
犬の老化のサインとは?【獣医師監修】
犬も加齢に伴い様々な体の変化がみられるようになります。いわゆる「老化のサイン」です。しかし、「老化」のサインといわれてい…
豪雨などの災害が起きたとき、ペットを守る準備はできていますか?こいぬすてっぷで実施した災害への対策についての調査では、7割以上の方から、「愛犬のための防災対策ができていない」の結果でした。災害時に愛犬を守るには、日頃からしっかり対策をとっておく必要があります。愛犬と暮らす飼い主として、改めて愛犬の災害への対策について考えてみましょう。
しつけや社会化は災害への対策に役立ちます。万が一避難が必要になった時、愛犬と周りの人を守るためにも基本的なしつけや社会性を身に着けておくことは欠かせません。「おすわり」や「まて」、「トイレ」などの生活に必要なしつけや「家族以外の人に慣れる」、「環境の変化に適応しやすくする」といった社会性を身に着けておくようにしましょう。
避難所で生活をすることになったり、一時的に誰かに預かってもらったりと、生活環境が大きく変わってしまうことも考えられます。ペットとの同行避難が可能な避難所、親戚や知り合いの家、ペットホテルなどが愛犬の生活場所となる可能性を考えておかなくてはなりません。そんなとき、もし愛犬が飼い主以外の人や自宅以外の場所が苦手だと、自宅以外の場所で家族と離れて暮らすことに不安や強いストレスを感じてしまうでしょう。また、一緒に避難生活を送る周囲の人とたちに迷惑をかけてしまうことにもなりかねません。
災害時の生活で感じる愛犬のストレスを少しでも和らげてあげるためにも、周囲の人への配慮としても、社会化やしつけを丁寧にしておく必要があるのです。
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災害時はペットと同行避難することが環境省の 人とペットの災害対策ガイドラインで推奨されています。
東日本大震災以降、ペットの受け入れをしている避難所が増えてきていますが、全ての自治体で災害時のペットの受け入れ体制が整っているわけではありません。あらかじめ、最寄りの避難所でペットを受け入れているかどうか確認しておきましょう。もしも最寄りの避難所での受け入れが困難な場合、愛犬の受け入れ可能な施設がどこにあるのかまで調べておく必要があります。
また、地域で避難訓練が行われる場合には、ぜひ愛犬と一緒に参加してみてください。
ペットとの同行非難とは、飼い主が避難所や安全な場所までペットと同行する、という意味であり、必ずしも避難所でペットと一緒に過ごせるわけではありません。愛犬はペット専用スペースで飼い主と別に過ごさなくてはならないことも少なくありません。避難所での愛犬の過ごし方について、平常時に避難所に確認しておくことも大切です。
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災害時、避難所では、感染症や病気の流行が心配されます。残念ながら全てのペットが健康で予防接種をしているわけではない現状、たくさんの犬が同じ空間で過ごしているうえ、ストレスなどで免疫力の低下した犬は、感染症にかかりやすくなってしまいます。
愛犬のためにも、一緒に避難生活を送ることになる他の犬のためにも、日ごろから愛犬の健康管理を行い、ワクチンで予防可能な病気は、あらかじめワクチンを接種しておきましょう。また、人にも深刻な被害をもたらすノミやマダニへの対策を確実にしておくことも飼い主の大切な役割です。
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普段から食べ慣れているフードを7日分は用意しておきましょう。災害への対策として準備しておくペットフードはできれば、1食ずつ小分けになっているものが好ましいです。
非常時のためのペット用の食糧の備蓄の有無は自治体によって異なります。また、災害時はペット用フードの支援も行われますが、過酷な状況の中、人への食糧の支援が優先されてしまうことが考えられます。避難中の愛犬の健康を管理することも飼い主の責任。必ずあらかじめある程度の量の食べ慣れたフードを用意しておくようにしましょう。
また、病気療養中で、普段療法食を食べている愛犬の場合は、さらに多くの備蓄をしておいたほうが安心です。通常のフードと比べ、療法食の支援の到着には時間がかかかってしまうことが予想されます。予備の薬と療法食は多めに準備しておけるよう、かかりつけの獣医師と相談しておくとよいでしょう。
そのほか、愛犬が飲むことのできる水も最低1週間分は用意しておきましょう。
