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子犬をお迎えしてしばらくの時期によく聞かれる食事のお悩みが、粉ミルクの必要性。子犬に与えるドッグフードに粉ミルクをふりかける必要はあるのでしょうか?今回は、ドッグフードに粉ミルクをふりかける必要性について解説します。
離乳の済んだ成長期にあたる子犬にきちんとした総合栄養食のドッグフードを適切な量与えているのであれば、栄養補助のために粉ミルクをふりかける必要はありません。総合栄養食は、適量のフードと水だけで、エネルギー源となる炭水化物や脂質、タンパク質はもちろん、カルシウムやその他のミネラル、ビタミンなどのあらゆる必要な栄養が過不足なくとれるように作られているからです。
ただし、ドッグフードはライフステージに合ったものを選ぶ必要があります。子犬用と成犬用やシニア犬用では、エネルギーや含まれる栄養素、その分量もまったく異なります。子犬に与えるドッグフードは、必ず子犬用を選んでください。
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子犬をお迎えしたときは、環境の変化による不安などから一時期食欲が減退してしまう場合もあります。そんな時、水やぬるま湯でドッグフードをふやかしてあげるのもひとつの方法ですが、犬用の粉ミルクの力を借りるという方法も。
犬用の粉ミルクを水やぬるま湯で溶いてドッグフードにかけるほか、そのまま少量をドッグフードに振りかけてあげるという方法もあります。粉ミルクの優しい甘い風味で、子犬の食欲を刺激するのに役立つでしょう。
ただし、子犬は食事をとらないと、短時間で低血糖を起こして一気に状態が悪くなることがあります。特に2-3か月齢の子犬は、1日3~4回の食事が基本。これは空腹からの低血糖を避けるためです。何も食べようとしない、全然遊ばず元気がないなどといった時は、様子を見ずに動物病院を受診することをおすすめします。
なお、子犬に与えるドッグフードに毎回犬用粉ミルクを加える必要はありません。たとえば、しっかり運動したあとのようなお腹がすいている時間帯など、粉ミルクなしでもドッグフードを食べられるなら粉ミルクは不要。子犬の食欲を見ながら調整しましょう。
風味の良い犬用粉ミルクは、水分補給の補助に使うこともできます。犬用粉ミルクを溶いた水やぬるま湯をドッグフードにかけることで、食事と一緒に水分をとることができます。
もちろん、飲み水に少量の犬用粉ミルクを入れてあげることで、飲水を促すという方法でもOKです。
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たまのご褒美やお楽しみとして、いつものフードに風味の良い粉ミルクをトッピングしてあげるのもいいですね。カロリーオーバーになりがちなので、与えすぎには気を付けましょう。
ドッグフードに粉ミルクをトッピングする時は、かならず犬用の製品を使用してください。牛乳で代用はできません。牛乳には犬が消化できない乳糖が含まれており、下痢をする可能性があります。
子犬が食事を十分にとれていないうえに下痢をしていては、あっという間に脱水と低血糖を起こして深刻な事態に陥るおそれがあります。
粉ミルクの与えすぎはカロリーオーバーを招きやすいため、粉ミルクを使用するのであれば量に気を付けなくてはなりません。総合栄養食であるドッグフードは、その犬の健康な体作りに必要な栄養がそれだけで摂れるように作られています。栄養満点な子犬用ドッグフードに、さらに粉ミルクをかけると、簡単にカロリーオーバーになってしまうのです。いうまでもなく、必要以上のカロリーを摂取することは肥満につながります。
健康上の問題がない一時的な食欲不振であれば、ほんの少量の粉ミルクで風味をつけるだけで食欲が刺激され、しっかりと食べるようになることもよくあります。基本的には、ほんのりミルクの香りを付ける程度のごく少量のトッピングと意識しておきましょう。
一方、粉ミルクのトッピングによるカロリーオーバーを気にしてドッグフードの量を減らした食事を続けることはおすすめできません。それは、必要な栄養をバランスよく取れなくなるから。あくまでも、主食とするべきは総合栄養食のドッグフード。犬用粉ミルクは、本当に必要なときにごく少量をトッピングする程度にとどめましょう。
犬用粉ミルクを溶かすときの温度にも要注意。よく溶けるからといって、熱湯で溶かしたものをそのままドッグフードにかけて与えると、やけどをします。少し温かいものを与えたいときには、実際に触れてみて人肌程度を目安にしてください。
粉ミルクや水を追加したドッグフードを食べ残した場合には、すぐに片付けるようにしてください。粉ミルクを溶いた飲み水も同様です。いずれも、傷みやすいので健康を害することを避ける為、出しっぱなしは厳禁です。
子犬の食欲不振が続くときは、早めにかかりつけの動物病院を受診することをおすすめします。子犬の病状は、短い時間で一気に悪化することもあります。特に子犬の食欲不振は命にかかわることもあります。早めに対応してください。
病気で食欲のない子犬のドッグフードに粉ミルクをトッピングしたいのであれば、必ずあらかじめかかりつけの獣医師に確認してください。
よちよち歩きの子犬でも、総合栄養食であるドッグフードを与えている場合、粉ミルクのトッピングは栄養面からは不要です。子犬が喜ぶからといって毎回粉ミルクをかけていては、かえって栄養が偏ったり、肥満になったりして健康を害することに繋がってしまうこともあります。総合栄養食だけできちんと栄養を取ることを目指し、粉ミルクはたまのお楽しみとして活用しましょう。
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こいぬすてっぷに所属している獣医師チーム。臨床経験が豊富な獣医師により構成されています。獣医療の知識や経験を生かし、子犬育て、しつけに関わる正しい知識をわかりやすくお届けしていきます。
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