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【獣医師監修】避妊手術の時期、「若いうちに」って、具体的にはいつ?

   2019/12/09

初めて子犬を迎えて気になることのひとつ、「避妊・去勢」手術。とりわけメス犬の避妊手術は全身麻酔を行い、さらに開腹手術となることから、なんだか怖そう…と感じる方も多いでしょう。「早い時期に避妊手術を受けましょう」と言われても不安で決められない…そんな方のため、今回は、メスの避妊手術の時期についてお伝えしていきます。

※オス犬の去勢手術の時期についてはこちらの記事でご紹介しています。
【獣医師監修】「早い時期に去勢を…」実際のところ、いつがいい?何をする?

そもそも避妊手術って何をするの?

避妊手術の方法は大きく分けて二種類にあります。
ひとつは、「卵巣」のみを摘出するもので、もうひとつは「子宮と卵巣」を摘出するもの。日本の多くの病院では「子宮と卵巣」の摘出を選択していますが、「卵巣のみ」の摘出を行っている動物病院もあります。

いずれの方法であっても、「開腹手術」といって、全身麻酔下でお腹を開けることが必要です。また、病院によっては「腹腔鏡」と呼ばれる内視鏡を用いて避妊手術を行っていることもあります。この腹腔鏡下での避妊手術では、非常に小さな切開創(傷跡)で済み、傷の治りも早いのが利点です。

どんな方法で避妊手術を行う場合であっても、事前にきちんと診察を行い、健康状態の確認をします。病院により項目は少しずつ異なりますが、術前検査としては、血液検査や心電図、レントゲン検査などを行います。

適切な避妊の時期に避妊手術を受けた犬2頭

【避妊の時期を考える上で大切】メリットとデメリット

避妊手術の大きな目的は「望まない妊娠を避けること」、「そして将来起こりうる生殖器に関連した病気を予防すること」。避妊手術の時期を考えるにあたり、まずは避妊手術のメリット、デメリットを知っておきましょう。

避妊手術のメリット

  • 望まない妊娠を避ける
  • 発情期に感じる身体的・精神的ストレスから解放する
  • 将来起こりうる疾患を予防する

ほとんどの犬種では年に二回の発情期があり、その時期に交尾をし、妊娠、出産をします。繁殖を望んでいないのであれば、愛犬が妊娠することを避けることは飼い主の大切な責任です。避妊手術を受けることで、望まない妊娠を確実に避けることが可能になります。

また、犬の発情期には食欲不振や、動きたがらないなどの体調の変化がみられることがあります。そういった発情期の身体的・精神的なストレスから解放してあげられることも避妊手術のメリットと言えるでしょう。
※メス犬の発情についてはこちらの記事でご紹介しています。
【獣医師監修】<場面別>発情期のメス犬の過ごし方の注意とは?

避妊の時期になっている犬

さらに、初回発情前に避妊手術をすることで、犬の腫瘍の中で最も発症することの多い「乳腺腫瘍」の発症率が大きく下がることが知られています。
卵巣や子宮といった生殖器に関係した腫瘍などの病気も、避妊手術を行うことで予防できます。なかでも、治療が遅れると死亡してしまうこともある恐ろしい病気である「子宮蓄膿症」を予防できる点は避妊手術の大きなメリットと言えます。
※子宮の疾患については、「卵巣の摘出のみでも予防可能」との報告がある一方で、慎重に考えたうえ、卵巣子宮両方の摘出を勧める獣医師も少なくありません。かならずかかりつけの獣医師とよく相談しましょう。

避妊手術のデメリット

  • 全身麻酔のリスク
  • 肥満になりやすくなることがある

避妊手術には、全身麻酔が必要です。
どんなに健康な犬であっても、麻酔のリスクをゼロにすることはできません。それでも、若くて健康な時であれば、病気になってから、また、高齢になってから全身麻酔を行うよりも、リスクは低くなります。
近年は安全性の高い麻酔薬も増えていますし、獣医師は慎重に麻酔・手術を行います。不安な点は獣医師からしっかりと説明をうけておきましょう。

避妊後はホルモンバランスの変化などにより新陳代謝が低下し、肥満になりやすいことがあります。食事管理や運動でしっかりとコントロールしてあげましょう。

避妊手術の時期は若くて健康なうち…具体的にはいつ?

避妊手術の時期になる犬

望まない妊娠を避けるだけでなく、将来の病気を予防するためにも、繁殖を希望しない場合には避妊手術を受けることをお勧めします。病気の予防、そして麻酔のリスクという観点からも、早い時期、つまり若くて健康なうちに避妊手術を受けることが勧められます。

時期は生後6か月を目安に

避妊手術の時期については、若くて健康なうちに、そしてできれば初回の発情前に受けておくことがベストです。体格がある程度しっかりとしてくる、生後6か月くらいを目安にしましょう。

全身麻酔、そして外科手術は体に大きな負担がかかることも事実。何か病気にかかっていて治療中の場合は、獣医師と相談のうえ、適切な時期を選んで受けさせてあげましょう。また、発情中は避妊手術はできません。獣医師と相談し、発情が終わって体調が安定したタイミングで受けられるように予定を組むようにしてください。

避妊手術を適切な時期にうけた犬

「子犬を産ませたい」など、決めかねている場合は…

かわいい愛犬を見ていると、愛犬の子供を見たい気持ちになるなど、迷ってしまうこともあるでしょう。迷っている間は避妊手術を勧めることはできません。

避妊手術は成犬になってから行うことも可能ですので、「子犬は産ませない」と決めたタイミングで改めて時期を検討するようにしましょう。
愛犬が若くて健康的な時に避妊手術をしておいた方が、リスクは少ないということは、ぜひ心にとめておいてくださいね。

避妊の時期の相談は、ワクチンの時がおすすめ

避妊の時期について相談しにきた犬

子犬を迎えてすぐ、ワクチン接種や健康診断で動物病院を受診するタイミングで、獣医師に避妊の時期について相談しておきましょう。

すでに子犬期のワクチンが完了しているのであれば、避妊手術ができる時期が近づいています。まずは一度、動物病院で受診してみて、避妊手術について獣医師に相談してみてください。

「今日避妊手術をしてください!」といきなり受診しても、ほとんどの病院では当日に避妊手術はできません。あらかじめ受診しておき、術前検査や手術当日のスケジュールを把握しておきましょう。

避妊手術、じっくり検討して納得いく決断を

避妊手術には、妊娠を避けるという目的だけではなく、愛犬の健康維持、とりわけ将来の病気の予防といった大きな目的があります。一方で、避妊手術時の全身麻酔の問題など飼い主がきちんと把握しておかなくてはならない事柄も少なくありません。飼い主にとっては大きな決断で不安も大きいことでしょう。ぜひ、ご家族、そして信頼できる獣医師とじっくり相談して、納得のいく決断をしてあげてくださいね。

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