慢できたらしっかりと褒めてあげてくださいね。そのようにして、少しずつ愛犬の前足を握っている時間を長くしていきましょう。
このように、犬が前足を握られることに対して、良い印象を与えを、犬が前足を優しく握られることが好きになれたら「お手」のトレーニングは大成功。
足ふきやブラッシングへとステップアップしていきましょう。
愛犬がなかなか「お手」をしてくれないときは、まず、どのような「お手」の教え方をしているか見直してみましょう。「お手!」「お手!」などと連呼しながら、無理やり犬の手を握っていませんか?これは、犬にとって、非常に迷惑な教え方である可能性があります。
足先は、多くの犬が触られるのを苦手とする場所。足先を触られるのが苦手な犬にとって、いきなり前足をグイっと握って持ち上げられることは、とても嫌なことでしょう。
犬は前足を触られることにさらに嫌な印象を持ってしまいます。さらには、「お手」という言葉に対しても「嫌なことをされる言葉」と認識してしまうかもしれません。
また、自分がされたくない行為を何度も何度も繰り返しする飼い主のことを、心から安心できる相手と思えるでしょうか…?しつけをすることで、愛犬と飼い主の関係が悪化してしまうようでは本末転倒ですよね。
愛犬にはぜひ、嫌な気持ちを持つことなく「お手」ができるようになる教え方をしてあげましょう。
犬に「お手」を教えることが大切なのは、普段のお手入れをできるだけストレスなく、楽しく進めていけるようにするため。とはいえ、前足を飼い主に預ける行為は、本来は犬にとってはあまりしたくない行為。「お手」ができて当たり前、という考えは捨て、できるだけ愛犬が嫌な思いをしない教え方、犬が自ら「お手」をしたくなるような教え方でゆっくりと「お手」を教えてあげてください。上手にできた愛犬を心から褒めることもしつけではとても大切。ぜひ、愛犬との絆を大切にした教え方で「お手」をマスターしてくださいね。
※ こいぬすてっぷでは、「お手」だけでなく、これからみなさんが挑戦していく様々なしつけについて、愛犬にやさしい教え方で月齢ごとにご紹介しています。ご興味のある方はぜひお問合せください。
こいぬすてっぷに所属している獣医師チーム。臨床経験が豊富な獣医師により構成されています。獣医療の知識や経験を生かし、子犬育て、しつけに関わる正しい知識をわかりやすくお届けしていきます。
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