
子犬がトイレを失敗する3つの理由【獣医師監修】
子犬がトイレを失敗する理由がわかれば、失敗を減らすための対策は見えてきます。子犬がトイレを失敗する理由でよくあるものをひ…
犬の無駄吠えのしつけでお悩みの方は多いもの。 犬が吠えるのは自然なことで、吠えるのには理由があります。もっと言えば、「無駄吠え」は、犬目線で考えると決して「無駄」ではなかったりもします。ワンワン執拗に吠えているのを見ると、つい「無駄吠えしている」と感じてしまうかもしれませんが、愛犬が吠える理由を考えて適切な対応をすれば、困ってしまうような「吠え」を減らしていくことはできます。ここでは犬の無駄吠えのしつけについてご紹介します。
犬がむやみに吠えてしまうと、近所への迷惑、やりたいことに集中できない、テレビの音が聞こえない…などなど、「無駄吠え、困ったな…」と感じてしまいますよね。無駄吠えをしつけなければ…と思ったら、まずは必ず犬が吠える理由を探ってみる必要があります。
犬がコミュニケーションをとる方法は主に次の3つ。
つまり、「吠える」ことは犬にとっては大事なコミュニケーション方法のひとつ。吠えている犬は必ず何か訴えたいことがあるのです。吠える犬に「無駄吠えするな!うるさい!」などと言って叱ることを繰り返すのは正解とはいえません。それどころか、問題を悪化させてしまうこともあるのです。
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「無駄吠えがひどい…」と飼い主を困らせるほどにしつこく吠える犬によくあるのが、「一緒に遊ぼうよ」、「こっちを見てよ」「かまってよ」「外に出してよ」といった要求です。
バタバタと忙しく夕食の用意をする飼い主の足元にまとわりつきながらキャンキャン吠える、ずっとサークルの中にいて退屈してしまった時にワンワン吠える、などといった吠えがこのパターンです。飼い主さんは飼い主さんでやりたいことがあるタイミングだったりすると、ついつい「また無駄吠えしている!」と思ってしまいがちですよね。
そんな時、「もー静かにしてよー」など声をかけると、おそらく犬は、「喜んでもらえた!かまってもらえた!」と認識してしまうでしょう。また、無駄吠えがうるさいから、とりあえず…と要求にこたえるようにしていると、「吠えたことで要求を聞いてもらえた!」つまり、「報酬を得た」状態となります。こうして要求吠えがますます激しくなってしまっているケースもよくあります。
一方、何かを警戒して激しく吠える犬も多いものです。
「何だ?」、「あやしいぞ!」、「あっちに行け!」「こっちに来るな!」といったところでしょうか。インターホンが鳴ったらワンワン吠える、救急車などのサイレンの音がしたら吠える、お客さんが部屋に入ってきたらギャンギャン吠える、といったパターンです。
こういった、いわゆる「警戒吠え」は、過去の嫌な経験が警戒する対象と結びついてしまった、子犬の時期に生活の中で出会う様々な音や刺激に十分慣れることができなかった、といったことが理由であることが多いでしょう。また、吠えたタイミングでたまたまお客さんが出て行ったりすると、そのことが「吠えることで追い払うことができた!」という成功体験になってしまいます。そうしてどんどん警戒吠えがエスカレートしていくケースもよくあります。
犬が吠える理由は犬のおかれた状況によって異なります。大事なのは、今あなたを困らせている愛犬の吠えの理由を正確にとらえて対策をとることです。
「どんな犬にも万能な無駄吠えのしつけ方」なんてものはありません。「うるさい!無駄吠えはだめ!」と叱りつけるなどはもってのほか。叱られた瞬間はびっくりして吠えることをやめるかもしれません。でも、犬の訴えに耳を傾けないままでは、次に同じ状況になった時にまた同じように愛犬は吠えることになるのです。
