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【原因リスト】犬が痒がるのは病気のせい?理由と対処法まとめ

   2018/07/13

愛犬がしきりに痒がる仕草をしていると心配になりますよね。犬が痒がる原因は、皮膚のトラブルだけではありません。内臓の病気で痒がったり、ストレスから痒がるようなしぐさをしたり、とその原因は実にさまざま。そこで、痒がるしぐさをしている愛犬の飼い主さんのため、「犬が痒がる仕草をする原因と対処法」をまとめました。ただし、飼い主さんだけで痒がる原因を正しく特定して解決することは難しいことがほとんど。愛犬のためにも、犬が痒がる仕草をしていたら、本記事を参考にしつつ、早めに動物病院を受診することをおすすめします。

犬が痒がる仕草って?

痒がる犬

犬は痒がる時にどんな仕草をするのかご存知ですか?

  • 後ろ足の爪や歯で体の一部を掻いたりなめたりする
  • 床や壁に体をこすりつける
  • 床に転げ回る
  • 耳や目の周囲を掻きむしる
  • 頭をしきりに振る

このような仕草がみられるときには、どこかに痒みがあるのかもしれません。
犬が痒がる部位を観察すると、脱毛やフケ、皮膚の赤み、湿疹など、見た目にも気になる症状が現れていることが。愛犬が痒がっているときは、皮膚の状態を確認してください。

犬が痒がる原因の特定は難しい!

犬が痒がる原因でまず考えられるのが、皮膚炎のような皮膚のトラブルでしょう。
ただ、一口に「皮膚炎」と言っても、それを引き起こす原因はアトピーや食べ物などの「アレルギー」、細菌や真菌、ノミやダニなどの寄生虫の「感染症」など多岐にわたります。

その他にも色々な病気、時には皮膚の「腫瘍」を原因として皮膚に炎症を起こしている場合でも犬は痒がる仕草をします。
さらに、「内臓の病気」や「ストレス」などが原因となって、犬が痒がっているように見えることもあるのです。

原因がわからない痒みのある犬

このように、犬は非常にたくさんの原因で犬は痒がるしぐさを見せます。
犬が痒がる仕草をした時には、まずその原因を特定することが治療の第一歩となるのですが、この原因を正確に特定することがとても難しいのです。

犬が痒がる仕草をしてできた傷に、細菌が感染してしまうことで元の原因とは別の二次的な皮膚炎を起こすこともあるなど、色々な原因が複雑に絡み合っていることが少なくありません。
愛犬が痒がる仕草をする時には、必ず早めに獣医師による診察を受けしましょう。

犬が痒がる原因リスト

犬が痒がる仕草をしたときに原因を飼い主さんが特定することは難しくても、例えばどんな原因があるのかは気になるところですよね。
ここでは、犬が痒がる原因を一挙にご紹介します。

痒みの原因となる皮膚炎

犬が痒がる原因となる皮膚トラブルの代表は皮膚炎。皮膚炎はさまざまな原因で起こります。

●アレルギー性皮膚炎(原因:各アレルゲン)

アトピー性皮膚炎
ハウスダストや花粉などのアレルゲンを吸い込むことでアレルギーを起こして痒がる。また、皮膚からもアレルゲンが侵入するとも言われている。

食物アレルギー
牛肉や鶏卵、大豆、牛乳など食べ物の主にタンパク質に対してアレルギーを起こして痒がる。

接触性皮膚炎
首輪や食器の素材やじゅうたんなどに含まれるアレルゲンとなる物質に対してアレルギーを起こすことで痒がる。素材によってはアレルギーではなく、刺激による炎症を起こすことで痒がっている場合もある。

ノミアレルギー性皮膚炎
ノミの唾液に対してアレルギーを起こして痒がる。

●細菌・真菌による感染性皮膚炎(原因:細菌・真菌)

