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子犬の甘噛みのしつけ、急がなくても大丈夫!その3つの理由とは?

   2018/09/28

子犬のしつけで多くの人が苦労するものに、「甘噛み」があります。子犬の時期に甘噛みをするのはしかたないとはいいますが、「成犬になっても甘噛みの癖が直らなかったらどうしよう?早くしつけなくては!」と焦っている人もいるかもしれません。でも、ご安心を。子犬の甘噛みは、「絶対だめ!すぐにやめさせなくてはいけない!」というものではありません。今回は、子犬の甘噛みをやめさせるためのしつけを慌てなくてもいい理由についてお伝えします。

子犬の甘噛みのしつけ、急がなくていい理由1:成長すると収まる

子犬にとって甘噛みは、対象に対して単に攻撃的になっているわけではありません。甘噛みには子犬ならではのワケがあるのです。そんな子犬であるがゆえのワケで甘噛みをしている場合は、成長とともに収まってきます。

子犬の甘噛みのワケ①:歯の生え変わりの時期でムズムズする!

子犬の甘噛みには、歯茎がむずかゆくて目の前の物を何でも噛んでいる場合があります。多くの場合、乳歯が永久歯に生え変わる時期は、生後4~7か月くらい。犬種や個体差があり、生後1歳くらいで生えそろう犬もいます。歯茎を擦るように噛んだり、奥歯に当たるように噛んだりするのは、生え変わりの時期でむずかゆいからかもしれません。
つまり、この場合は、永久歯に生え変わることで、子犬の甘噛みが自然に収まる可能性があります。ですからこの時期に、無理やり甘噛みをやめさせるようなしつけは必要ないのです。

甘噛みのしつけをしていない子犬の寝ている姿

子犬の甘噛みのワケ②:甘噛みでさまざまなことを学習している!

社会化期の子犬は、好奇心旺盛で、見知らぬ物にも興味・関心を示します。子犬にとって対象を確認する方法が、とりあえず噛むということ。これは人間の赤ちゃんにも似た傾向がありますね。
また、母犬や兄弟犬とじゃれあって、甘噛みをして反応を確認していくことで、噛む加減というものも学習していきます。ですから、噛むという行動は、子犬にとってとても大切な経験なのです。それを「しつけ」と称して一方的にやめさせるということは、子犬の健全な成長を妨げることになってしまいます。

そんな子犬の甘噛みには…思う存分かじれるおもちゃを与えてあげましょう

何でもかんでも甘噛みしようとしていた子犬でも、成長とともに、他のロープやボールなどのおもちゃを噛むように少しずつシフトしていくことがほとんど。子犬の時期ならではの甘噛みのワケをしっかり理解してあげて、思う存分噛んでもいいおもちゃを与えてください。
そうして、子犬がおもちゃを噛むように方向づけていきながら、ゆっくりじっくりしつけをしていきましょう。子犬が持つ、「かじりたい!」という欲求が満たされれば、自然と困ってしまうような甘噛みは減っていくものですよ。

子犬の甘噛みのしつけのためのおもちゃ

子犬の甘噛みのしつけ、急がなくていい理由2:やめて!の意思表示

嫌な気持ちになった場合、子犬は対象にガブっと噛みつこうとします。そのため、撫でているときや抱っこしようとしたときに子犬が甘噛みしてくる場合は、「やめて!」「ほっといて!」という気持ちのあらわれかもしれません。
子犬ですから、実際のところ手を噛まれても怪我をするようなことはほとんどないでしょう。そのため、じゃれついて甘噛みしているのか、本気で嫌がって攻撃的になって噛んでいるのかの区別は難しいかもしれません。
しかし、いずれにしても、「甘噛みをやめさせる」しつけではなく、「子犬が嫌がっていることがあるのなら、それを見つけてあげて、嫌がることはしない」ことからのスタートです。子犬の様子をよく観察して対処しましょう。

たとえば、こいぬの体を撫でている時に甘噛みしてくる場合…

子犬が撫でられること、触られることが苦手なのかもしれません。また、もしかすると撫でられている箇所に傷があって、触ってほしくないのかもしれません。そのほか、あまり人に触られることに慣れていないのであれば、警戒心から人の手を噛もうとすることもあります。

甘噛みをやめさせるしつけではなく、子犬が嫌がることをしないのが基本

子犬がされたくない行為に対して甘噛みをしてくるのなら、その行為はしないでください。たとえば、子犬が触られたくない場所があるのなら、嫌がっているときに無理やり触ることはNGです。

子犬の甘噛みのしつけのポイント

子犬の体を触るしつけは無理なく少しずつ

とはいえ、子犬が体を触られることに慣れておくことは大切なこと。嫌がっている状態でどんどん触っていくのはNGです。少しずつ触れる範囲を広げていきましょう。
子犬にしつけをするときはどんな時でも、「焦らずじっくり」が合言葉。甘噛みをやめさせようと無理にしつけをするのではなく、じっくりと苦手なことを克服していけるような練習をしていきましょう。
子犬の体を触る練習については、こいぬすてっぷ3か月編でご紹介しています。

