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犬のケガ…「意識するべき2つの鉄則」と「実際に使える対応方法」【獣医師監修】

   2019/04/24

愛犬が怪我をする――。そういうことはあり得ることだとわかっはていても、いざとなると、何をどうすればいいのかわからず焦ってしまいがちですよね。しかし、飼い主が取り乱してしまうと、怪我でナーバスになっている愛犬の不安を煽ることにつながることも…。いざという時に慌てないためにも、愛犬が怪我をしたときの対応について知っておきましょう。

犬が怪我をした!飼い主が意識するべき「2つの鉄則」

怪我をしてしまった犬

散歩の途中でも、自宅の中でも、愛犬の怪我は飼い主をあわてさせる事態です。しかし闇雲に手当を開始する前に、まずは2つの事柄をしっかりと念頭に置きましょう。

①愛犬と飼い主さん自身の安全を確保することが最優先

怪我をすると、痛みによる不安や事故によるショックが原因で、愛犬はいつもと性格が変わっているかもしれません。
人間だって怪我をしたときは神経過敏になりますよね。普段はどれだけ甘えん坊の犬であろうと、落ち着いている犬であろうと、ナーバスになってしまって飼い主であるあなたに噛みついてしまうことはあり得るのです。
飼い主さんがパニックになったり、あわてたり、ビクビクしたりしていては、愛犬は安心して飼い主さんに身をゆだねることができません。

最優先するべきことはそんな愛犬の気持ちをしっかりと受け止めつつ、愛犬と飼い主さん自身の安全を確保すること。
愛犬が少しでも落ち着けるような環境にしてあげるために、安心できるようなブランケットなどがあるならば手元に準備しておくとよいでしょう。

怪我をした犬を安心させるブランケット

怪我をしていると知ったらとにかく、どうなっているかを確認したくなる気持ちになるかもしれません。でも、あわてて傷の具合を確認しようとする前に、まずは、周囲の安全を確認し、愛犬を安心させてあげることが必要です。さらには上着を羽織ったり、場合によっては軍手をするなどして、万が一噛まれたとしても、自分自身の怪我を防ぐ準備をしてから処置にあたりましょう。

けがをした愛犬に少しでも落ち着いて身をゆだねてもらうためにも、普段から体のあちこちを触られることを受け入れられるように練習しておきましょう。

②応急処置は無理せず、できる範囲で

傷を消毒したほうがいいだろうか?、何を使って消毒すべきだろうか?、完全に血は止まっているだろうか?、包帯は巻いたほうがいいだろうか?、そもそも正しい包帯の巻き方って…?、などとモタモタしていても意味はありません。
まずはできる範囲でできることをして、とにかく早めに動物病院へ連れていきましょう。

怪我をしたので動物病院へ向かう犬

すぐに動物病院を受診するわけですから、水道で傷口を洗うだけでもOK、それも難しければ止血だけでもOKです。また、包帯も正しい巻き方でなくてもかまわないのです。

「飼い主による犬の手当は無理をせずできる範囲で。」これが家庭における犬の応急処置の鉄則です。

犬が怪我をしたときの対応① 落ち着かせて保定する

応急処置を的確に行うためにも、まずは落ちついて愛犬の怪我の処置が行える状況を作り出すことから始めましょう。

首輪とリードを装着し、安全な抱き方で保定

保定とは、愛犬をつかまえて動きを止めること。愛犬を安心させ、安全に保定を行うことが、受診までの間に状態を悪化させないために必要です。犬が嫌がって暴れてしまうと怪我の応急処置ができないばかりか、傷を悪化させてしまうことにならないのです。

暴れたり逃げてしまったりする場合には、呼吸ができなくならないように十分に気を付けながらバスタオルや毛布などでほんの一瞬だけ犬の頭部をおおい、視界を狭めることで動きを止めてから抱くという方法も。愛犬がお気に入りのブランケットを使うと落ち着いてくれることもありますよ。

さらに飼い主さんの体を愛犬の体に密着させながら、一方の手で愛犬の胴体を固定するようにしましょう。そうすることで犬が不必要に暴れにくくなり、また、犬も安心しやすくなるので、傷の確認や処置がしやすくなります。同時に、首にけがをしていたり、呼吸の様子がおかしかったり、元気がなくなったりといった状況以外では、首輪かハーネスやリードを装着しておくと、あとの処置が行いやすくなるでしょう。

怪我をした犬を安全に保定する方法

顔回りに手を近づけたり、四肢やしっぽを無理につかんだりすることは、ケガをしていなくても愛犬が嫌がることですので、絶対にしてはいけません、また、痛みを感じている箇所に不用意に触れないよう、十分に注意してください。

一人でこれらの保定と処置の両方を行うのはかなり大変です。できるだけ二人以上で行うことをおすすめします。

必要に応じてエリザベスカラーを装着

安全に応急処置を行うためにも、必要に応じてエリザベスカラーを装着してください。エリザベスカラーがない場合には、帯状に畳んだタオルを優しく首に巻くことでも取り急ぎの代用が可能です。このとき、首がしまってしまわないように、必ず指が1~2本ほど入る隙間を作るようにしてください。

犬がけがをしたときにつけたいエリザベスカラーがないときの対応

首に怪我をしていたり、呼吸困難を起こしていたり、ぐったりしているような場合は必要ありません。また、エリザベスカラーをつけることでかえって暴れたり興奮したりしてしまう場合も、無理に装着することは避けたほうがよいでしょう。
怪我や愛犬の状態を悪化させないことをまずは第一に、優しく声をかけつつ動ける範囲を少しずつ狭めるなどして、とにかく落ち着かせることが必要です。