マラセチア症
犬の皮膚表面に住んでいる酵母菌の一種であるマラセチアが異常に増えて皮膚炎を起こす。痒みと独特の悪臭、フケを伴う。

膿皮症
犬の皮膚の黄色ブドウ球菌などが、犬の皮膚の免疫力の低下などで異常に繁殖し、皮膚が化膿する。痒みや痛みを伴う。

●外部寄生虫性皮膚炎(原因:ノミ・ダニなどの寄生虫)

マダニ感染症
犬にマダニが寄生し、吸血を行うことで痒みや刺激を起こす。

ノミ刺咬性皮膚炎
犬がノミに刺される刺激で痒がる。

ニキビダニ症(毛包虫症)
犬の毛包内に元々寄生しているニキビダニが毛根で異常に繁殖する。単独で痒みを起こすことは稀だが、細菌の二次感染により化膿し、痒みを起こす。

疥癬症
センコウヒゼンダニが犬の皮膚の下にトンネルを掘って寄生するため、犬が激しく痒がる。

●日光性皮膚炎(原因:日光、遺伝?)
毛が白色の犬や毛の薄い部分に起きる皮膚炎で、長時間日光に当たることで発症する。

●天疱瘡(原因:不明)
表皮の細胞を結合している物質が免疫異常によって破壊されて起こる皮膚病(自己免疫疾患)。犬の鼻梁部や目や耳の周縁部、足の裏などに水ぶくれ、びらん、かさぶた、フケなどが出る。

●皮膚の腫瘍(原因:不明)
皮膚にできる腫瘍により炎症を起こすことで痒みを起こす。
※「腫瘍」といっても、必ず「しこり」になるわけではありません。「おでき」のように見える場合もありますし、「なんとなく赤くなっている」といった見た目の場合もあります。外見だけで良性か悪性かの判断はできませんので必ず獣医師による診断を受けましょう。

ひどく痒がる犬

痒みの原因となる「皮膚炎」を起こしやすくする病気

皮膚の免疫力が低下したり、皮膚の細菌叢のバランスが変化したりすることで、痒みを伴う皮膚炎などのトラブルを起こしやすくする病気もあります。

●脂漏症(原因:遺伝、ホルモンの分泌異常、炎症、栄養バランスの支障など)
角化異常症の一つで、犬の皮膚の表皮に角質が形成されたり、犬の皮脂腺から過剰に脂が出たりして起こる慢性の皮膚病。細菌やマラセチアの二次感染を起こしやすく、それにより痒みを引き起こす。

●副腎皮質機能亢進症/クッシング症候群(原因:下垂体や副腎の腫瘍、ステロイド剤の過剰投与)
内分泌疾患の一つで、副腎皮質から血中にコルチゾールというホルモンが過剰に分泌される病気。犬の体が左右対称に脱毛し色素沈着などが見られる。ステロイド剤の長期使用も原因に。免疫力が低下するため、皮膚で細菌感染が起こり、強い痒みを訴えることがある。

●内臓の病気による皮膚の過敏化(原因:心臓、肝臓、腎臓などの病気?)
犬の心臓や肝臓、腎臓などの病気によって皮膚が過敏になり痒みが出ることがあるといわれており、皮膚に明らかな病変がないのに痒がる仕草をすることがある。

耳や目の病気

気を付けたいのは皮膚トラブルだけではありません。犬が顔周りをかゆがっている仕草をするときは、耳や目に病気がある場合も。

●外耳炎(原因:耳垢、細菌、ミミヒゼンダニ、マラセチアなど)
耳垢がたまったり、耳で細菌やマラセチア、ミミヒゼンダニが繁殖したりして外耳炎を起こす。

●結膜炎・角膜炎(原因:細菌・ウイルス感染、アレルギー、物理的な刺激など)
犬の毛やシャンプーが目に入るなどの刺激や、細菌感染やウイルス感染、アレルギーなどによって結膜や角膜に炎症が起こる。

