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ガム一粒でも…キシリトールは犬が食べると非常に危険!【獣医師監修】

   2019/02/26

様々なお菓子などの食品に含まれるキシリトール。「虫歯になりにくい甘味料」としてガムをはじめとする様々なお菓子に使用されており、目にすることも多いでしょう。しかし、キシリトールは、犬が食べてしまうと命にかかわることもある、犬にとって大変危険な甘味料です。キシリトールを含んだお菓子は、私たちの身の回りにとてもたくさんあるだけに、犬には与えないように細心の注意を払っておかなくてはなりません。今回は、キシリトールの犬への毒性についてお伝えします。

なぜ犬がキシリトールを食べてはいけないの?

キシリトールを含むお菓子を食べると危険な犬

犬がキシリトールを食べるとどんな症状が出るの?

犬がキシリトールを含んだ食べ物を食べたときに出る症状としては、嘔吐、下痢、そしてぐったりと沈鬱になり、やがて衰弱していったり、意識がもうろうとしたり、脱力してしまったりします。
さらに、症状が進むと、けいれん発作を起こしたり、昏睡状態に陥ったりし、やがて死亡してしまいます。

このように、キシリトール中毒は、適切な治療を施さなければ、死亡してしまうこともある、おそろしい中毒です。

犬のキシリトール中毒は症状の発現が非常に早い!

犬がキシリトールを含んだ食べ物を食べてしまったことによる症状の特徴は、とにかく症状が出るまでの時間が短いこと。そして、症状が非常に重篤であること。
早ければ食べてしまってから10分~1時間の間に強い症状が出始めることもあります。

なぜキシリトールでこのような症状が出るの?

キシリトールを食べたかもしれない犬

犬がキシリトールを含んだ食べ物を食べたことによる症状は、「低血糖」と「肝障害」によるものです。このうち、特に「低血糖」による症状は、犬がキシリトールを含んだ食べ物を摂取してから、きわめて短い時間で起こり始めることが知られています。

犬が誤って食べてしまった食べ物に含まれるキシリトールは、消化管から血液中へと素早く吸収され、食後30分以内には血中濃度がピークを迎えます。このとき、キシリトールの血中濃度の上昇に反応してインスリンが分泌されるのです。

インスリンは、血糖値が上がりすぎないように、血糖値の上昇に反応して分泌されるということはご存知の方も多いでしょう。
犬の場合は、消化管から血液中に取り込まれたキシリトールにも、このインスリンをたくさん分泌させてしまう作用があるのです。
ご存知のとおり、インスリンには血糖値を下げる作用があります。そのため、本当は血糖値が高いわけでないにもかかわらず、キシリトールによって分泌されてしまったインスリンの作用で、犬は重度の低血糖を起こしてしまうのです。
ちなみに、人では、血液中のキシリトールに反応して犬のようにインスリンが大量分泌されてしまうことはありません。

インスリンの作用で血糖値が下がりすぎてしまった犬の意識は低下し、けいれんしたり、脱力してしまったり、さらには昏睡状態に陥ったりします。

そのほか、低血糖状態が続くことや、キシリトールによる直接的な影響などによって、肝障害が引き起こされるといわれており、結果として、犬の肝臓の機能が著しく低下し、機能不全に陥ってしまうのです。

どれくらいのキシリトールを食べたら危ないの?

犬が食べると危険なキシリトール入りのガム

犬がどれくらいの量のキシリトールを食べたら危ないのかといういことについては、一概には言えません。

これは、犬の年齢や健康状態、最後に食事をした時間からどれくらいの時間が経過しているかや、食事内容、犬の栄養状態、犬の体質などによって異なるからです。

さらには、砂糖を含まないシュガーレスガムやタブレットを食べたのか、砂糖をはじめとしたエネルギー源を含むクッキーのようなものを食べたのか、一口にキシリトールといっても、食べたものの種類によって犬への影響は大きく異なります。

とはいえ、犬がたった一粒のキシリトールガムを食べただけでも重篤な症状を起こすこともあるといわれています。
そのため、万が一、愛犬がキシリトール入りの食べ物をほんの少しでも食べたことがわかったなら、速やかに獣医師に連絡をとり、診察を受けることをおすすめします。

キシリトールの犬への影響は早く激しい!すぐに受診を!

キシリトール入りのお菓子を食べた犬

キシリトールを含んだ食べ物による中毒症状の特徴は、とにかく症状の発現が早いことと、症状が激しいこと。みるみるうちに、犬の元気がなくなり、けいれんを起こしたり、昏睡状態に陥ったりするなど、非常に深刻な事態になってしまうケースもあります。

もちろん、目に見える症状を表さないで経過するケースもあるかもしれませんが、少量だからなどといって様子を見ていると、一気に状態が悪化してしまうことも考えられます。
その一方で、速やかに適切な治療を受けることで、一命をとりとめることができる可能性もあります。キシリトールを含んだ食べ物を食べてしまったことに気が付いたら、速やかに動物病院に連絡のうえ、受診するようにしてください。

緊急受診をするときは

万が一、愛犬がキシリトールを含んだ食べ物を食べてしまったときには、すぐに動物病院に連絡のうえ受診することをおすすめします。

これは、あらかじめ連絡をしておくことで、動物病院側も、キシリトールを摂取してしまった犬に対する緊急処置の準備をした状態で到着を待つことができるからです。
落ち着いて、食べた時間、食べてしまったものの種類と量、犬種や年齢、およその体重を伝えてください。また、病院到着までどの程度の時間がかかるかもあわせて伝えておくとよいでしょう。

身の回りにたくさんあるキシリトールには細心の注意を!

甘味料として様々な人の食べ物に含まれているキシリトールは、ガムやタブレットだけでなく、キャンディーやクッキーなどにも含まれていることがあります。虫歯予防効果から注目を集め、様々なお菓子に取り入れられている一方で、犬にとっては非常に危険な甘味料であることをぜひ知っておき、愛犬の命を守るようにしてくださいね。日ごろから拾い食いや誤飲に注意しておくことはもちろん、安易な気持ちでキシリトール入りの人用の歯磨きペーストなどを愛犬の歯磨きに使用することも絶対にしないでくださいね。

※拾い食いを防ぐ散歩についてはこちらの記事でご紹介しています。
犬の散歩。拾い食いを防ぐしつけのNG例と正しい方法

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