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犬が「仰向け」に慣れると良いって本当?その方法は?

   2018/10/19

犬が仰向けのポーズをとること、つまり「お腹を見せること」は、犬にとっては弱い部分を見せる行為。ですから、無理やり犬を仰向けにすると嫌がるのは自然なことです。でも、「犬が自ら仰向けになれること、仰向けの姿勢に慣れておくこと」が、愛犬との暮らしの中で大切な意味を持つことをご存知でしょうか。ここでは、犬が仰向けに慣れることの大切さと、飼い主の合図で仰向けになり、仰向けでいることに慣れるための練習方法についてご紹介します。

犬が「仰向け」に慣れると良いって本当?

犬が「仰向け」に慣れていくことは大事なことです。これは、自宅で全身の健康チェックを行う場合や、動物病院での診察や治療、特におなかの部分の診察や治療、レントゲン検査や超音波検査などを行う場合など、暮らしの中で犬が仰向けになる必要がある状況がいくつかあるからです。
犬が自ら仰向けになり、しばらくその姿勢でいることに慣れていれば、このような仰向けになる必要がある状況で犬が感じるストレスを軽減させることができるのです。

仰向けでリラックスしている犬

また、子犬が母犬にお世話してもらうときと同じ、信頼を表現するポーズでもあるのが、この仰向けのポーズ。犬がこの仰向けのポーズでリラックスしているということは、犬が飼い主のことを優しく信頼、安心できる存在と感じていることを示すボディーランゲージでもあります。そのため、仰向けのポーズに慣れることは、お互いの信頼関係をしっかりと構築していくことにもつながるのです。

そんな大切な仰向けのポーズは、「ゴローン」などの合図で犬が自ら仰向けになり、その状態をある程度の時間キープできると理想的。ここからは犬が「ゴローン」の合図で自ら仰向けになる練習についてご紹介します。

STEP1 仰向けの姿勢をとる練習をしよう!

ここでは、まだ自分で仰向けになることができない犬に仰向けの姿勢を教えてあげましょう。
犬が自ら仰向けになることができるようであれば、このSTEP1は飛ばしてOK。「ゴローン」など、仰向けになる合図を教えるSTEP2からスタートしてください。

仰向けの練習は、仰向けの姿勢へと誘導するためのおやつなどの「小さな好物の食べ物」を飼い主の手元に準備した状態で、犬が「伏せ」をするところからのスタートです。
※「伏せ」の練習はこちらの記事でご紹介しています。
【犬の伏せの教え方】いつでも成功する「基本」からドッグカフェで使える「応用」まで

まずは「伏せ」をしている犬の鼻先に食べ物を握った手を近づけてにおいをかがせてあげてから、犬の肩のあたりから頭の後ろへ向かって、食べ物を持った手をゆっくりと移動させてみてください。

おやつを使って仰向けの練習をしている犬

飼い主の手の中の食べ物につられて、犬が体をひねっていくことで仰向けの状態になるように意識して誘導してあげましょう。
慌てて手を動かしてしまうと、犬が食べ物を見失ってしまいますので、ゆっくりと犬の動きを見ながら、手を頭の後ろの方へと動かしていくのがポイントです。

仰向けになる練習中の犬

犬がくるっと体をまわして、仰向けになった瞬間に「いいこ!」「上手」などと褒めて、ご褒美として手の中の食べ物を食べさせてあげてください。

合図で仰向けになる犬

これを何度も繰り返して、犬に「仰向けの姿勢をとることで良いことがある」と学習してもらいましょう。

また、食べ物で誘導しなくても、伏せをしている犬の内ももや下腹部のあたりをやさしくなでてあげることで、自ら仰向けの姿勢をとってくれる犬もいます。そんな時も、「上手」と声をかけ、ご褒美の食べ物を食べさせてあげましょう。

犬に無理やり仰向けの姿勢をとらせることは絶対NG

ここで大切なことは、犬が自ら仰向けになるように教えてあげること。犬をひっくり返すなどして無理やり仰向けにさせることは、犬に恐怖心を植え付けることにつながりますので、厳禁です。

