
子犬の甘噛みが治らない理由と対策【獣医師監修】
子犬の甘噛みが治らない…というのは、すべての子犬に共通といってもいいほどよくあるお悩み。ところが、甘噛みは子犬の仕事とい…
子犬の甘噛みをやめさせたいあまりに子犬と飼い主さんとの関係を悪化させるような対応をしていませんか?飼い主さんは子犬にとって常に安心できる安全な存在でなくてはいけません。今回は、人の手を甘噛みした時の対応として決してしてはいけない行動についてです。
甘噛みしてきた子犬の口の中にこぶしをグイっと押し込んでいませんか?オエッとなって甘噛みをやめてはくれるでしょうが、これは子犬に非常に強い不快感を与えます。これを繰り返すと、飼い主さんを信頼することができなくなるだけでなく、人の手を怖いもの、嫌なものだと感じるようになるでしょう。
甘噛みに限らず、子犬のマズルをつかんで叱りつける行為はしてはいけません。マズルはとても敏感な部分。犬はマズルをつかまれることをとても不快に感じます。マズルをギュッとつかんで叱りつけることは、飼い主さんと愛犬の信頼関係に悪影響を及ぼします。
子犬を無理やり仰向けにして言うことを聞かせようとしても意味はありません。子犬は仰向けで拘束されることに不快感を感じるだけでしょう。子犬が不快に感じることを罰として行ったところで、甘噛みの問題は解決しないだけでなく、そのように威圧感を与える飼い主さんに対して安心して身を委ねられなくなる可能性もあります。
ちなみに、愛犬が仰向けの状態に慣れること自体は必要なことではあります。でも、これは罰を与えることとは全く別物です。
頭を叩く、お尻を叩く、蹴る…などあらゆる体罰はしてはいけません。たとえ体罰で甘噛みがなくなったとしても、もはやそこには飼い主さんと愛犬の間の信頼関係は存在しないと考えましょう。
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甘噛みをした子犬の首の後ろを持ち上げて、「ダメ!」などと叱るのもNGです。子犬は不快に感じますし、非常に危険です。
子犬に甘噛みをやめさせたい時に必要なことは、手を甘噛みしても楽しくないことを理解させること。そして、手ではなくおもちゃを噛むように教えてあげること。
そもそも子犬の目の前で手をヒラヒラさせない、手を使って子犬と遊ばない、など、人の手への甘噛みを誘うような行動をしないことが大原則。それでも子犬が甘噛みしてきた時には、無反応で手の力をすっと抜き、さりげない動きで子犬の口から手を離しましょう。そして手を隠してしまいましょう。子犬が飼い主さんの手を追いかけてさらに甘噛みしようとするなら、飼い主さんの太ももにペタっとつけるなどして甘噛みできなくしてしまってください。
「コラー!」「ダメ―!」などと大きな声を出してしまうと、子犬は遊んでくれていると勘違いしてしまいます。あくまでも無反応で、さりげない動きをとることが大切です。子犬には手に甘噛みしたら楽しい遊びが終わってしまうことを理解してもらいましょう。
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多くの場合、甘噛みは成長とともに収まってきますので、焦らなくても大丈夫。でも、だからといって、人の手を甘噛みさせ放題にするのはよくありません。子犬のうちから「人の手を噛む」という経験をさせないことは非常に大事なことです。危険で不快な体罰を与えることなく、愛犬との関係を損なわないような方法で教えていってあげてくださいね。
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東京大学農学部 獣医学専修を卒業後、大阪の高度獣医二次診療病院に勤務の後、渡米しミシガン州立大学、カリフォルニア大学 ディビス校にて、整形外科・再生医療の研究などに携わる。帰国後は、アメリカでの経験を活かし、神奈川県大和市にある山口獣医科病院の院長として、より良い地域医療の普及に邁進中。
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