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ノミが犬に寄生したら…病気や被害と対策のまとめ【獣医師監修】

   2019/03/01

ノミの予防をしていますか?ノミを見かけたことがないから大丈夫、梅雨から夏はケアをしているから大丈夫と思っている飼い主さんは要注意!ノミは年中発生する寄生虫です。ノミは、愛犬の被毛の中に潜み、さまざまな病害をもたらす可能性があります。今回の記事では、ノミに寄生されたときの症状や、ノミが犬の体に寄生しているかどうかをチェックする方法をご紹介します。愛犬の体をノミの被害から守るためにも、ぜひチェックしてみてくださいね!

そもそもノミとは…

犬に寄生する虫と言えば「ノミ」が有名ですが、一口にノミと言ってもさまざまな種類がいます。中でも犬に寄生しやすいのは、ネコノミ、イヌノミ、ヒトノミの3種類で、現在日本で犬に寄生するノミのほとんどは「ネコノミ」だと言われています。犬なのにネコ?と驚かれるかもしれませんが、この「ネコノミ」という名前のノミは、犬にも寄生しますし、人に噛みつくこともあります。

ノミは体長1~2mm程度、赤褐色で扁平な形をしています。ノミは、卵→幼虫→さなぎ→成虫というライフサイクルを持っています。このうち、犬の体表で過ごすのは成虫の時だけ。卵、幼虫、さなぎの間は私たちのまわりの生活環境の中で発育を続けているのです。そして成虫になったノミが犬の体で吸血→産卵を繰り返し、爆発的な勢いで繁殖するのです。

犬に寄生するノミのライフサイクル

犬の体表に産み付けられたノミの卵は産卵の数時間後には動物の体から落下し、その後数日でふ化して幼虫になります。幼虫は光を苦手とするため、室内のカーペットや布団などの繊維の中にもぐりこみ、成虫の糞などを餌として生活します。
さらに1~2週間ほど発育してさなぎになると、温度や湿度など、快適な環境になるまで眠りつづけ、環境が整うと動物の温度や振動、二酸化炭素濃度を感知して孵化、動物に寄生します。そこでまた吸血と産卵を繰り返すのです。

ノミが犬に寄生したらどんな病気や被害がでるの?

ノミ対策をきちんとしている犬

ノミの大好物は犬など動物の血液。1-2mm程度と小さなノミですが、大量に寄生された犬は貧血を起こしてしまうこともあります。

また、ノミによる被害で多く問題となるのは、ひどい痒みです。これは、ノミに噛まれたことによる刺激や唾液による刺激が原因となるもの。激しく掻いてしまうことで皮膚に傷ができたり、細菌感染を起こしてしまうこともあります。

さらには、ノミの唾液がアレルゲンとなってアレルギー症状を引き起こし、きわめて強い痒みを生じるケースもあります。特によく症状が出るのは、腰からお尻にかけての部分。厄介なことに、一度ノミアレルギーを発症してしまうと、その後ほんのわずかなノミの寄生でもひどい痒みが起こるようになります。

ノミが病原体を運んでいることも…

犬がグルーミングでノミを食べてしまった場合、ノミが媒介している病原体によって、さまざまな病気を引き起こすことがあります。

中でも多いのは瓜実条虫(いわゆるサナダムシ)という消化管寄生虫。瓜実条虫の幼虫を持っているノミが犬の体内に入ることで感染してしまいます。
無症状であることもありますが、時に犬が下痢や嘔吐などを起こすことがあります。また、瓜実条虫の体の一部が肛門から出てきているのを発見して感染に気づく場合もあります。

ノミの被害は人間にも…

犬と同様に人の場合も、ノミに噛まれることで痒みを起こしたり、アレルギー反応を引き起こしたりするケースがあります。

また、ノミが運ぶ瓜実条虫へ感染してしまう可能性のほか、「バルトネラ菌」という病原体を運ぶノミをもつ犬にかまれた場合には「猫ひっかき病」と呼ばれる発熱や疼痛を伴う病気を引き起こすことがあります。

ノミに寄生されているかも…自宅でできる確認方法は?

