メニュー

犬の健康診断のギモン。受けた方がいい?内容や頻度、費用は?保険は?【獣医師監修】

   2018/11/21

家族の一員である愛犬に対する健康意識は高まってきており、定期的に愛犬の健康診断を受けているという人が増えてきています。実際のところ犬の健康診断は必要なのでしょうか?受けるのであれば、どのくらいの頻度で受ければいいのでしょうか?また、その費用も気になるところですよね。人の健康診断と同じで、健康診断は愛犬の病気の早期発見、早期治療につながります。愛犬のためにも、犬の健康診断について知っておきましょう。

犬の健康診断は受けたほうがいいの?

健康診断を受ける必要のある犬

人は、学校や会社で健康診断を年に一度、少ない人でも自治体などで数年に一度は受けている方が多いでしょう。特に病気の自覚症状がなかったとしても、定期的な健康診断を受けますよね。それは、健康診断を受けることで、病気の早期発見に繋がる場合があるからです。

犬の健康診断の目的もそれと同じ。一見元気そうに見えても、どんな異常が潜んでいるかわかりません。言葉を話すことのできない犬は、特に見た目だけでは健康状態の判断が難しいものです。だからこそ、大切な愛犬のため、定期的な健康診断を受けることをおすすめします。

病気の早期発見以外にもメリットがある?!

健康診断を定期的に受け、愛犬の検査結果を動物病院に残しておくことにはもうひとつ、良い点があります。
それは、万一病気になってしまった時の診察の時に検査結果を参考にすることができるということ。
過去の健康診断の時のデータが動物病院にあれば、病気になってはじめて診察するよりも、より正確に愛犬の病気の経過を把握することができます。結果として、より適切な診断、治療へとつなげることが可能となるのです。

犬の健康診断の頻度に決まりはあるの?

犬の健康診断は義務ではなく、飼い主さんの判断で受けるものですので、頻度は公には決められてはいません。
とはいえ、愛犬の健康状態を把握し、病気を早期発見する、という大切な目的のため、元気な愛犬の場合でも、成犬なら1年に1度は受けておくことをおすすめします。
さらに、シニア期にあたる10歳以降の愛犬の場合は、半年に1度程度の健康診断がおすすめです。

健康診断を半年に1度受けるシニアの犬

そんなに頻繁に健康診断を受けるの?

「年に1回、シニア期で半年に1回の健康診断を」、と聞くと「そんなに頻繁に健康診断を受けなきゃいけないの?」と驚く飼い主さんもいるかもしれません。しかし、犬は人間よりも早く年をとるもの。決して多すぎることはないのです。

犬の年齢を人に当てはめることは非常に難しいのですが、おおまかなイメージとしては、犬の年齢は、小型犬・中型犬だと最初の一年で人間の約17,8歳、大型犬だと人間の12歳ほどで、その後、小型犬・中型犬だと一年ごとに4歳ずつ、大型犬だと一年ごとに7歳ずつ年をとるとされています。犬が10歳を迎えるころにはシニアの仲間入りです。
それを考えると、一年に一度の健康診断は決して多すぎることはないといえるでしょう。

生後1年までの子犬のうちは、ワクチン接種などで何かと病院に行く機会が多いものです。しかしそれ以降は、問題がないとなかなか病院に行く機会がなくなってしまいます。うっかり健康診断を忘れることのないように、狂犬病の予防注射やワクチン接種、誕生日など、毎年健康診断を受けるタイミングを決めておき、必ず受けておくことをおすすめします。
病院によっては、毎年決まった時期に「わんわんドック」「Dogドック」といった健康診断のキャンペーンがあるところもありますので、そういったものを利用するのもいいですね。

犬の健康診断では何をする?

犬の健康診断で必ず行う聴診

犬の健康診断は、病院によっては「わんわんドック」「Dogドック」「犬ドック」、猫の健康診断と合わせて「ワンニャンドック」などと呼ばれることもあります。
実際には、問診や聴診、視診、触診といった診察室で行う検査に加えて、便検査、尿検査、血液検査や画像検査などを組み合わせて行うこととなります。

血液検査の項目やどういった画像検査を行うかといったことはあらかじめ「健康診断セット」として決まっていることもありますし、犬種や犬の年齢、肥満度などをはじめとした身体の状態によって愛犬に最適な組み合わせの検査項目を提示する病院もあります。
当然、検査内容により検査費用も異なってきますので、費用面も含めて獣医師と相談のうえ検査項目を決定できると安心ですね。

犬の健康診断で何がわかるの?

