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子犬の狂犬病予防注射、飼い主の義務って本当?罰則はあるの?

   2019/01/21

子犬への狂犬病の予防注射は任意?・・・ではありません!犬を飼うと、飼い主さんは子犬にも成犬にも毎年一回、狂犬病の予防注射を受けさせる義務が法律で定められています。もちろん、違反すれば罰則も。そこで今回は、国家を挙げて対策がとられる「狂犬病」について、基本的な知識と、特に子犬の予防注射の受け方をまとめました。

狂犬病は治療法がなく恐ろしい感染症

子犬も打つ必要がある狂犬病の予防注射

狂犬病は、狂犬病ウイルスに感染した動物に咬まれた時に、唾液中に排出されるウイルスが傷口から体内に侵入することで感染する病気です。人を含むほぼ全てのほ乳類が感染する人と動物の共通感染症で、一度発症すると治療法はなく、ほぼ100%の確率で死に至ります。
潜伏期間は1〜3ヶ月と長く、発症前に感染の有無を判断することはできません。

日本での狂犬病の発生は、人では1956年以降、動物でも1957年以降の約70年間ありません。しかし、世界では現在でもほとんどの国で狂犬病が発生しており、年間約5万5千人が命を落とし、そのうち3万人以上はアジア地域だと言われています。そして、世界中で狂犬病に感染する人の9割以上が、犬から感染しているのです。

狂犬病の疑いのある動物に噛まれてしまった場合、狂犬病ウイルスに感染してしまうことは防げません。しかし、人も犬も狂犬病の予防注射をしていれば、狂犬病を発症することを抑えることができます。また、人では、狂犬病ウイルスに感染した可能性があるときには、直後からワクチンを複数回接種する(暴露後ワクチン接種)ことで発症を抑えることも可能です。

犬と飼い主、社会を守る狂犬病の予防注射は飼い主の義務

健康で狂犬病予防注射を受けられる犬

日本国内で狂犬病の発生がなくなった背景には、「狂犬病予防法」が1950年(昭和25年)に制定されたことが大きく関係しています。
「狂犬病予防法」は、国内での狂犬病の発生やまん延を防ぐための法律で、人への主な感染源である犬を狂犬病から守るために、全ての犬の飼い主さんへ

  • 居住している市区町村への飼い犬の登録すること
  • 狂犬病の予防注射を受けさせること
  • 犬の鑑札と注射済票を飼い犬に装着すること

の3つを義務づけています。違反した場合、愛犬は国の捕獲・抑留の対象となり、飼い主さんには20万円以下の罰金が課せられる、厳しい法律となっています。

日本では長らく狂犬病が発生していないのに今でも義務なのはなぜ?

それは、日本への狂犬病の侵入リスクが今もゼロではないからです。犬や猫、アライグマ、キツネ、スカンク、家畜については輸出入の際に検疫が行われ、海外からの狂犬病の持ち込みを防いでいます。しかし、狂犬病がまん延している近隣諸国の船舶から犬が不法上陸したり、違法な未検疫動物が侵入したりする可能性はあるのです。

その場合にも、国内の飼い犬が狂犬病の予防注射で免疫されていれば、狂犬病のまん延、そして人への感染を防ぐことができます。つまり、狂犬病の予防注射は、愛犬の命を守るだけでなく、飼い主さんのご家族や日本社会全体を守るために必要な義務なのです。

子犬を家族に迎えたら、必ず「狂犬病の予防注射」と「登録」を

犬の飼い主さんは必ずやらなければいけない、「狂犬病予防法」で定められた3つの義務。
子犬を飼った時に、スムーズに進める方法をぜひ知っておきましょう。

狂犬病予防注射の済票

まず子犬に狂犬病予防注射を受け、市区町村の窓口へ

「狂犬病予防法」では、犬を飼い始めたら30日以内に、飼い始めが生後90日未満の子犬の場合は生後91日以降の30日以内に、「飼い犬の登録」と「狂犬病の予防注射」をすることが義務づけられています。

どちらも市区町村が窓口なので、まずは動物病院で子犬に狂犬病の予防注射を受けさせ、動物病院でもらった「注射済証」を窓口へ持参しましょう。
そこで「注射済票」の交付を受け、同時に飼い犬の登録をし、子犬に対する「鑑札」の交付も受けるとスムーズです。
そして、「注射済票」「鑑札」の2つを子犬の首輪につけると飼い主さんの義務が完了します。

ただし、狂犬病の予防注射を受けるのは子犬の時だけではありません。成犬になっても毎年1回狂犬病の予防注射を受けることが義務づけられています。一度登録をすれば、毎年春に狂犬病の予防注射の案内が届くので、翌年以降も必ず年に1回接種し、新たな「注射済票」の交付を受けましょう。

狂犬病予防注射のあとで子犬につける鑑札

子犬の狂犬病の予防注射はどこで受ける?