愛犬用のキャリーやリード、ハーネス、首輪は、災害時に速やかに避難できるように、取り出しやすい場所に用意しておきましょう。首輪やハーネスに名札をつけておくこともお忘れなく。
災害時、小型犬や子犬は、ペット用キャリーに入った方が、負担がなく避難できます。リードを付けた状態でキャリーバッグやクレートに入れるようにしておきましょう。
使い慣れたキャリーバッグやクレートは、災害時に愛犬が避難先で過ごすベッド代わりにもなります。愛犬が安心できる場所にもなりますので、避難所でのストレスを和らげ安心させてあげることに役立ちます。
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愛犬が普段使用している消耗品や日用品は、防災対策グッズとして多めにストックしておきましょう。
特に避難所で問題になりやすいのは、トイレ問題。排泄は必ずトイレシーツの上でして、粗相してしまった時のために消臭スプレーも用意しておきましょう。
避妊をしていない愛犬の場合は、マナーベルトも準備しておきましょう。
そのほか、愛犬用の靴や靴下を防災対策として用意しておく人が増えてきています。犬の靴や靴下は、避難の時のケガや負担を軽減するのに役立ちます。ぜひ普段から履かせる練習をしておきましょう。
最近は人間と犬の防災対策グッズセットがインターネットなどでも販売されていますので、そういったものを購入しておくのもよいかもしれません。
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災害で愛犬が迷子になってしまったときに、捜索しやすいように、防災グッズに愛犬の写真を用意しておくとよいでしょう。避難所や役所などには、情報交換のための掲示板が作成されますので、そういったところに掲示することが可能となります。また、迷子犬の届け出をする時にも、愛犬の写真は役立ちます。
阪神・淡路大震災や東日本大震災、平成30年7月豪雨といった過去の災害で、飼い主とはぐれて行方不明になってしまったペットがとてもたくさんいます。その後、保護されたものの、連絡先が書かれた迷子札やマイクロチップの装着がなかったために、飼い主を特定できず、飼い主の元に戻ることのできなかった犬の数も少なくありません。
こういった事態に備えて、飼い主以外の第三者であっても犬と飼い主を特定できるようにすることは、非常に大事な災害対策となります。また、飼い主を明らかにしておくことは、避難所での愛犬の管理の責任を明確にするという意味でもとても大切なことです。
愛犬が迷子になってしまったときに備えた災害対策として、普段から首輪やハーネスに鑑札や迷子札をつけ、愛犬の身につけておきましょう。
また、狂犬病予防注射を接種し、愛犬の登録をすることで発行される鑑札と注射済票を愛犬に装着し、飼い主がきちんとわかる状態にしておくことは、法律で定められた飼い主の大切な義務です。
迷子札や鑑札の装着に加えて、動物病院で愛犬の体にマイクロチップを装着しておくことも災害対策として大切なことです。迷子札や鑑札のみの場合、放浪している間にやせてしまって首輪が抜け落ちてしまったり、雨や泥で迷子札が汚れてしまって判読できなくったりといった心配があるためです。
マイクロチップを埋め込んだ後は、登録手続きを忘れずに行わなくてはなりません。マイクロチップのデータと登録された飼い主の情報をひもづけておくことで、迷子犬を保護した時に獣医師や動物愛護センターの関係者がインターネット上で飼い主情報を検索し、ペットを飼い主の元に戻すことができるようになるのです。
マイクロチップを埋め込んだだけで飼い主さんの情報を登録していなければ、万一保護されても飼い主を特定することはできませんのでご注意を。実際、過去の災害時にも、せっかくマイクロチップを装着していたにも関わらず、登録されていなかったために、飼い主が特定できず飼い主のもとに戻れなかった例がありました。
愛犬を守るために飼い主ができる災害対策についてご紹介しました。環境省が発表した「人とペットの災害対策ガイドライン」には、災害時のペットと飼い主の対策が詳しく書かれています。愛犬家のみなさんにとって大切な情報が書かれていますので、これを機に、しっかりと読んでおくことをおすすめします。
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こいぬすてっぷに所属している獣医師チーム。臨床経験が豊富な獣医師により構成されています。獣医療の知識や経験を生かし、子犬育て、しつけに関わる正しい知識をわかりやすくお届けしていきます。
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