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【獣医師監修】<場面別>発情期のメス犬の過ごし方の注意とは?

   2018/06/27

犬は早ければ生後6~10か月で性的に成熟して発情期を迎えます。性成熟を迎えたメス犬の外陰部から出血があったり、元気がないように見えたり、食欲が低下したり、なんだか感情的になったり…。愛犬が発情を迎えたらどのようなことに気を付けて過ごしたらよいのでしょうか?今回は、メス犬の発情期について、そして発情期の過ごし方の注意点を場面別にご紹介します。

はじめに…メス犬の発情期とは

発情期を迎えた犬

発情期とは

「発情」とは、性成熟を迎えて妊娠できるようになったメスが、繁殖可能な状態にあることをいい、この時期を「発情期」といいます。
犬は発情期以外には、妊娠するための求愛や交尾といった繁殖行動はしません。

個体差がありますがメス犬の場合、6~14か月くらいで初めての発情期を迎えます。
小型犬のほうが大型犬よりも早く性成熟を迎えるのが早く、初めての発情期が6~8か月齢ということもあります。

生後6~8か月齢といえば、精神的にはまだまだ子犬の部分が残っています。でも、見た目や普段の行動にはずいぶんとオスらしさ、メスらしさが表れ始める時期でもあります。生まれて一年も経っていないから、まだ子犬と思っていたのに発情期が来た!そう驚く飼い主さんも少なくありません。

愛犬が生後6か月を過ぎたら、注意して様子を観察してくださいね。

メス犬の性周期について

メス犬には、発情前期→発情期→発情後期→発情休止期という4つの時期があり、一定の周期で繰り返しています。
周期は大体6~9か月。多くの場合は年2回、犬種によっては年1回の発情期があります。

愛犬の性周期を把握することは、妊娠を望む場合も望まない場合にも大切です。
自宅での観察のポイントは発情前期の外陰部の腫れと発情出血。
メス犬の飼い主さんは毎日のボディケアの時にチェックして見逃さないようにしてくださいね。

発情期がおわった犬

発情前期

発情前期は妊娠準備期間。
外陰部が腫れ、発情出血が起こります。一般的に「生理」と言われることも。
発情前期は、発情出血が見られた日から約8日間続きます。しかし、発情出血は少なく、犬が舐めて綺麗にしてしまうため、気付かない飼い主さんもいます。

発情期

メス犬がオス犬を受け入れる発情期が5~20日間くらい続きます。排卵は発情出血から12~13日後が目安。妊娠を望む場合は排卵前後を狙って交配します。

※なんとなく「発情出血が終われば発情終わり」というイメージを抱きがちですが、メス犬の場合は発情出血の後に排卵が起こります。出血が終わってからも妊娠可能な期間は続くので注意してください。

発情後期

発情後期は、妊娠した犬にとっての妊娠・出産の期間です。
約2~3か月間続き、妊娠していても妊娠していなくても、ホルモンの影響で乳腺や子宮が発達します。

発情休止期

次の発情が起こるまでの期間のこと。
生殖器の活動も落ち着いて、心と体が安定している時期です。大体3~6か月間続きます。

場面別、メス犬の発情期の過ごし方の注意①自宅

発情期の犬が家にいる時必要なペットシーツ

発情出血のケア

少量のことが多く、愛犬が舐めて綺麗にするのがほとんどですが、家具や壁、飼い主さんの服などに付くことがあります。こまめに拭いてあげるなどのケアが欠かせません。愛犬のベッドなどにはペットシーツを敷いておくとよいでしょう。

粗相

発情期のメス犬はおしっこの回数が増えてしまうことがあります。
そのため、これまで失敗ゼロの子でも、トイレを失敗することも。叱ったりせず、サッと片付けてあげてくださいね。

