
子犬の甘噛みが治らない理由と対策【獣医師監修】
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子犬と遊んでいるときに手を噛むのは、子犬にとって自然な行動。でも、人の手を噛むという行動をそのまま許していると、将来噛みつきやすくなるとされています。子犬のうちから、人の手を噛ませないような遊び方をして「人の手を噛んではいけない」ということ教えていきましょう。
子犬が子犬同士で遊ぶときには、ずいぶんと荒っぽい遊び方をするものです。お互いに噛んだり、取っ組み合ったりして遊び、その中で力加減を学びます。ですから、飼い主さんと遊んでいる時も、飼い主さんに噛みつこうとするのは自然なことです。
しかし、そのように遊びの延長で噛んでいるとしても、子犬の時期から「人の手を噛んではいけない」というルールを徹底して教えてあげる必要があります。
これは、子犬の時期に遊びの延長で人の手を噛むことを許していては、将来、噛みつきに悩まされるおそれがあるから。しかも、子犬の間には許していた人の手への噛みつきを、成犬になってからやめさせようとすることは好ましくなりません。ずっと許されていた行動を、ある日突然許してもらえなくなっても、犬にとって理解が難しいもの。噛みつきをやめさせるのに大変な苦労をすることになるからです。
人の手を噛む子犬に「人の手を噛むのはいけないこと」と教えるのに必要なのは次の2つのことです。
ロープ状のおもちゃで遊ぶことで、子犬の口と手の間に距離ができ、手を噛む機会が減らせます。追いかけっこをしてからロープをつかまえさせ、そのままひっぱりっこ遊びをするのがおすすめです。
子犬が人の手を噛むときは、遊んでいるうちに興奮してきていることがほとんど。ですから、興奮しすぎる前に、クールダウンする練習をしましょう。
おもちゃで追いかけっこしている中でグルルルルなどと言い出したら、興奮しだしているサイン。ヒートアップしすぎる前に一度ピタっとおもちゃの動きを止めてしまいましょう。子犬が落ち着いておもちゃを口からはなすことできたら、遊びを再開。こうしてうまくクールダウンができるようになれば、さらに人の手を噛む機会は減っていくはずです。
一貫して人の手を噛むような状況を作らないようにしてください。
わざと人の手を噛ませたり、おもちゃにして遊んだりは絶対にしないように、家族みんなで徹底して下さい。犬は目の前でヒラヒラ動くものを追いかけ、捕まえようとします。子犬の目の前で手をヒラヒラさせるような行為も噛みつきを誘うので、しないでください。
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できるだけ人の手を噛まないような遊び方をしても、ついつい人の手を噛んだり手に歯を当ててきたりすることがあるかもしれません。そんな時は、叱るのではなく、遊びを中断してしまってください。
手とおもちゃを完全に隠してしまったり、そのまま黙って飼い主さんだけ別の部屋へ移動してしまいます。噛むのをやめてしばらくしたら遊びを再開してOK。子犬が手を噛んだらまた遊びをやめる…といったように、遊びながらルールを教えていきましょう。
「人の手を噛むと楽しいことが終わってしまう、大好きな飼い主さんがいなくなってしまう」といったことを繰り返すことで、「人の手を噛みのはいけない」というルールを教えていきましょう。
このような、子犬が飼い主さんに対して恐怖を感じるような対応や子犬が身の危険を感じるような対応は、どんな状況でもとるべきではありません。
追いつめられて危険を感じた子犬は、自分の身を守るために攻撃的になる可能性があります。「手を噛む」という行動をやめさせたいと考えているのに、子犬が本気で噛みついてくるようになるのです。当然、子犬と飼い主さんの間の信頼関係も構築できません。
子犬の「人の手を噛む」という行動は、正しく導いてあげれば、成長とともに落ち着いてくることがほとんどです。逆に、うまく対応できずにいると、成犬になった時に大きな問題となる可能性があります。犬が人に本気で噛みつくようになってから問題を解決するには、「行動診療」と呼ばれる、より専門的なアプローチが必要となることもあります。柔軟に色々なことを吸収できる子犬のうちから、人の手は噛まないことを徹底して教えるようにしておきましょう。
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東京大学農学部 獣医学専修を卒業後、大阪の高度獣医二次診療病院に勤務の後、渡米しミシガン州立大学、カリフォルニア大学 ディビス校にて、整形外科・再生医療の研究などに携わる。帰国後は、アメリカでの経験を活かし、神奈川県大和市にある山口獣医科病院の院長として、より良い地域医療の普及に邁進中。
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