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「太りすぎちゃいました…」犬の肥満のリスクとは?【獣医師監修】

 

「肥満は万病のもと」誰しも一度は聞いたことのある言葉でしょう。では、実際に肥満が犬の健康にとってどのような影響を与えるのでしょうか?この記事では、太りすぎはなぜいけないのかをご紹介します。これを機に、愛犬の体を見直してみましょう。

肥満によるリスク①病気や怪我の原因になる

肥満が万病のもと、とはよく言われていることですが、「肥満は●●の病気の原因になる」などという単純なものではありません。

過度の肥満は、肥満そのものが病気ともいえます。そして、肥満によって起こる症状が新たな病気を引き起こしたり、肥満がきっかけでかかった病気が肥満を悪化させたり、治療を長引かせたり…とにかく複雑な悪循環となってしまうことがよくあるのです。

太っていて熱中症のリスクのある犬

まずは、肥満によって体に起こる影響の例を見てみましょう。

  • 首の脂肪が気道を圧迫して呼吸しにくくなる
  • 心臓や呼吸への負荷が増加し、運動してもすぐに疲れる、運動量が減る
  • 暑さへの耐性がダウンする
  • 関節への負荷が増加する
  • 便秘を起こしやすくなる

そして、肥満のこういった体への悪影響の結果が、次のような病気や症状の原因のひとつとなるのです。

  • 糖尿病などの内分泌系の疾患
  • 関節炎や椎間板ヘルニアなどの筋骨格系の疾患
  • 捻挫などのケガ
  • 呼吸困難
  • 熱中症

中でも夏場に気を付けたいのは、呼吸困難と熱中症。肥満により首の周りの脂肪が増えると、気道が圧迫され、呼吸困難を起こしやすくなります。ハアハアと体全体を使ってあえぐような苦しそうな呼吸をすること、そして肥満により体に熱がこもりやすいことで、体温は一気にあがってしまい、熱中症を起こすのです。このような状態は、命にかかわります。特に子犬や呼吸器に持病のある犬の場合、太りすぎは禁物です。

肥満によるリスク②麻酔や手術が難しくなる

犬が太っているとリスクのあがる手術

太りすぎの問題は、病気やケガのリスクが高まることでだけではありません。病気やケガをした時の治療にも影響は及びます。

肥満により、全身麻酔のリスクがあがることも分かっています。また、体に脂肪がたくさんついていることで手術の難易度が上がり、手術に時間がかかってしまうケースも少なくありません。

肥満であるが故に、ケガや病気を治療するためのはず手術で、逆に愛犬の命が危険にさらされてしまう可能性もあるのです。

犬の太りすぎチェックの方法

太りすぎの犬

「太りすぎが犬にとって良くないということは分かったけれど、愛犬が太りすぎかどうか分からない…」という飼い主さんも多いのではないでしょうか。

犬はご存知のとおり犬種によって骨格や体格が大きく異なります。そこで、「ボディコンディションスコア」と呼ばれる体脂肪の評価方法を使って判定を行います。

「ボディコンディションスコア」とは、犬の「見た目」と「触った感触」によって体脂肪の付き具合を総合的に判断するというもの。「痩せすぎ」から「肥満」までの5段階で評価します。

太りすぎを判定するボディコンディションスコア
出典:環境省「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~」

ごくごく簡単にいうと、犬を上から見たときに腰のくびれがないようならば太りすぎ。背中や胸を触った時に、背骨や肋骨が触れない場合も太りすぎです。

理想的とされるボディコンディションは、犬を真上から優しく触ったときに、わずかな皮下脂肪があり、肋骨や骨格にも簡単に触れることができ、適度な腰のくびれがあることが特徴です。

太りすぎを引き起こす原因

犬が太りすぎてしまう原因とは何でしょうか。普段の生活から当てはまるものがないかチェックしてみましょう。

運動不足

フードのパッケージなどを確認して、適切な量の食事を与えているつもりでも、運動不足であれば供給エネルギーが多すぎる状態で太ります。

そのうえ、体重が重くなって思うように動くことができなくなると、犬が散歩や運動を嫌がることも。これでは、肥満を助長する悪循環に陥ってしまいます。

不適切な食生活

犬の太りすぎを防ぐために大事なフード

食生活はとても重要なポイント。必要以上のフードを与えていると、当然、体重が増えて肥満になってしまいます。おやつにも十分気を付けなくてはなりません。1人が与える量が少量でも、家族がそれぞれ与えていては、結果的に食べすぎとなります。

病気が原因ということも…

時には病気が原因で太ってしまうケースもあります。クッシング症候群や甲状腺機能低下症をはじめとした病気では、症状のひとつとして、食欲が旺盛になり、肥満になる場合があるのです。

食欲低下の場合は、飼い主さんが異変に気付きやすいものですが、食欲が旺盛になっている場合は病気の発見が遅れてしまいがち。「最近、急に食べる量が増えた」という場合には、ほかに体の異常が見られないかをチェックし、早めに動物病院を受診することをおすすめします。

安全にダイエットを進めるために…

「愛犬が太っている…、今すぐにでもダイエットに取りかかりらなきゃ…」と意気込んだ方もいらっしゃるかもしれません。でも、ちょっと待って!あわててダイエットにとりかかることは危険を伴います。愛犬のダイエットはぜひ、安全な方法で行うようにしてください。

運動スタートは張り切りすぎないで

犬のダイエットを安全にするための無理のない運動

太りすぎを解消するために、犬の運動習慣は欠かせません。しかし、太りすぎて体重が増えている犬に急な運動をさせてしまうと、ケガをしてしまったり、心臓へ負担をかけてしまったりしてしまいます。夏場であれば、熱中症の危険性も。

まずは、お散歩時間を5分ほど長くするなど、無理のないところからスタートして、徐々に慣らしていくのがおすすめです。夏であれば、必ず涼しい時間帯に。また、おうち遊びで運動を取り入れるのもおすすめですよ。

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食事の管理は家族みんなで

愛犬の年齢や大きさに合う適量や、カロリーを守ることが大切です。おやつの回数や分量をきちんと決めることも犬のダイエットには欠かせません。

早く痩せたいからと言って、極端に分量を減らしてしまうのは絶対NG。健康に問題が出るおそれもありますし、ストレスがたまった犬が吠えなどの困った行動をとってしまうかもしれません。

ダイエット用につくられたドッグフードを使ってみたり、ふやかしてかさ増ししたり、また、歯応えのあるものをおやつに加えて時間稼ぎをしたり、といった工夫をしましょう。

動物病院で相談してダイエット計画を

愛犬にとって無理のないダイエットのために、どのような計画を立てるべきなのかは、獣医師と相談することが大切です。

肥満そのものが病気であるということをしっかり意識して、まずは診察を受けることから。目標体重や必要な食事量の計算、必要な運動についてのアドバイスまで受け、無理なくダイエットを進めましょう。

肥満は命にかかわることを忘れないで

愛犬の健康管理は、飼い主さんにしかできないことです。犬が喜ぶからといって、たくさんごほうびのおやつを与えたり、犬にたくさんフードを与えてしまっては、結果的に大切な愛犬の健康を脅かすことに繋がってしまいます。愛犬の健康を願い、存在を大切に思うからこそ、愛犬の体型維持に努めたいものです。愛犬を肥満から守りましょう!

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