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危険!犬に絶対してはいけない叱り方4つ。上手な叱り方や他の方法は?

   2019/01/18

愛犬のこと、褒めるほうが多いですか?叱るほうが多いですか?叱るほうが多いかもという人は要注意。「でも、悪いことをやめさせるには、叱るほうが効果的だし…」と思った方もいるかもしれません。ところが、実は「犬を叱る」というのは、非常に難しいこと。叱ることの副作用は、犬と飼い主との関係が悪くなることだけではないのです。叱ることで、その瞬間はしてほしくないことをやめさせられるかもしれません。でも、根本的な解決にはならっておらず同じ行いを繰り返したり、噛みつきなどの新たな、より深刻な問題を起こすようになったりすることが少なくありません。人が相手に不快感を伝えるためにとる、「叱る」という行動。ここでは、犬と人とが本当に仲良く幸せにくらすために、絶対にしてはいけない叱り方と叱るこの副作用、犬への上手な叱り方、また、「叱る」以外にできることについてご紹介します。

叱る以外の方法で人と仲良く暮らす犬

危険!!!絶対にしてはいけない叱り方4つ

  • マズルをつかむ
  • 無理やり仰向けにしておなかをださせる
  • 首の後ろをつかんで犬を持ち上げる
  • 体罰

これらの行為は、正しくしつけが行えないばかりか、弊害があまりにも大きい叱り方といえます。信頼関係を損ねるだけでなく、恐怖のあまり犬が攻撃的になってしまうこともある非常に危険な方法。決して犬にしてはいけない叱り方です。

叱ることは副作用が大きい!

誤った叱り方はされていない犬

飼い主にとってしてほしくないことを犬がしたときに、ついつい叱りたくなることは必ずあると思います。でも、犬を叱ることは本来、非常に難しいこと。なぜなら、叱ること、特に誤った叱り方で犬を叱ることには、次のような弊害があるからです。

  • 飼い主がいる時だけその行動をしなくなり、いなければ同じ行動をとる
  • 飼い主のことが嫌いになる、不信感がうえつけられる、飼い主におびえるようになる
  • 叱られた時の環境に対しても嫌な印象をもつ
  • 叱るだけでは、犬はどうすればよいかがわからず、また同じ問題を起こす
  • 叱る行為が「かまってもらえた」などのご褒美になって、何度も同じことをする

叱ることには、このような困った副作用がたくさんあります。そのため、困った行動、やめてほしい行動に対してむやみに犬を叱るのではなく、「本当に叱るべき?」「叱ることで解決するの?」とよく考えてもらいたいのです。

正しい叱り方の前に、まずは褒め上手になろう

褒められている犬

犬が飼い主にとって望ましくない行動をしてしまうことは必ずあります。でも、犬を叱ることができるのは、褒めるのが上手になってから。犬を心から褒めることができ、その「褒められている」状態を犬が心から嬉しいと感じられるようになってからなのです。
愛犬にとって「飼い主=叱る人、怖い人」ではなく、「飼い主=頼れる人、大好きな人」であることは、愛犬が安心して暮らしていくために絶対に必要なことです。

ちなみに愛犬を褒めるのが上手になると、犬はもっと褒められたい気持ちから、飼い主のしてほしい行動をとる頻度が増えていきます。結果的に、叱る必要などなくなってしまうことすらあるほどです。

褒めて育てたほうが、自信に満ちたハッピーな犬になることはよく知られていること。逆に、叱られすぎると、自信がなくいつも飼い主の顔色をうかがっているような、神経質でびくびくした犬になってしまうでしょう。

叱りたくなった時は…イラっとしたら一呼吸!

犬と暮らす中で、犬が人にとって困った行動をしてしまうことは、ある程度は覚悟しておかなくてはなりません。とはいえ、どんな時でも穏やかにいるのは難しいですよね。イラっとしたら、一呼吸おいて、次のポイントをチェックしてみてください。

粗相をして叱られそうな犬

叱らずにすむ環境を用意してる?

犬のしつけで大切なことは、あらかじめ叱らずにすむ環境を用意しておくこと。つまり、そもそも困った行動をとらせないように先回りして準備しておくことなのです。

逆に犬が困った行動をしてしまったときは飼い主さんの準備不足の可能性が。
甘噛みさせないためのおもちゃは用意できていますか?トイレは清潔な状態になっていますか?ストレス発散はできていますか?
叱る前に、飼い主さんの準備不足がなかったか、一度よく考えてみましょう。

愛犬の体調は大丈夫?

粗相など、いつもはしないような行動を犬がとってしまった場合、それは体調不良のサインであることもあります。いきなり叱るのではなく、愛犬の様子を観察してあげるようにしてください。

※犬の行動と体調不良についてはこちらの記事でご紹介しています。
病気が原因のことも?!勘違いされがちな犬の行動5選

飼い主さんの気分や体調は?イライラしてない?