犬が怪我したときの対応② 怪我の状態をチェック

怪我をして不安そうな犬

犬を落ち着かせて安静が保てたら、怪我の状態をチェックしていきます。

どこを痛がっているのか、傷口はどのような状態になっているのか、どの程度出血しているのか。まずは冷静に怪我の状態を確認してください。

体の広範囲にわたって傷ややけどを負っている、傷口から大量出血している、犬が立ち上がれないほどぐったりしている、といった場合は緊急事態!
大至急動物病院へ向かうことを優先してください。

また、動物病院を受診する前には、あらかじめ病院に連絡をしておくことをおすすめします。

※救急病院の受診のしかたは、こちらの記事でご紹介しています。
<保存版>夜間の愛犬の万が一…救急病院受診時の確認事項【獣医師監修】

犬が怪我をしたときの対応③ 受診前の応急処置

怪我をして応急処置を受けた犬

犬の興奮を鎮めたら、動物病院へ向かう間にできる応急処置を施しておきましょう。病院に向かいながら処置を行うことができるならばそれでもOKです。

傷から出血している場合

出血の度合いがそれほど多くない場合は、ばんそうこうや包帯、ガーゼなどで傷口をやさしく覆って固定します。人と異なり、被毛の多い犬の場合は固定が難しいかもしれません。しばったりテープで止めたりが不要な粘着包帯があると便利です。また、止血も兼ねておさえておくことができるならば、飼い主さんがおさえておいてあげるのもよいでしょう。

屋外でのケガで傷口に砂や土がついている場合は、可能なかぎり水で洗い流してあげたいところ。水道で洗うことが難しければ、清潔なペットボトルに入れた水道水でもOKです。

傷の処置に使ったガーゼやばんそうこう、包帯などを愛犬がかじったり、はずそうとしたりすることもよくあることです。こういったものを付けた場合は特に、愛犬から決して目を離さないようにしてください。誤って食べてしまっては大変危険です。犬が気にしてしまうようならば、無理に付けなくてもOkです。

怪我をした犬の応急処置

また、これらはあくまでも受診までの応急処置。包帯が正しく巻けていなくても気にする必要はありません。きつく巻き過ぎないように気をつけることと、包帯を巻くことにあまり時間をかけ過ぎないことが大切です。

血がなかなか止まらない場合は、ガーゼや包帯で傷口を覆った上から圧迫して止血を試みますが、万が一大量出血している場合には、傷口より心臓に近い部分に包帯などを強めに巻いて、一刻も早く動物病院に向かってください。

やけどをしている場合

愛犬がやけどをした場合は、とにかくまずは冷やすことが先決。冷たい流水で10分程度患部を冷やしたあと、水気を拭き取ってからガーゼなどでやさしく覆った状態ですみやかに受診してください。愛犬が傷口をなめないように、また、傷口を覆うのに使用したガーゼを口にしてしまうことのないように十分気を付けましょう。

2人以上で対応が可能な状態であれば、氷水を入れたビニール袋やタオルに包んだ保冷剤で冷やしながら動物病院へ向かうこともできるでしょう。

もしも皮膚が赤く腫れているような場合はかなりの重症。大至急動物病院に向かってください。

また、患部を冷やしたことで愛犬の様子が落ち着いたように見えても、やけどの重症度は非常にわかりにくいものです。愛犬がやけどをした場合には、必ずかかりつけの獣医師に判断をあおいでください。

足をひきずっている場合

愛犬が足をひきずっている場合は、打撲や捻挫、骨折などの可能性があります。また、足先にガラス片や小石などでケガをしてしまっているのかもしれれません。

足をひきずるようになったきっかけがわかっている場合も、わかっていない場合も、状況を悪化させないため、まずはとにかく安静が第一。走らせたり興奮させたりはしないようにしてください。そのうえでできるだけ早く動物病院を受診しましょう。

怪我の状態を確かめるために無理に足の曲げ伸ばしをさせてしまうと、かえって悪化させてしまうかもしれません。
怪我をした箇所が確実にわかっていて、患部が腫れて熱を持っているような場合は冷却することが応急処置になりますが、いずれにしろ速やかに受診することが大切です。

犬が怪我をした時の対応④ 安全に動物病院へ

応急処置を終えたら、すみやかに動物病院へ向かいましょう。このとき、あらかじめかかりつけの動物病院、もしくは救急病院に連絡をとっておくことをおすすめします。受け入れ準備を整えておいてもらえ、スムーズですし、到着までにできる処置についての指示を受けることもできるでしょう。

怪我の応急処置をおえて病院へ向かう犬

移動の際には、普段から使い慣れていて、愛犬が安心できるクレートを使用することが一番おすすめ。小型犬の場合は、安全に抱くことができ、愛犬が落ちつくようならば抱っこでもかまいません。愛犬が安心できるブランケットなどを使って抱いてあげてもよいでしょう。
ただし、怪我をしている犬はナーバスになりがち。どれだけ飼い主との間に信頼関係があったとしても、クレートの中のほうが安心できる場合もあることを知っておきましょう。

また、抱っこの仕方によっては患部に負担がかかり、かえって痛がる場合もあります。また、いつもの抱き方であっても違和感や痛みを感じて暴れてしまうこともも。大切なのは愛犬が安静を保てる状態で動物病院へ向かうことだということを決して忘れないようにしてください。

いつ起こるかわからない愛犬のケガ。備えがとても大切。

愛犬のケガ、時には手術や入院が必要になるケースもあるかもしれません。ペット保険に加入しているなら、補償内容を定期的に確認しておくことをおすすめします。万が一の場合に備えて、滅菌ガーゼや包帯、粘着包帯などを救急箱の中に常備しておくことをおすすめします。愛犬が怪我をしないのが一番ですが、不測の事態はいつ起きるかわかりません。いざという時に落ち着いて対応できるように、普段からしっかり備えをしておきましょう。

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