STEP2 「ゴローン」などの仰向けの合図を犬に教える

次に、「ゴローン」などの「仰向けになるための合図」で自ら仰向けになる練習をしましょう。この時、仰向けを指示するための合図(指示語)は家族の間で必ず統一しておいてください。
「ゴローン」などと言いながら、STEP1と同じ要領で、おやつを持った手をゆっくり動かしていくこと犬がで仰向けになるように誘導していきます。
ここでも、犬が上手に仰向けになったタイミングで、しっかりと褒め、ご褒美の食べ物を食べさせてあげましょう。

この練習も何度も何度も繰り返しましょう。

仰向けの練習をする犬

STEP3 食べ物の誘導なしで仰向けになるように練習する

ここからは、STEP2までで仰向けになるための誘導に使っていた食べ物を、少しずつ犬の体から離していきます。
そうすることで、やがて食べ物で誘導しなくても、飼い主が「ゴローン」と合図をするだけで仰向けになることができるようになるでしょう。
もちろん、ここでも上手にできたときはしっかりと褒め、おやつなどのご褒美の食べ物を食べさせてあげましょう。

STEP4 色々な状況で仰向けになる練習

成功率が上がってきたら、場所や指示する人を変えながら、練習を続けてくださいね。うまくいかない時には、食べ物を持っていない手で、STEP1や2の時のように、「ゴローン」のヒントを出してあげるなどして練習を重ねていきましょう。

仰向けで寝る犬

また、「仰向け」の状態でリラックスする練習としては、「仰向け」でリラックスできているタイミングで犬をやさしく褒めながら撫でてあげるとよいでしょう。この時、ご褒美におやつなどの好物を使うと、犬が起き上がるなどして興奮してしまうため、ご褒美は「撫でてあげること」「優しい誉め言葉をかけてあげること」とするとよいでしょう。
しっかり遊んで、犬の気持ちが満たされており、ほどよく疲れているタイミングで、まったりと練習するのがおすすめです。リラックスできるようになってくると、仰向けのまま気持ちよく眠ってしまうようなこともありますよ。

動物病院での仰向けは犬にとって難易度高!特別なご褒美を持参しよう

自宅での仰向けをマスターしていても、動物病院のように緊張してしまって集中できない環境では仰向けになることができない、ということは自然なこと。
愛犬が動物病院でうまく仰向けになれなかったとしても、決して叱ったりはしないでくださいね。

診察室で仰向けになる犬

健康診断などで動物病院を受診する時には、特別なご褒美になるような大好物のおやつを動物病院に持っていくのもおすすめです。
成功したら、愛犬を思い切り褒めてあげて、特別なご褒美をあげるとよいでしょう。
ただし、診察時にご褒美の食べ物を与える時には、必ず獣医師に食べさせてもよいかを確認を。診察内容や検査内容によっては、診察時に物を食べることができないケースもあります。

仰向けを犬の健康管理やコミュニケーションに役立てよう

腹部に限らず、犬が体中を触られることに慣れておくことはとても大事なことです。普段の健康管理のためにも、また、必要なケアをストレスなくしてあげるためにも、できるだけ早いタイミング、理想的には子犬のうちから体中どこでも触れるようになっておきましょう。その中として、練習のひとつに「仰向け」をぜひ取り入れてみてくださいね。病気の早期発見やお手入れに役に立つだけでなく、愛犬とのコミュニケーションもより楽しいものになるはずですよ。

こいぬすてっぷでは、「体を触る練習」「伏せ」「ゴローン」をはじめとした「愛犬との暮らしに必要なしつけ」について月齢ごとにご紹介しています。どれも子犬にとって優しく、わかりやすい方法となっていますので、ご興味のある方はぜひお問い合わせください。

東京大学農学部 獣医学専修を卒業後、大阪の高度獣医二次診療病院に勤務の後、渡米しミシガン州立大学、カリフォルニア大学 ディビス校にて、整形外科・再生医療の研究などに携わる。帰国後は、アメリカでの経験を活かし、川村動物病院の院長として、より良い地域医療の普及に邁進中。

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