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犬が痒がるのは病気なの?原因リストと対処法【獣医師監修】

   2019/05/09

愛犬がしきりに痒がる仕草をしていると心配になりますよね。犬が痒がる原因は非常にたくさんあります。人と同じで犬にとっても痒みはとてもつらいものです。愛犬が痒がる原因を知り、早く解決してあげましょう。 そこで、今回は「犬が痒がる仕草をする原因と対処法」をまとめました。 愛犬の痒がる様子が続くようなら、本記事を参考にしつつ、早めに動物病院を受診することをおすすめします。

はじめに…痒がる原因の特定は難しい!

皮膚を痒がっているが原因が特定できない犬

犬が痒がる仕草をした時には、早くその原因を特定してあげたいですよね。ところが、原因を正確に特定することは非常に難しく、確定診断をくだすまでに時間がかかってしまうことも多々あるのです。

人と同じで犬にとってもかゆみは辛いもの。愛犬が痒がる仕草が数日以上続くときや、ひどい痒みがある時には、必ず早めに獣医師による診察を受けることをおすすめします。

とはいっても、愛犬にかゆがる様子が見られたときには、どんな原因があるのか気になるところですよね。
ここからは、犬に痒みを起こす原因となりやすいものをリスト形式でご紹介します。

痒みの原因となる皮膚の病気

原因がわからない痒みのある犬

犬が痒がる原因となる皮膚トラブルの代表は皮膚炎。皮膚で起こる炎症の原因はは感染やアレルギーから腫瘍にいたるまで様々です。

アレルギー性皮膚炎

  • アトピー性皮膚炎
    ハウスダストや花粉などのアレルゲンを吸い込むことでアレルギーを起こして痒がる。また、皮膚からもアレルゲンが侵入するとも言われている。
  • 食物アレルギ
    牛肉や鶏卵、大豆、牛乳など食べ物の主にタンパク質に対してアレルギーを起こして痒がる。
  • 接触性皮膚炎
    首輪や食器の素材やじゅうたんなどに含まれるアレルゲンとなる物質に対してアレルギーを起こすことで痒がる。
    素材によってはアレルギー反応ではなく、刺激によって炎症を起こして痒がっている場合もある。 
  • ノミアレルギー性皮膚炎
    ノミの唾液に対してアレルギーを起こして激しく痒がる。

※アレルギーだけではない…ノミによる病害についてはこちらの記事で解説しています。
ノミが犬に寄生したら…病気や被害と対策のまとめ【獣医師監修】

※実は花粉症も犬の痒みの原因かも?!詳しくはこちらの記事をご覧ください。
春に〇〇する犬は要注意!犬も花粉症になる?人との違いを解説!【獣医師監修】

細菌・真菌による感染性皮膚炎

  • マラセチア症
    犬の皮膚表面に住んでいる酵母菌の一種であるマラセチアが異常に増えて皮膚炎を起こす。痒みと独特の悪臭、フケを伴う。
  • 膿皮症
    犬の皮膚の黄色ブドウ球菌などが、犬の皮膚の免疫力の低下などで異常に繁殖し、皮膚が化膿する。痒みや痛みを伴う。

外部寄生虫性皮膚炎

  • ノミ刺咬性皮膚炎
    犬がノミに刺される刺激で痒がる。
  • ニキビダニ症(毛包虫症)
    犬の毛包内に元々寄生しているニキビダニが毛根で異常に繁殖する。単独で痒みを起こすことは稀だが、細菌の二次感染により化膿し、痒みを起こす。
  • 疥癬症
    センコウヒゼンダニが犬の皮膚の下にトンネルを掘って寄生するため、犬がきわめて激しく痒がる。
犬にひどい痒みを引き起こす疥癬症

日光性皮膚炎

毛が白色の犬や毛の薄い部分に起きる皮膚炎で、長時間日光に当たることで発症する。

天疱瘡

表皮の細胞を結合している物質が免疫異常によって破壊されて起こる皮膚病(自己免疫疾患)。犬の鼻梁部や目や耳の周縁部、足の裏などに水ぶくれ、びらん、かさぶた、フケなどが出る。

皮膚の腫瘍

皮膚で発生する腫瘍により炎症を起こすことで痒みを起こす。

実は皮膚の腫瘍の場合、「腫瘍」といっても、必ずしも「しこり」になるわけではありません。「おでき」のように見える場合もありますし、「なんとなく赤くなっている、痒がっている」といった状態の場合もあるのです。
外見だけで良性か悪性かの判断はできませんので必ず獣医師による診断を受けましょう