環境

生活環境の中に犬が痒がる仕草をする原因がある場合もあります。

●乾燥(原因:季節やシャンプーのしすぎによる皮膚の乾燥)
乾燥する季節や犬がシャンプーをする頻度の多さなどで、肌が乾燥して痒がる。

●シャンプーが合っていない(原因:シャンプー)
シャンプーと肌質が合わずに痒がる場合もある。

痒みのため元気がない犬

ストレス

犬が体をしきりに掻くような仕草を見せるのに、動物病院で病気との診断がされない時には、何かストレスとなる原因があるかもしれません。
愛犬との生活を一度見直してみましょう。掻く仕草をするきっかけがないか、決まった時間帯に掻いていないかを観察してみてください。

●ストレス症状(原因:ストレス)
皮膚炎の症状がなくても、ストレスによって犬が痒がるような仕草をすることも。体の一部をなめたり掻いたりし続け、やがて、出血したり化膿たりして皮膚炎を起こすこともある。

犬が痒がる仕草をしている時の対処法

犬が痒がるとき、飼い主さんが犬にできることは何でしょうか?

最も大切なことは、痒がる愛犬を早めに動物病院へ連れて行くこと。それは、一見皮膚に異常がなさそうに見えるときも同じです。

犬が痒がる仕草をする原因を早く特定し、適切に対応することで悪化を防ぎましょう。

くれぐれも自己判断はしないこと。診断が遅れることで治療が長引いてしまったり、より重篤な症状を引き起こしてしまったりすることもあります。
※かかりつけの動物病院の大切さと選び方についてはこちらでご紹介しています。
動物病院もう決めた?子犬のうちのかかりつけ選びが大事な理由と6つのチェックポイント

飼い主さんが動物病院の受診前にすべきこと

痒がる犬の様子をよく観察することが大切です。

チェックポイントは、
①犬が痒がる部位
②痒さの程度
③痒がる時期
④痒がる皮膚の様子(寄生虫、脱毛、発疹、フケ、臭い、赤みなどの有無)
⑤同居している動物や人間は痒がっているか
、など。

さらに、
⑥犬が痒がる仕草を始めた頃に生活面(食事、食器、シャンプーなど)に変化がなかったかどうか
も確認しましょう。

また、痒がる犬に掻かせないよう、服を着せたり、エリザベスカラーを装着したり、気を紛らわせたりしてあげましょう。
掻くことでできた傷に細菌などが感染して状態を悪化させないようにするためです。

診察では、フケやにおいなどの様子も診断の参考になりますので、病院に行くためにシャンプーをする必要はありません。

そのほか、同居動物がいる場合には、感染防止のために接触やブラシの共用は控えましょう。

痒みの治療をしている犬

愛犬の辛い痒みを繰り返さないための生活習慣を

飼い主さんは、犬の痒がる原因として予防できるものはきちんと予防しておくこともお忘れなく!
つらい痒みを繰り返さないためにも、一度生活習慣を見直しましょう。

まず、犬のノミ・マダニ対策を徹底しましょう。
また、犬に人間の食べ物を与えない、などの習慣も大切です。

そのほか日頃から犬にブラッシングを行い、痒がる様子や皮膚の異常に早期に気づけるよう努めましょう。

犬の体のすみずみまで観察できるように、日ごろから体中を触る練習をしておくこともとても大切。
犬のブラッシングの方法や犬の体を触る練習については、『 こいぬすてっぷ』本編でもご紹介しているので、ぜひご参照ください。

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こいぬすてっぷの詳細はこちらから

長引く痒みはつらいもの。早めに解決してあげましょう。

人と同じで犬にとっても長引く痒みはとても辛いこと。犬が痒がる仕草を見せた時には、できるだけ早く動物病院で原因を特定し、飼い主さんも一丸となって対処していきましょう!

東京大学農学部 獣医学専修を卒業後、大阪の高度獣医二次診療病院に勤務の後、渡米しミシガン州立大学、カリフォルニア大学 ディビス校にて、整形外科・再生医療の研究などに携わる。帰国後は、アメリカでの経験を活かし、川村動物病院の院長として、より良い地域医療の普及に邁進中。

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