ですから、まずはとにかく愛犬が吠える理由を知りましょう。愛犬がよく吠えるときの様子や環境、時間帯などを観察して、地道に記録する方法がおすすめ。そうすることで、愛犬が吠えている理由が見えてきます。時には愛犬が吠える理由はひとつではなく複数あるかもしれません。そのひとつひとつに対して、丁寧に対応していくことになりますので、愛犬の無駄吠えのしつけには根気と忍耐が必要であることは覚悟しておきましょう。
吠える理由とその時の愛犬の気持ちをくみとることができたら、もう「無駄吠え」などとは言わず、「吠えなくてもいいよ、きちんと伝わっているよ」と丁寧に伝えていきます。愛犬が吠える理由を見抜き、その理由にあわせた対策をすることで、やがて愛犬はむやみに吠えなくてすむようになっていくのです。
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飼い主の食事をおねだりする犬への対処法【獣医師監修】
愛犬なりの吠える理由がわかってしまえば、個々の犬の理由によって必要な対策が見えてきます。ここでは、よくある犬の吠えに対するしつけ方の例をご紹介します。
インターホンに反応して吠えてしまう犬は多いもの。「誰かきたよ!怖い!」や「誰だ?あっちへ行け!」などといった警戒の気持ちからの吠え(警戒吠え)と考えられます。
もしかしたら、インターホンがなって知らない人が家に入ってきて驚いた、怖かった、などの経験が重なって、犬は「インターホン=怖い!」と学習してしまったのかもしれません。もしくは、犬が吠えたあと、タイミングよく来客が帰っていった経験があり、「吠えることで知らない人を追い払うことができた!」という成功体験となっているのかもしれません。こんな時は、インターホンが鳴った時の警戒心や恐怖心を和らげてあげる必要があります。
ただでさえ、インターホンが鳴って緊張したり警戒したりしている犬に「うるさい!」などと叱りつけるのは逆効果。インターホンが鳴った時に警戒してしまう犬の気持ちを受け入れ、愛犬に「大丈夫だよ」などと優しく声をかけて安心させましょう。おやつなどで来客から気をそらしてしまうのもひとつの方法です。
そうしたうえで、来客のない時間帯に少しずつインターホンへの警戒心を解くトレーニングを重ねておきましょう。「インターホン=怖くない!吠えなくても大丈夫!」と学習するような練習です。
具体的には、インターホンが鳴ると同時に、愛犬が喜ぶおやつをあげたり、おもちゃを与えたりという練習を繰り返します。また、インターホンの直後に遊んであげたり、撫でてあげたりといった、愛犬が好きなことと「インターホン」をセットにする練習を積むのもひとつの方法。繰り返しているうちに、だんだんとインターホンに対する警戒心が和らぎ、インターホンが鳴るたびに吠えるような「警戒吠え」は解決していきます。もちろん、吠えずにいられたときに心から褒めてあげることもお忘れなく。
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飼い主さんが食事の支度をし始めると、吠える犬も少なくありません。これはいわゆる「要求吠え」であることが多いでしょう。
愛犬は「早くごはんをちょうだい!」と飼い主さんに訴えて吠えるのかもしれません。もしくは、バタバタと忙しくしている飼い主さんに対して、「もっと遊んで!」「一人にしないで!」などという要求を通すために犬が吠えるような場合もあるでしょう。
このように犬が何かを要求して吠えるのをやめさせたいからと、吠えるたびに犬の要求に応えて、ごはんをあげたり、遊んであげたりしてしてはいませんか?
