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犬の誤飲…対処法と症状の例、家庭内で気を付けたい8つのもの【獣医師監修】

   2019/02/26

犬がごはん以外のものを口にくわえていて、ヒヤッとした経験はありませんか?愛犬との何気ない生活の中に潜む危険の一つに「誤飲」があります。犬が異物を誤飲してしまうと、消化管に詰まったり、中毒を起こしたりすることで生死に関わる問題になることも。誤飲してしまったら、適切な方法でできるだけ早く対処することが大切です。今回は、犬の誤飲に気づいた時の正しい対処法や起こりうる症状、病院での治療方法の例とともに、家庭内で誤飲に気を付けたいものとして、「消化管につまると危険なもの」「中毒を起こすおそれのあるもの」それぞれ4つずつの計8つをご紹介します。

犬が異物を誤飲した時…自宅での対処は?

何かを誤飲した犬

犬が異物を飲み込んでしまったら、まずは「何を」「どれだけ」食べたのかを確認しましょう。そして、犬に何か症状が出ている場合も、出ていない場合も、すみやかに動物病院に連絡してください。

動物病院と連絡がとれたら落ち着いて、いつ、何をどれだけ食べたのかをできるだけ正確に伝え、すぐに受診すべきか、自宅で応急処置が可能かどうかの指示を仰いでください。

動物病院を受診する際には、獣医師が治療方針を適確に判断するため、できる範囲で誤飲した異物の量や時間を明らかにしましょう。
また、食べ残しやまだ同じものが自宅にあるならば、必ず病院に持って行ってください。

たとえ少量の誤飲であっても、様子見は禁物。誤飲は、処置までの時間がたてばたつほど、事態が深刻になる恐れがあります。また、自宅で無理やり吐かせることがかえって危険であることも少なくありません。必ず速やかに動物病院に連絡して指示を仰いでください。

※緊急時にあわてないため…電話で伝えることや準備するものなど、救急病院を受診する愛犬のために知っておきたいことは、こちらの記事でご紹介しています。
<保存版>夜間や年末年始の愛犬の万が一…救急病院受診時の確認事項【獣医師監修】

犬が異物を誤飲した時…病院では何をする?

何かを誤飲して病院で診察を受ける犬

異物を誤飲してしまった場合の治療法は、誤飲したものの種類やサイズ、形などと、異物がある部位によって異なります。
誤飲してからの経過時間にもよりますが、誤って飲み込んでしまった異物は、多くの場合、「食道」「胃」「小腸」のいずれかにあります。
ほとんどのケースでは、X線検査や造影X線検査、時に超音波検査を行うことで、犬の体のどこに異物があるのかを確認し治療を行います。

誤飲してしまった異物が、消化管を詰まらせる恐れのあるものの場合には、異物のある部位によって適切な方法で異物の除去を行います。
一方で、誤飲してしまったものが中毒を起こす可能性がある場合は、異物の除去や時に胃洗浄などとともに、中毒に対する治療や予防処置を行います。

ここでは、参考として、消化管を閉塞させる可能性のある異物によって起こりうる症状と、異物の除去の方法の例をご紹介します。

異物が食道にある場合

食道で異物が詰まってしまっている場合、詰まっている場所によっては、異物が食道の隣にある気管を圧迫して、呼吸がうまくできずに呼吸困難になるおそれがあります。そのほか、吐きたそうにえづいたり、咳き込んだり、「グゥグゥ」と喉が鳴るなどの症状がみられることが多いです。

食道に異物が詰まった時の治療法には、全身麻酔をかけて内視鏡を用いて口から異物を取り出す方法や、内視鏡で確認しながら胃まで押し込んで自然な消化を待つ方法があります。
ただし、胃内へと押し込んだ異物の消化を待つことができるのは、詰まったものが消化可能なものの場合のみ。消化できないものの場合などは、胃まで異物を移動させたのちに、胃切開などで取り出します。

異物が胃にある場合

誤飲した異物が胃にある犬

誤飲した異物が食道を通り抜けて胃にたどり着いていたとしても安心はできません。異物が胃の粘膜を傷つけて荒らしてしまう可能性があるほか、ものによっては胃の壁に穴をあけてしまうことも。また、胃から腸へと続く通り道はとても狭いため、そこで詰まってしまうこともあるのです。さらに、異物が胃を傷つけたり、詰まったりすることは、嘔吐を引き起こします。

動物病院では、胃にある異物がとても小さいものだったり、消化できるものの場合には、自然に消化管を通過して便として排泄されたり、消化されたりするのを待つために、経過観察を行うこともあります。そうではない場合には、全身麻酔をして内視鏡か胃切開で異物を取り出します。

異物が小腸にある場合

誤飲した異物が小腸までたどり着けばそのまま排泄できると思ってしまいがちですが、そうではありません。実は小腸内の異物は非常に深刻な事態を招く恐れがあるのです。
小腸に異物が詰まってしまって動かなくなってしまうことは非常に危険。そのまま放置すれば、そこから小腸が壊死を起こしてしまうこともありますし、異物によって小腸の正常な動きが妨げられると、小腸がねじれたり、破れたりするなどしてしまう可能性も。これはきわめて危険な状態です。