ひどく痒がるが原因が判断できていない犬

痒い皮膚炎が起こりやすくなる病気

皮膚の免疫力が低下したり、皮膚の細菌叢のバランスが変化したりすることで、痒みを伴う皮膚炎などのトラブルを起こしやすくなる病気がいくつかあります。

愛犬がひどい痒みを伴う皮膚炎を起こしている時や痒い皮膚炎を繰り返す時には、皮膚の問題だけでなく、内臓の病気などを抱えているケースもあるので注意が必要です。

  • 脂漏症
    角化異常症の一つで、犬の皮膚の表皮に角質が形成されたり、犬の皮脂腺から過剰に脂が出たりして起こる慢性の皮膚病。細菌やマラセチアの二次感染を起こしやすく、それにより痒みを引き起こす。
  • 副腎皮質機能亢進症/クッシング症候群
    内分泌疾患の一つで、副腎皮質から血中にコルチゾールというホルモンが過剰に分泌される病気。犬の体が左右対称に脱毛し色素沈着などが見られる。ステロイド剤の長期使用も原因に。免疫力が低下するため、皮膚で細菌感染が起こり、強い痒みを訴えることがある。

顔ばかり痒がる時は耳や目の病気かも

犬が顔周りばかりをかゆがる時には、耳や目に病気がある場合もあります。

  • 外耳炎(原因:耳垢、細菌、ミミヒゼンダニ、マラセチアなど)
    耳垢がたまったり、耳で細菌やマラセチア、ミミヒゼンダニが繁殖したりして外耳炎を起こす。
  • 結膜炎・角膜炎(原因:細菌・ウイルス感染、アレルギー、物理的な刺激など)
    犬の毛やシャンプーが目に入るなどの刺激や、細菌感染やウイルス感染、アレルギーなどによって結膜や角膜に炎症が起こる。

生活の中に痒がる原因があることも

不適切なシャンプーが痒みの原因になることも

生活の中に犬の皮膚に痒みを起こす原因がある場合もあります。

  • 乾燥
    冬場には空気の乾燥が原因で皮膚が乾燥し、刺激に敏感になってしまって痒がることがよくある。
  • 不適切なシャンプー
    シャンプーが皮膚と合わずに痒がる場合があるほか、シャンプーのすすぎ残しが痒みの原因となることも。また、シャンプーの頻度が多すぎることで皮膚が乾燥して痒みを引き起こすケースもある。

強い不安などが原因ということも

痒みのため元気がない犬

皮膚のトラブルがないにもかかわらず、ストレスによって犬が痒がるような仕草をすることがあるのをご存知ですか?

強い不安などのストレスを感じた犬が「体の一部をなめたり掻いたりし続ける」という行動をとることがあります
あまりに長期にわたって激しく皮膚をなめたり搔いたりすることで、もともとはトラブルのなかった皮膚から出血したり化膿したりすることもあるほどです。

犬が体をしきりに掻くような仕草を見せるのに、動物病院で病気との診断がされない時には、何か愛犬にとって不安などのストレスとなる原因があるかもしれません。
愛犬との生活を一度見直してみましょう。掻く仕草をするきっかけがないか、決まった時間帯に掻いていないかを観察して、ストレスの原因となりそうなものがあるようならば、取り除いてあげましょう。

大きな不安などによって皮膚を搔いたり舐めたりする犬の場合、時には「行動診療科」による専門的な治療が必要になるケースもあります。皮膚に異常がないからといって放置せず、必ずきちんと治療を受けましょう。

※ほかにも色々…犬がストレスを感じたときにとる行動を知っておきましょう。
犬のストレス、気づいていますか?サインを見抜き、上手に解消してあげよう!

犬が痒がる仕草をしている時の対処法

最も大切なことは、痒がる愛犬を早めに動物病院へ連れて行くこと。

特に、痒みが数日以上続いている場合や、ひどい痒みがある場合はできるだけ早く受診を。一見皮膚に異常がなさそうに見える場合でも、痒がっているようなしぐさをしているようならば、受診するようにしてください。

犬が痒がる仕草をする原因をできるだけ早く特定し、適切に対応することで悪化を防ぐことが大切です。くれぐれも自己判断はしないこと。診断が遅れることで治療が長引いてしまったり、より重篤な症状を引き起こしてしまったりすることもよくあります。

※かかりつけの動物病院の大切さと選び方についてはこちらでご紹介しています。
動物病院もう決めた?子犬のうちのかかりつけ選びが大事な理由と6つのチェックポイント

ひどい痒みってどれくらい?