いつもと違う甘噛みなら、子犬の体をよく観察して

日々のブラッシングなどで、子犬の体に異常がないか確認することもとても大切。さらに、いつも甘噛みしない場所を触ったときに甘噛みしようとするときは、もしかすると体に傷などがあるのかもしれません。異常が見つかった場合は、すぐに動物病院に連れて行きましょう。

子犬の甘噛みのしつけ、急がなくていい理由3:甘えたい気持ちを拒絶することになる

遊びたいざかり、甘えたいざかりの子犬は、飼い主とじゃれあいたくて甘噛みすることがよくあります。
1歳までの子犬の時期は、甘噛みが飼い主に甘えたい感情表現だと受け止めてあげて、しつけだからと言って無理にやめさせることはしないでください。当然、怒ったり、叩いたりすることは絶対にしないで。暴力は、飼い主と犬との健全な関係を破壊してしまい、反発心を芽生えさせてしまいます。飼い主はいつも、子犬にとって安心で頼れる存在でいてください。

甘えで甘噛みをしてしまう子犬

社会化期にポジティブな関係を持った対象には、長期的に愛情を抱くようになるのが犬の特徴。子犬の甘えたい気持ちは素直に受け止めてあげましょう。ただ、人の手などの噛んではいけないものは、早いうちに教えてあげることが大切です。愛犬との触れ合いは必ずおもちゃを使うようにして、「人の手には甘噛みしない環境を用意しておく」ことが大切です。

甘えてくるならかわいいし、痛くないから問題ない…ことはない!

甘えてくる子犬の甘噛みはとにかくかわいいので、手に甘噛みしてきたとしても問題ないと考える人もいるかもしれません。でも、それが癖づいてしまい、成犬になっても平気で人の手を噛む、噛み癖になってしまっては大問題。飼い主の手に負えなくなって、しつけ教室などで根気強く癖を直さなくてはならない、ということになるかもしれません。

しつけ以前に、甘噛みを誘うような行動をしないようにするのが鉄則

子犬の甘噛みのしつけのポイント

生後1歳未満の子犬の甘噛みを強制的にやめさせるようなしつけは必要ないのですが、甘噛みを奨励するような行動はしないことが大切です。子犬が甘えたそうなときでも、手や足を子犬の目の前でひらひらさせて遊ぶなど、手足で子犬の甘噛みを誘うようなしぐさは避けましょう。

「やめさせるしつけ」ではなく、自然に甘噛みを減らしていくつもりで。

あわてて甘噛みのしつけをするのではなく、そもそも、子犬が甘噛みをしてしまう状況を作らないことが大切です。手や足、スリッパのようなおもちゃ以外のものを甘噛みさせるのではなく、噛んでもいいおもちゃを準備しておき、そちらに興味を持つようにしてあげることが基本です。

ポイントは
・噛んでいいものを与えて、子犬の噛みたい欲求を満たす
・子犬が嫌がることをしない
・甘噛みを誘うような遊び方をしない
・スリッパなどの甘噛みしてはいけないものは子犬の目につかないところへ
これだけで、困ってしまうような子犬の甘噛みは自然に減っていくはずです。

甘噛みのしつけ用のおもちゃで遊ぶ犬

それでも甘噛みが止まらないときは、子犬に優しく教えてあげよう

それでも子犬が人の手などを甘噛みしてしまうときは、叱ったりするのではなく、優しく、「人の手は噛んでも楽しくない」と教えてあげましょう。冷静に「痛い」と一言言ってさりげなく手を後ろに隠したりして噛みにくくしてください。大声や大げさな動きは必要ありません。子犬が甘噛みをやめたら褒めてあげてくださいね。
詳細はこいぬすてっぷ2か月編で紹介しています。

子犬の甘噛み卒業の環境を整えて、見守ってあげましょう

しつけも愛情のひとつです。人間社会で犬と人とがともに暮らすためには、しつけはとても大切です。しかし、子犬のうちの甘噛みは、そこまで神経質になる必要はありません。上手に甘噛みを卒業するためには、子犬が甘噛みをしないような環境を整えてあげることも、飼い主の重要な役目です。子犬のしつけには根気強さが欠かせません。叱ることで子犬をコントロールしようとするのではなく、「噛ませない工夫をすること」、「噛むと楽しくないということを理解させること」で、少しずつ甘噛みの癖は直っていきます。焦らずにじっくりと、愛情を持って接してあげてくださいね。

※子犬の甘噛みについては、こちらでもご紹介しています。
子犬の甘噛みはいつまでにしつけるべき?対処方法は?
甘噛みへの対策を子犬の視点から考えてみよう!

こいぬすてっぷに所属している獣医師チーム。臨床経験が豊富な獣医師により構成されています。獣医療の知識や経験を生かし、子犬育て、しつけに関わる正しい知識をわかりやすくお届けしていきます。

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