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乾燥によって起こりやすい犬の健康トラブル3選【獣医師監修】

乾燥した空気は人と同様、犬の体にもトラブルを起こします。今回は、冬におこりがちな乾燥に関係した健康トラブルのうち代表的なもの3つをご紹介します。
①皮膚のトラブル
空気が乾燥すると皮膚が突っ張ったり、痒みを感じたりする人も多いのではないでしょうか。皮膚が乾燥すると、それまで何ともなかったようなちょっとした刺激でもかゆみを感じるようになるのは犬でも一緒。
そのかゆい部分を犬がかきむしったり、なめ続けたりすると、そこから出血して傷になったり、新たに皮膚炎を起こしたりすることもあります。冬場は空気の乾燥を防ぐとともに、保湿を中心としたスキンケアもしっかりと行いましょう。
皮膚の病気で治療中の犬はさらに注意を!
既に皮膚病で治療中の愛犬の場合はさらに気を付けなくてはなりません。乾燥が原因で、かゆみなどの症状が悪化することがあるからです。
特に、細菌感染を原因とする膿皮症やアトピー性皮膚炎は、乾燥が発症や症状を悪化させる原因のひとつと考えられています。それは、皮膚の乾燥によって、外敵の侵入をブロックするバリア機能が低下してしまうから。
実際、季節にかかわらず保湿は皮膚疾患の治療の中でとても大きな役割を果たします。適切なシャンプーと保湿で、皮膚のバリア機能を維持することが皮膚疾患の治療では大変重要なのです。ですから、空気の乾燥する冬場は特に、室内の空気をできるだけ乾燥させないようにすることと、獣医師の指示に従ったスキンケアを丁寧に行うことをおすすめします。
②呼吸器のトラブル
気道の粘膜が乾燥すると、気道の粘膜で異物を排泄するバリア機能がうまく働かなくなります。そのため、ホコリなどの異物を強制的に体の外に出すために咳が出やすくなります。また、乾燥そのものが気道粘膜を刺激して咳を引き起こすことも。これらは、正常な体の反応による咳ではありますが、犬の体力そして呼吸器には大きな負担となるものです。
ですから、こういった咳を繰り返させることは決して良いこととは言えません。空気が乾燥しすぎている場所で長く過ごすことは避けましょう。
もともと病気がある場合や免疫力が低下している犬では特に注意!
呼吸器や心臓に疾患があり、もともと咳をしやすい犬の場合、乾燥が原因で咳が悪化してしまうおそれがあります。また、高齢であったり、もともと持病があったりで免疫力の低下している犬の場合は、乾燥によって気道粘膜のバリア機能がさらに低くなるため、気管支炎や肺炎などの感染症を起こしやすくなってしまいます。
咳がひどい状態は犬にとって、とてもつらく苦しいものです。愛犬の咳が増えたかな、と感じるときには、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。
③眼のトラブル
人と同じで、犬も乾燥によって角膜炎や結膜炎をおこしやすくなります。特にシーズーやチワワのように目の飛び出している犬種は要注意。また、病気によってもともと涙の量が少ない犬や瞬きがうまくできない犬も十分に気を付けておかなくてはなりません。
すでに病気と診断されている場合は、眼の表面を乾かさないようにするお薬を指示通りに使うことも必要ですが、室内の加湿にも十分気を使うことも大切です。もともと眼に特に問題のなかった犬でも、 黄色い目ヤニが増えたり、目を眩しそうに頻繁にまばたきしていたりする時はできるだけ早く動物病院へ。
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乾燥対策は万全に
加湿器は必須。暖房のかけすぎにもご注意
部屋の湿度は40〜60%を目安に加湿しましょう。また、暖房のかけすぎにも気を付けておかなくてはなりません。
意識して水分補給を
冬場は水を飲む量が少なくなりがち。気づかないうちに体の水分量が減ってしまっていることがよくありますので、意識して水を飲ませてあげるようにしましょう。
飲水量を増やすには、水のみボウルの場所を増やしたり、水に出汁を少し加えて風味を付けてあげたりといった方法が。ただし、味付けをした水は傷みやすいので、こまめに交換することをお忘れなく。高齢犬の場合は、水飲みボウルの位置を少し高くすることで楽にお水を飲めるようにしてあげると、よく飲んでくれたりもしますよ。
乾燥対策をしっかりして、冬を元気に乗り切りましょう
人と同じで犬にとっても、乾燥は不快感や健康トラブルの原因になります。水をしっかり飲ませ、空気の乾燥対策もしっかりと行なって、元気に冬を乗り切りましょう!
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