寝ていても痒みで起きてしまう、食事中や遊んでいる時にも思い出して掻く、といった場合には、かなり強い痒みを感じています。できるだけ早く動物病院を受診しましょう。
また、掻いたり舐めたりしすぎて傷ができてしまっている場合も、早めの受診をおすすめします。

一方、数回搔いたり舐めたりしただけで、あとはケロッとしている、忘れている、といった様子の時には、しばらく様子を見てもよいでしょう。

傷を作るほど舐めたり搔いたりする時には…

あまりに痒みがひどく、掻いたり舐めたりすることで傷ができてしまうような場合には、それ以上悪化させないようにしなくてはなりません。

エリザベスカラーが自宅にあれば装着したり、洋服を着せることで皮膚の痒い部分を保護したりしてあげたうえで受診しましょう。

エリザベスカラーで痒い所を掻かないように保護して受診

動物病院の受診する前のチェックポイント

痒がる犬の様子をよく観察し、受診の際には正確に伝えましょう。普段愛犬の様子をよく見ている飼い主さんからの情報は、愛犬が痒がる原因を正しく診断するために非常に重要です。

  • 犬が痒がる部位
  • 痒さの程度(夜は寝られる?遊びを中断してかいたりしていない?)
  • 痒がる時期(季節性は?時間帯は?)
  • 痒がる皮膚の様子(寄生虫、脱毛、発疹、フケ、臭い、赤みなどの有無)
  • 同居している動物や人間は痒がっているか、
  • 犬が痒がる仕草を始めた頃に生活面(食事、食器、シャンプーなど)に変化がなかったかどうか

犬が痒がる部位を観察すると、脱毛やフケ、皮膚の赤み、湿疹、べたつき、においなどの気になる症状が現れていることがよくあります。
皮膚の様子は日によって変化していくことが多々あります
できれば写真などで記録しておき、診察の際に獣医師に見せるようにすると、診断の助けになります。

※愛犬のフケの原因についてはこちらの記事でご解説しています。
犬のフケの原因…病気のこともある?チェックすべき点は?【自宅でできる対策も】

※愛犬の脱毛も気になる…観察のポイントはこちらの記事で解説しています。
【獣医師監修】犬の毛が抜ける…病気を見分ける5つのポイントと3つのおすすめケア

受診前のシャンプーは…

診察では、フケやにおいなどの様子も診断の参考になります。病院に行くためにきれいにしておかなきゃ…などと言ってシャンプーをする必要はありません。

同居動物がいる場合は…

多頭飼いをしている場合のように、痒がっている愛犬のほかに同居動物がいる場合、きちんと診断がつくまでの間は感染防止のために接触を避け、ブラシの共用も控えましょう。

辛い痒みがある時は生活習慣の見直しも

犬のつらい痒みをできるだけ早く解消してあげ、痒みを繰り返さないためにも、一度生活習慣を見直しましょう。

まず、犬のノミ・マダニ対策を徹底しましょう。
犬に人間の食べ物を与えない、などの習慣も大切です。
そのほか、日頃から犬にブラッシングを行い、痒がる様子や皮膚の異常に早期に気づけるよう努めましょう。犬の体のすみずみまで観察できるように、日ごろから体中を触る練習をしておくこともとても大切なことですよ。

※ノミ・マダニ対策が必要な時期はいつ…?こちらの記事で解説しています。
ノミダニの予防が必要な時期はいつ?【獣医師監修】

※愛犬のグルーミングとその基本であるブラッシングについては、こちらの記事で解説しています。
犬のグルーミングって何?方法は?【初心者さん向け基礎知識】
【犬に優しいブラッシング】成功のための3つの秘訣と基本の方法

犬が痒がる仕草をたくさん知っておこう

痒がっている愛犬の訴えを見逃さないために、犬が痒がる時にとる仕草をできるだけたくさん知っておきましょう。

  • 前肢や後肢で掻く
  • 床や壁に体をこすりつける、床に転げ回る
  • 舐めたり噛んだりを繰り返す
  • 体や頭をしきりに振る
犬が痒がる時に見せる色々な仕草

これらを意識して愛犬の様子を見ると、「今まで気づいていなかったけど、本当は痒かったのかもしれない…」なんてことがあるかもしれません。愛犬のちょっとした変化にも気づいてあげられるようになりたいものです。

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