愛犬にやつあたりするような叱り方を犬にしてはいませんか?
飼い主さんがイライラしているときだけでなく、睡眠不足だったり疲れていたりといった時も要注意。

その場で不快感を伝えたい!上手な叱り方は…?

上手な叱り方をされている犬

叱るのは、飼い主の不快感を伝えるため。犬と暮らしている中では、その場で「それはNG!」と不快感を伝える必要のある場面は必ずでてきます。では、上手に不快感を伝えるにはどうしたらいいのでしょうか。

「ノー」ときっぱり一言!

家族の間で、褒めるとき、叱るときに使う言葉をあらかじめ決めておきましょう。口調と態度を一貫させることで、「イエス」「ノー」という言葉に含まれる「イエス=してもいいこと、飼い主は喜んでいる」「ノー=してはいけない、飼い主は不快に感じている」といったニュアンスを犬が理解できるようにしておきます。

特に不快感を伝える場合、確実に犬に伝えるために大事なことは、きっぱりと一言「ノー」とだけ言うこと。くどくど、ネチネチした叱り方は犬にはNGですよ。
そして、褒め方でよく言われるのと同じで、叱り方もタイミングが命。時間がたってから叱ってもなんの意味もありません。望ましくない行動を見つけたらその瞬間に伝えましょう。

また、次に同じ状況になったときは飼い主がしてほしい行動へと導き、うまくやったら褒めてあげてください。どうしてほしいのかを教えないことには、何度「ノー!」いっても無駄だと思っておきましょう。

困った行動をやめさせる方法は「叱る」以外にもある!

叱る以外の方法でしつけられた犬

叱ることで、飼い主がしてほしくないと思う行動をとりあえずやめさせることはできるかもしれません。しかし、叱るという方法は、叱り方を間違えると大変危険ですし、副作用があまりにも多すぎます。
とはいえ、褒めるだけではなかなかうまくいかないこともあるのも事実ですよね。そんな時には、叱る以外の方法を。叱るよりもずっと副作用の少ない方法がありますのでご紹介します。

また、ここでも大切なことは、「してほしくないこと」をやめさせるだけではなく、必ず「してほしいこと」へと導くこと。次に同じシチュエーションになった時には「してほしいこと」を教え、きちんとできたら必ず心から褒めてあげるようにしてください。

好きなものがなくなる「罰」

これは、「犬がした行動の直後に、自分の好きなものがなくなってしまう」という罰です。
おもちゃで遊んでいる最中に手に甘噛みをしたら、遊びがストップしてしまう、部屋から大好きな飼い主が出て行ってしまう、といったしつけの方法が、この「好きなものがなくなる罰」の例です。

いわゆる「天罰」

飼い主がしたことを決して悟られないように行う間接的な「罰」です。これは、ある行動をとったら、「誰がしたかわからないけれど、直後に嫌なことが起きた!」という状態です。「誰がしたのかわからない」のがポイント。それにより、飼い主がいる、いないに関わらずその行動をやめさせることにつながります。ここが、副作用が多くて危険な「飼い主が直接犬に与える罰」や「叱ることで何かをやめさせる方法」とは大きく異なるところです。
家具をかじることをやめさせたい場合に、かじると苦い味のする、「ビターアップル」と呼ばれる製品を使うことがありますが、これが「天罰」の例です。

叱り方は難しい。叱った数よりずっと多く褒めてあげて

「ノー!」と叱ったらすぐ、何か簡単な指示をだすなどして、それに従えたら褒める、といった気分転換をして仲直りをしましょう。また、「ごはんを催促せずに静かに待てた」「今日もトイレがうまくいった」など、日常の中で愛犬がとった何気ない望ましい行動を当たり前と思わず、細かく気づいて褒めることもぜひ、習慣にしてください。しつけとは、してはいけないことをやめさせることではなく、どう行動すればいいかを教えること。決して犬を叱ることで飼い主の言うことを聞かせることではありません。飼い主が望む行動をとった犬を自然に褒めることができるようになれば、お互いに気持ちよく前向きな気持ちで暮らせるようになるはずです。愛犬との幸せな暮らしのため、ぜひ、一度犬への接し方を見直してみてくださいね。

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東京大学農学部 獣医学専修を卒業後、大阪の高度獣医二次診療病院に勤務の後、渡米しミシガン州立大学、カリフォルニア大学 ディビス校にて、整形外科・再生医療の研究などに携わる。帰国後は、アメリカでの経験を活かし、川村動物病院の院長として、より良い地域医療の普及に邁進中。

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