狂犬病の予防注射は動物病院でいつでも接種することができます。また、お住まいの市区町村等の自治体が狂犬病予防注射の「集合注射」を実施することがありますが、こちらは実施時期や会場が毎年決められています。

子犬の場合、生後50日ごろから動物病院で混合ワクチンの接種が始まりますので、かかりつけの動物病院で子犬のワクチン接種プログラムを作成してもらい、その中に子犬の狂犬病の予防注射の予定を組み込むと進めやすいでしょう。

また、市区町村から委託された動物病院や自治体の狂犬病予防の集合注射では、登録や届け出を代行してもえます。
子犬の狂犬病の予防注射から、子犬の登録、注射済票の交付まで受けることができるので、市区町村の窓口へ行く必要がなくなります。お住まいの市区町村の担当部署や動物病院に問い合わせをしてみるとよいでしょう。

子犬の狂犬病の予防注射の受け方の注意は?

子犬の混合ワクチン接種と同様、子犬の狂犬病の予防注射にも副反応が発生する可能性があります。
万一のときにすぐに動物病院を受診できるよう、子犬の狂犬病予防注射は午前の診察時間内に受けるのがおすすめです。動物病院の診察時間が終了する間際の予防注射は控えたほうがよいでしょう。

子犬に狂犬病予防注射をうつ獣医師

子犬が狂犬病予防の注射を受けた後はすぐに帰宅せず、30分ほど病院の近くで経過を観察し、かゆみやふらつき、虚脱、呼吸の変化など子犬に異変が見られたらすぐに動物病院へ相談してください。子犬が狂犬病の予防注射をうけた当日は、子犬の激しい運動やシャンプーは避けて、子犬と安静にすごすよう心がけましょう。

また、子犬が獣医師による診察や予防注射を抵抗なく受けられるよう、日頃から子犬が体に触れられることに慣らせておくこともとても大切です。

子犬の体調により狂犬病の予防注射が受けられない時は?

予防注射による子犬のアレルギー歴や副反応歴、子犬の持病・体調などの事情で、子犬の体への負担が大きいと考えられる場合は、子犬への狂犬病の予防注射を猶予されることもあります。もちろん、成犬も同じです。
その際は市区町村へ「狂犬病予防注射猶予証明書」を提出することが必要なので、かかりつけの動物病院で発行してもらいましょう。

ただし、これは「猶予」であり、狂犬病予防注射の「免除」ではありません。猶予期間が終了し、愛犬の体調が回復するなど、狂犬病予防注射が可能な状態になったら、速やかに狂犬病の予防注射を受ける必要があります。くれぐれも、飼い主さんの判断ではなく、必ず獣医師と子犬について相談し、適切な対応をしましょう。

狂犬病予防注射を受けた子犬

子犬を迎えたら、必ず狂犬病予防注射を接種しましょう

狂犬病が長らく発生していない日本でも、狂犬病の侵入のリスクは常に隣り合せです。愛犬と飼い主さんのご家族、そして国民の健康まで、飼い主さん一人ひとりの責任ある行動が守っています。子犬を迎えたら毎年一回は必ず狂犬病の予防注射を受けましょう。また、子犬との暮らしには、狂犬病予防注射のほかにも、混合ワクチンの接種、ノミ・マダニ対策、子犬へのいろいろなしつけやトレーニングも必要です。飼い主さんが愛犬との暮らしで必要なことを学び、実践していくことは、愛犬との楽しい日々はもちろん、社会のためにも欠かせません。「こいぬすてっぷ」本編では、子犬育てに必要な情報やしつけ、トレーニングについて月齢別にご紹介し、子犬との暮らしを一歩一歩サポートします。ぜひご参考にしてくださいね。

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