それでは「吠える=飼い主さんがかまってくれる、要求に応えてくれる」と犬が学習してしまい、要求があるときの吠えがエスカレートてしまうことも。犬が吠えるのをやめ、落ち着いてからごはんをあげるなど、飼い主さんは要求に応えるタイミングを考えなくてはいけません。
また、いつも夕食を作ろうとするタイミングで「遊んで!」と吠えるのであれば、愛犬が吠える前に要求を満たしてしまうのがとても効果的な方法です。夕食づくりの前に、愛犬と散歩に出たりじっくり遊んだりする時間を設けてみてはいかがでしょう。飼い主さんが夕食を作らなくてはいけない時間帯に犬が心身ともに満足している状態になっていれば、「無駄吠え」と感じてしまうほどのしつこい吠えに悩まされることはなくなるでしょう。
たくさん吠えてしまう犬への対策は、先回りして吠える状況を作らないようにすることに尽きます。そのためにも、愛犬が飼い主さんを困らせるほどに吠える理由を正確に知っておくことがとにかく大切なのです。
吠える犬への対策を考える際には、犬の毎日の生活をふりかえり、充足した環境が作れているか、犬のニーズは満たされているかをこまめに見直すことは欠かせません。
運動は本当に足りているでしょうか、飼い主さんと一緒に遊ぶ時間は十分でしょうか。愛犬の健康管理はしっかりできているでしょうか。こういった「犬が求める基本的なこと」をあらかじめ満たしておくだけでも「困った吠え」はずいぶん減るはずなのです。
愛犬が吠える理由を把握して、吠える状況を作らないように…といっても、避けられないものは必ずあります。そんなときも、できるだけ先に対応しておき、むやみに吠えさせないようにすることを心がけましょう。
たとえばサイレン。サイレンが鳴ったら吠えることがわかっているのであれば、普段からおもちゃや知育玩具、おやつなどをすぐに出せる状態にしておき、サイレンが鳴ったらできるだけすぐに与えて気をまぎらわしてあげましょう。
犬が吠える理由を正しく知っておき、あらかじめその理由にあった準備をしておくことで、吠えないように、また、吠えたとしても短時間で吠えるのをやめられるように導いてあげるのです。そこで吠えずにいられたら、もしくは、すぐに吠えるのをやめられたら、そのことをしっかりと褒めてあげましょう。そうすることで、だんだんと「無駄吠え」と感じるような吠えは減っていきます。
犬の吠える理由を把握して、どんなに準備をしていても、常に完璧に吠えない状況を作り出すことは不可能に近いでしょう。そんなときのため、愛犬が吠える前に出すサインに敏感になっておくことも大切です。 「要求吠え」や「警戒吠え」への対策として必要なのは吠える前に気持ちを察して対応し、吠えずにすむようにしてあげること。愛犬をよく観察している方なら、犬が吠える前に出すサインに思い当たるものがあるはずです。
「音のしたほうを警戒した様子でじっと見ている」「おすわりしてじっと飼い主さんを見つめている」や、「飼い主さんの足にまとわりついてウロウロする」など、「何かこわいことがあるのかな?」「何かしてほしいことがあるのかな?」などと思うことはありませんか?「あ、吠えそう」という瞬間に犬が出すサインに気づいたら、ぜひそのタイミングで愛犬に声をかけ、警戒している対象から気をそらせてあげたり、要求に応えてあげたりしてください。
たったそれだけのことで、犬は吠えなくてすむのです。忘れてはならないのは、そこで吠えなかったことを褒めてあげること。これを繰り返すことで、犬は「吠えなくても飼い主さんはわかってくれる!」ということを学び、吠える以外のアピール方法で飼い主さんに訴えてきてくれるようになりますよ。
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犬が吠えるのには理由があるのですから、吠えてしまった犬を叱ることは、決してしてはいけません。犬が吠えたあとにすることは、吠えた理由が何なのかを考えること。今、あなたの愛犬が吠えてしまったことは、しかたのないこと。叱るのではなく、次は吠えさせないようにすることを考えましょう。
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「吠える」ことは犬が生まれながらに持つ大切なコミュニケーション方法。犬と生活する中で、「吠える」という行動を完全になくすことはできないものだと理解しておきましょう。その一方で、犬と心から幸せに暮らしためには、折り合いをつけていくことも必要ですよね。生活の支障となるような不必要な吠えや執拗な吠えをなくすことを目指し、根気よくしつけに取り組みまましょう。「吠えない」ことは決して当たり前ではありません。「無駄吠えしない犬」の多くは、人と一緒に生きていくために、人間社会でのルールを覚え、「吠える」以外の伝達方法を学んでいるのです。愛犬のことをわかってあげられるのは飼い主さんです。いつもは吠えるような状況で愛犬が吠えずにいられた時には、「吠えなかったね、いい子だね、ありがとう」と心から褒めてあげることも大切なことです。
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東京大学農学部 獣医学専修を卒業後、大阪の高度獣医二次診療病院に勤務の後、渡米しミシガン州立大学、カリフォルニア大学 ディビス校にて、整形外科・再生医療の研究などに携わる。帰国後は、アメリカでの経験を活かし、神奈川県大和市にある山口獣医科病院の院長として、より良い地域医療の普及に邁進中。
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