落ち尽きなくそわそわしたり、だるさを感じて動きたがらなかったり…

「病気になったのかな?」と勘違いするような状態になることもあります。
発情期を迎えた犬によって様子が異なりますので、愛犬の様子をよく見ながら、安心して休める場所を準備してあげたり、遊びで気を紛らわせたりしてあげてくださいね。

場面別、メス犬の発情期の過ごし方の注意②散歩

発情期で散歩に行かない犬

無理に散歩に出なくてもOK

発情期を迎えたメス犬が散歩に出たがらないようならば、無理に散歩に出る必要はありません。自宅でゆっくり休ませてあげるとよいでしょう。

もし散歩に出たがるようならば、近所を少しだけ散歩するにとどめておきましょう。過度な運動は発情期の犬の体への負担となることも。無理せずゆったりとした散歩をおすすめします。

散歩に行くなら「望まない妊娠」をしないように最大限の注意を払って

散歩の際には、望まない妊娠を避けることも非常に大切です。

発情期のメスはオスを受け入れるようになっている上、フェロモンで相手を刺激します。
性成熟したオスに出会うと、オスはメスから出るフェロモンの刺激で発情しますし、メスもオスを受け入れるように行動します。

散歩にでかける時には、

  • お散歩の時間や距離を短くする
  • お散歩ルートを変えてみる
  • マナーパンツで物理的にガード

といった工夫をするようにしてください。

繁殖行為は動物が子孫を残すための本能的な欲求です。本能的欲求を満たせないことは、非常に強いストレスになります。メスもオスも辛い我慢を強いられることを忘れないでください。

場面別、メス犬の発情期の過ごし方の注意③お出かけ

発情中に外に行く犬

お出かけするなら、マナーパンツやキャリーが必須

発情期の間は、落ち着きがなかったり、異性を求めてさまようような様子が見られたり、感情の起伏が激しかったり、愛犬の様子がいつもと違う場合がよくあります。
できれば家でゆっくり過ごしたり、軽い散歩だけにしたり、お出かけは控えめに。

どうしても他の犬がいる場に出かけなければならない場合は、望まない妊娠を避けるためにケージから出さないようにしたり、マナーパンツを着用したりといったことが必要です。

ドッグカフェやドッグランの利用はマナー違反

発情期の間は、ドッグランやドッグカフェの利用はしないようにしてください。
多くの犬が集まる場に発情期のメスが近付くと、オス同士が喧嘩をしたり、メスを追いかけたり、場が紛糾してしまうことも。
また、望まない妊娠のリスクも高くなるので発情期が終わるまで控えてください。

繁殖を希望しないなら避妊手術もひとつ

発情期を迎えたあとの犬

「子犬を産ませない」と決めている場合には、早めに避妊手術をするのもひとつの選択肢。
初回の発情を迎える前、生後6か月を目安に避妊手術を受けることが勧められますが、初回発情を終えた後でも、また、成犬になってからでも手術は可能。

避妊手術は、望まない妊娠を避けるだけでなく、発情によって犬にかかるストレス、また、発情期の愛犬のケアなどで飼い主にかかる負担を取り除くことにつながります。また、避妊手術には、将来起こりうる性ホルモンに関連した病気を予防する意味もあるのです。

ただし、避妊手術は必ず全身麻酔下で行う必要がある手術です。お悩みの方は一度かかりつけの動物病院で相談してみてはいかがでしょうか。

愛犬が発情を迎えたら、無理せずゆったりを心がけて

何かとデリケートな期間である発情期。愛犬が発情期を迎えたら、望まない妊娠を避けること、愛犬の精神的、身体的なケアをしっかりすることを忘れずに、ゆったりと過ごしましょう。繁殖を希望していない場合には、避妊手術もひとつの手段。ぜひ早めにかかりつけの動物病院で相談してみてくださいね。

こいぬすてっぷに所属している獣医師チーム。臨床経験が豊富な獣医師により構成されています。獣医療の知識や経験を生かし、子犬育て、しつけに関わる正しい知識をわかりやすくお届けしていきます。

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