問診で日頃の犬の様子を飼い主に確認し、診察室で行える視診、触診や聴診、体重測定を行うことで、歯や歯肉の異常、皮膚のトラブルや体の表面にできた腫瘍などの異常、心臓の異常、歩き方や見え方の異常をはじめとした、様々な異常を発見できる場合があります。

さらに、血液検査では、貧血をはじめとした血液の異常がないか、炎症の有無や止血機能に異常がないか、また、肝臓、腎臓、内分泌をはじめとした各臓器に異常がないかなどを判断します。
一方、糞便検査では寄生虫感染、消化機能の確認などをすることができます。
また、尿検査では腎機能の異常や結石をはじめとした、様々な体の異常を発見することがあります。

健康診断を受ける犬

より詳しく身体の状態を調べるために、X線検査や超音波検査といった画像検査を組み合わせることもあります。
X線検査では、胸部や腹部の内臓を写し出すことで、身体の中の各臓器の場所やサイズに異常がないか確認できます。そのほか、結石や腫瘍が存在しないか、骨格に異常がないかも確認します。
また、超音波検査では、心臓の形や動きに異常がないか、また、腹部の臓器に異常がないかの確認を行います。

より詳細な健康診断セットがある動物病院も

病院によっては、心臓などの循環器をより詳しく検査するためのセットや、より精密な眼科検査を行うセットなどを用意しているところもあります。

これらは「オプション」として追加料金が必要になることも多いですので、愛犬の体調を日頃からしっかりと観察し、獣医師と相談した上で、必要がある場合に受けるのがおすすめです。

犬の健康診断の費用は?保険は使える?

健康診断に費用がかかりがちな犬

犬の健康診断に必要な費用は、動物病院や愛犬の年齢のサイズや身体の状態などによって異なります。同じ検査を行ったとしても動物病院によって費用が異なるほか、同じ病院でも検査項目によって費用は大きく違ってくるのです。

おおまかには、各種項目を含んだ血液検査を行って数千円〜一万円前後、X線検査や超音波検査といった画像検査をプラスすると一万円前後~といったところが多いようです。中でも血液検査の項目数や内容の幅は大きく、検査費用もかなり異なってきます。あらかじめ愛犬の健康診断にかかる費用を動物病院に確認のうえ、健康診断を受けることをおすすめします。

本来であればいつもかかっている動物病院で健康診断を受けるのがベストですが、健康診断の費用や内容が気になる場合には、いくつかの病院を調べて比較してみるのもひとつの方法です。また、かかりつけの病院がない、という場合には、健康診断を機に通院しやすい病院を決めておくことをおすすめします。

※かかりつけの動物病院を決めておくことの重要性についてはこちらでご紹介しています。
動物病院もう決めた?子犬のうちのかかりつけ選びが大事な理由と6つのチェックポイント

なお、高額となりがちな健康診断の費用ですが、ペット保険などに加入している場合であっても、健康診断を目的とした検査の場合は、保険が適応されないこともあります。あらかじめ契約している保険会社に確認をしておきましょう。

犬の健康診断を受ける時に注意すること

これから健康診断を受けると決めた犬

健康診断を受けようと決めたら、まずは動物病院に電話してみましょう。動物病院によっては、また、健康診断の内容によっては健康診断が予約制となっているケースもあります。

さらに、必要な検査の内容によっては当日、絶食をする必要があったり、尿や便を持参する必要があったりすることもあります。そのほか、検査の内容や動物病院のシステムによっては、健康診断を受ける犬は「半日入院」となる場合もあります。

せっかく受ける健康診断をスムーズで確実なものにするためにも、諸々の情報を確認する意味も含めて、事前に電話しておくと安心です。

元気で長生きするために…愛犬には定期的な健康診断を

犬は人間以上のスピードで年をとります。また、犬の病気は、人間と比べて進行が非常に早い場合もあります。その一方で、言葉を話さず、不調を隠す傾向のある犬の異変には、どうしても気がつきにくいもの。犬の体調の変化をできるだけ早く把握し、早期に治療を行うためにも、定期的な健康診断はとても大切なことなのです。費用はかかってしまうとはいえ、やはり家族の一員である愛犬の健康には代えられないですよね。愛犬に健康で長生きしてもらい、ともに幸せに過ごすためにも、定期的に健康診断を受けることをおすすめします。

※自宅での日常的な健康チェックも大切です。詳細はこちらの記事をご覧ください。
犬の健康チェックは〇〇しながら毎日しよう!おさえておきたいポイントまとめ。【獣医師監修】

東京大学農学部 獣医学専修を卒業後、大阪の高度獣医二次診療病院に勤務の後、渡米しミシガン州立大学、カリフォルニア大学 ディビス校にて、整形外科・再生医療の研究などに携わる。帰国後は、アメリカでの経験を活かし、川村動物病院の院長として、より良い地域医療の普及に邁進中。

関連記事