ノミに寄生されているかもしれない犬

ノミは1-2mm程度と非常に小さな寄生虫。なおかつ動きが素早く、あっという間に犬の毛の内側に隠れてしまうため、成虫を見つけるのはかなり難しいものです。でも、ノミが寄生している証拠は他の方法で発見できます。それは「ノミの成虫の糞」を見つけること。

犬の被毛をかき分けてみたときに、黒っぽいフケのようなものがたくさん見えるときには要注意。ノミの糞かもしれません。毎日のブラッシングのときにも、ノミの糞がないかをチェックしておきましょう。

ノミの糞を探すときには、できるだけ目の細かいペット専用のコームを使うと、糞をキャッチしやすくなります。コームを通したら、コームに黒いフケのような点々がないかを確認してください。点々を見つけたら、水で湿らせたティッシュでキャッチ。しばらくそのままにしておき、粒から色が溶け出すように赤くなったら、それは犬の血を吸ったノミの糞です。犬がノミに寄生されていることになるため、すぐに動物病院へ行って治療をスタートさせましょう!

ノミを見つけても絶対につぶさないで!

犬の体にノミが大量寄生してしまっている場合には、犬の体にノミそのものを見つけることもあるかもしれません。すぐに駆除しなきゃ!と思わずつぶしてしまいそうになりますが、それはNGです!

ノミのお腹に卵や瓜実条虫がいる場合、つぶしてしまうことでそれらが飛び散り、被害が拡大してしまうかもしれません。
ノミを発見したときは、捕まえたノミを薄めた食器用洗剤を入れた紙コップなどにつけるなどして退治しておきましょう。

また、すみやかに動物病院に行って治療をうけるとともに、室内環境の清掃を念入りに行いましょう。

ノミに寄生されたらどうしたらいい?

ノミに寄生されたために動物病院を受診する犬

ノミに寄生されたとき、ブラッシングやシャンプーをすれば大丈夫と思っていませんか?ところが、ノミの繁殖力はすさまじいもので、少々ブラッシングやシャンプーをした程度では駆除はできません。また、ノミは素早く、ピョンピョンとジャンプして逃げることも可能。うまく被毛の中に隠れたり、環境中に逃げて行ったりしてしまうため、すべてのノミを駆除することは困難といってもいいでしょう。

ノミをしっかりと確実に駆除するためには、動物病院で駆除薬を処方してもらうことが必要です。ノミは他の病原体を媒介していることもあります。必ず適切な治療を受けるようにしてください。ノミの駆除薬には、スプレータイプやスポットタイプ(背中の皮膚に垂らすタイプ)、経口タイプなどさまざまなものがあります。愛犬の健康状態やノミの寄生状況によって適切な治療法を選択してもらいましょう。

また、室内の清掃を徹底的に行うこともお忘れなく。部屋の隅やカーペットの上、愛犬のベッドなどの寝床の周囲などは特に念入りに掃除機をかけるようにしてください。

ノミに再度寄生されないためにするべき3つの対策とは?

動物病院で処方されたお薬で定期的に駆虫

犬のノミ対策薬の種類

ノミは一度のケアをすれば良いというわけではありません。発生しやすい温度や湿度はあるものの、ノミは1年を通していつでも発生する寄生虫です。動物病院で処方される駆除薬や予防薬は、年間を通して使用することが望ましいでしょう。

中には、ノミだけでなくマダニやフィラリア症などの対策が同時にできるものもあります。医師と相談の上、ライフスタイルや症状に合ったお薬を処方してもらいましょう。

室内環境の清掃

ノミに再度寄生されないためには、愛犬の身体のケアだけでなく、室内の清掃を徹底し、生活環境を整えることも重要です。
これは、犬の体に寄生したノミを退治しても、生活環境の中には卵や幼虫、さなぎの状態のノミが多数いて、感染の機会をうかがっているから。ノミに再度感染してしまうことを避けるためには、このノミの繁殖サイクルを絶たなくてはならないのです。

ペットのベッド周りを中心に、ソファーやクッション、飼い主さんのベッドの下など、ノミの卵や幼虫が繁殖しやすい場所は特に清潔にしておくことがポイントです。クッションやブランケットなど、洗濯が可能なものはこまめに洗濯をしておきましょう。

毎日のブラッシング

お散歩から帰ったら犬の身体を丁寧にブラッシングすることも忘れずにしておきましょう!
愛犬用の衣類の洗濯もお忘れなく。

ノミの被害が出やすいしっぽのまわり

3つの対策でノミから愛犬を守ろう!

ノミによる被害は深刻です。かゆみから愛犬に非常に大きなストレスを与えてしまうことも少なくありません。また、一緒に暮らす飼い主さんにとっても気持ちのいいことではありませんよね。ノミの被害に遭わないためには、通年でしっかりとケアすることが重要です。お薬によるノミの駆除と毎日のブラッシング、そしてこまめな清掃と総合的な対策をとり、愛犬の体をノミから守りましょう!

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