犬は食事をとれないだけでなく、強い腹痛とともに頻繁に嘔吐を繰り返し、命の危険にさらされてしまうこととなるのです。

腸に異物がある場合は手術での対応が必要です。全身麻酔をかけて、腸を切開して異物を取り出すことになります。また、腸に異物がつまってしまう「腸閉塞」や腸がねじれていしまう「腸捻転」などを併発してしまっている場合、事態は深刻で、手術の難易度はさらにあがってしまうことになるのです。

家庭で誤飲に気を付けたいもの4つ~閉塞編~

①クリップやアクセサリーなどの小物類、コイン、磁石

犬の誤食に気を付けなくてはならないアクセサリー

クリップやアクセサリー、小銭などの小物は、犬が誤飲しやすいアイテム。

使ったあと、そのまま置きっぱなしにすることのないように気をつけましょう。
テーブルの上だから大丈夫と思っていても、油断はできません。犬が椅子などにのぼって、口にすれば、飲み込んでしまう可能性もあります。

中でも、複数の磁石を飲み込んでしまうことや、磁石と金属を含む異物を同時に飲み込んでしまうことは、きわめて危険です。消化管内で磁石の力により、腸が破れてしまうことがあるからです。
冷蔵庫にメモを貼るために使っていた磁石がいつの間にか床に落ちていて、それを犬が飲み込んでしまうなんてこともありますので、十分に気をつけましょう。

②ティッシュペーパーやメモなどの紙類

鼻をかんだティッシュや、メモをとった紙をそのままにしてしまっていませんか?
食べ物の匂いがしないからといって油断はできません。きちんとゴミ箱に捨てるようにしましょう。

③タオル、靴下などの布類

タオルは、じゃれて遊んでいるうちに繊維が喉に詰まったり、引きちぎって飲み込んでしまったりする可能性が。
靴下も、遊んでいるうちに口の中に入れてしまうことがあります。きちんと所定の場所にしまうようにしましょう。

④ボール、ぬいぐるみの中綿などのおもちゃ類

中綿がでて犬の誤飲に気を付けなくてはならないぬいぐるみ

良かれと思って与えたおもちゃやボールを誤って飲み込んでしまう場合もあります。また、ぬいぐるみを引きちぎって中の綿を飲み込んでしまうことも。おもちゃの種類やサイズなどを工夫しましょう。

家庭で誤飲に気を付けたいもの4つ~中毒編~

①タバコ、灰皿

小さなタバコも犬が誤飲しやすいものの一つ。灰皿に残ったタバコや灰を飲み込んでしまうこともあります。犬にとって、非常に有害なものなので大変危険です。

②電池

犬は、電池も飲み込んでしまいます。電池の誤飲は非常に危険です。

③殺虫剤、薬品、化粧品、洗剤、医薬品

犬が誤飲してはいけない医薬品

使ったままの化粧品や、虫対策に置いていた殺虫剤をはじめ、犬が中毒を起こす可能性のある製品は家庭内にあふれています。うっかり犬の手の届くところに置いていた薬などによる中毒もとても危険です。
飼い主さん用の医薬品を誤飲した、とのことで救急を受診する犬はとても多く、深刻な状態であることも少なくありません。犬が誤飲する可能性のある場所には絶対に置いておかないように、細心の注意を払いましょう。

④観葉植物

意外かもしれませんが、観葉植物を誤って食べてしまって中毒を起こすケースがあります。犬が中毒を起こす可能性のある観葉植物としては、アロエやポインセチア、ユリ科の植物が有名なです。
家に観葉植物を置くご家庭も多いと思いますが、何でも口に入れようとする犬や、食いしん坊な犬の場合は、控えた方がいいかもしれません。また、散歩中も十分注意しましょう。

犬に誤飲をさせないために飼い主ができること

誤飲させないためにきれいな家で暮らす犬

これらのものを誤飲させないためには、家の中をできるだけキレイに保つことをおすすめします。基本的なことではありますが、出したものはきちんとしまう、ふたつきの収納や引き出しに保管する、ゴミ箱もふた付きにするなどして、出しっぱなしがないようにするだけでも効果的ですよ。
また、犬が異物を口に入れてしまうのは、好奇心や取られたくないという気持ちからかもしれません。飼い主が慌てて駆け寄ると、奪われないように飲み込んでしまう可能性があるため、犬の興味があるものを見せて注意をそらし、その隙に取るなど工夫しましょう。
さらに、拾い食いしないように日頃からトレーニングしたり、「ちょうだい」と言ったらくわえた異物を離すように練習しておくことも大切です。

犬の誤飲は命に関わる危険なものです。「少しくらいなら大丈夫だろう」なんて思わず、日頃からしっかりと対策をし、万が一誤飲してしまったら、たとえほんの少しであってもすぐに動物病院に連絡しましょう。愛犬が長く健康に暮らせるように、危険から守ってあげてくださいね。

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