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犬のフィラリア症、予防の時期はいつまで?涼しくなったらやめていい?【獣医師監修】

   2018/10/03

犬のフィラリア症予防、できていますか?予防をしていないと知らないうちにフィラリアに感染し、愛犬がひどい症状を起こすまで気がつかないこともあるフィラリア症。フィラリア症は予防薬をきちんと投与することで確実に予防ができます。実は、フィラリア症の予防薬は、投薬を終える時期が非常に大切。投薬を終える時期を誤ると、それまでの毎月の努力が無駄になってしまうことも…。フィラリアは蚊に刺されるとかかる病気だから、「蚊がいる時期だけ投薬すればいいはず!」などと言って自己判断でお薬をやめてしまうことはとても危険なことなのです。今回は、愛犬の命を守るために大切な、愛犬にフィラリア症予防の薬を投与する時期についてご紹介します。

フィラリア予防の時期を守って散歩する犬

犬のフィラリア症って何?なぜ予防するの?

フィラリアとは犬糸条虫という、犬に寄生する寄生虫。このフィラリアは、蚊によって運ばれることはご存知の方も多いでしょう。
犬がフィラリアの幼虫を運んでいる蚊に刺されることで、フィラリアの幼虫は犬の体内に入り込みます。その後、フィラリアは、犬の体内を時間かけて移動し、犬の体内で素麺のような白くて細長い成虫へと成長します。
このフィラリアの成虫は、最終的には犬の心臓や肺の血管の中を住処とします。

心臓や肺の血管の中に住み着いたフィラリアは、徐々に血管を傷つけていきます。やがて心臓や肺、血管の機能に障害を与え、さらには肝臓、腎臓など、体中の様々な臓器にも影響を及ぼすことで、犬に深刻な体調不良を引き起こすのです。多くのケースでは、犬がフィラリアに感染してから重篤な症状を起こすまでには、数年かかるといわれています。しかし時にフィラリアは、犬に急性の非常に深刻な症状を引き起こし、あっという間に死亡させてしまうこともあります。

このようにおそろしいフィラリア症ですが、病院で処方された薬を確実に投与することで予防が可能です。予防できる病気を確実に予防してあげることは、飼い主の大事な責任といえるでしょう。

「フィラリア症」予防、フィラリアが犬の体に入ることは防げない?!

ここで注意しておきたいこととしては、フィラリア症の予防薬は、「フィラリアが犬の体内に入り込むことを予防するわけではない」ということ。
蚊に刺されて犬の体に入り込んだフィラリアが犬の体内で成長し、血管内へと移動してしまう前に、まとめて「駆虫」することで、「犬がおそろしいフィラリア症にかからないように」予防するのです。
このことは、フィラリア症予防の薬を投与する時期を知るためにとても大事なことですので、ぜひ知っておいてくださいね。

フィラリア予防の時期を守っている子犬

犬のフィラリア症、予防の時期は?

蚊が運ぶフィラリアを原因とするフィラリア症。
フィラリア症の予防のための投薬が必要な時期をざっくりと言えば、蚊が最初に確認されてから1ヶ月後~蚊がいなくなってから1ヶ月後までです。

蚊の飛んでいる時期は毎年違います。そのため、投薬を開始する時期と最終の投薬をする時期は、毎年必ず獣医師から指示を受け、それに従うようにしてください。
また、蚊の発生する時期は、地方によっても異なります。近年では温暖化などの影響もあり、フィラリア症を確実に予防するために、冬の時期も予防薬を投与することが必要な地域もあります。
そのほか、同じ都道府県内でも、暖かいエリアの方が早くに蚊が発生しはじめる、といったケースや、近くに水辺や水たまりがあるために蚊が卵を産みやすく、蚊がたくさん発生しやい、といったケースなど、地域による違いも多々あります。
そのため、フィラリア症の予防をする時期については、自己判断ではなく、かかりつけの獣医師より指示のあった「フィラリア症を確実に予防するための投薬時期」を守る必要があるのです。

フィラリアの予防の時期を相談に来た犬

蚊を見かけなくなったら投薬をやめていい時期なのでは…?

フィラリアは蚊が運んでいる病気なのだから、蚊を見かけなくなったら投薬をやめてOKかというと、答えは絶対にNO!

先にお話ししたように、フィラリア症の予防薬は、蚊にさされて犬の体内に入り込んだフィラリアが、体内で成長して、血管に入り込む前に駆虫するもの。
つまり、犬が蚊に刺されたあとで、体内に入ったフィラリアが犬の血管内に入り込む前に一斉に退治するのです。フィラリアを駆虫する効果が最も高い時期は、蚊にさされて数日後から約1ヶ月後の間と言われています。
そのため、最後に感染する可能性のあった日、つまり最後に蚊が飛んでいた日から少なくとも約1ヶ月後までは、フィラリア症予防薬を投与する必要があるのです。

フィラリア予防の時期を守っている犬

くり返しになりますが、「蚊を見かけなくなった」「涼しくなった」という理由で、飼い主の自己判断で投薬をやめてしまうことは、非常に危険です。最後の1回、フィラリア症予防の投薬をしなかったがために、フィラリアに感染してしまい、それまで毎月フィラリア症の予防を頑張ってきたことが、すべて水の泡になってしまうこともあるのです。

愛犬をフィラリア症から守るためには、「服用が必要な時期の間は確実に投薬する」「蚊を見かけなくなっても、指示された時期まで、確実に予防薬を投与する」ことが重要であることをくれぐれも忘れないようにしてください。

フィラリア症予防のため、必ず投薬時期を守りましょう

フィラリア症について気を付けておきたいことは、フィラリアが犬に寄生しても、すぐに犬の体調が悪くなるわけではないということ。はじめは何の症状もでませんし、もちろん、フィラリアの幼虫が犬の体内に入ったことに気が付くこともないのです。だからこそ、予防時期をしっかりと守ってフィラリア症の予防薬を投与してあげることはとても大事なことなのです。フィラリア症のように、予防することが可能な病気から愛犬を守ることは、飼い主の大事な責任です。愛犬の命を守るため、「涼しくなったから」「蚊を見かけなくなったから」などと自己判断でフィラリア症予防の薬の投与をやめるようなことはせず、必ずきちんと指示された通りの投薬時期を守るようにしてくださいね。

※秋になっても油断できないのはフィラリアだけではありません!
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東京大学農学部 獣医学専修を卒業後、大阪の高度獣医二次診療病院に勤務の後、渡米しミシガン州立大学、カリフォルニア大学 ディビス校にて、整形外科・再生医療の研究などに携わる。帰国後は、アメリカでの経験を活かし、川村動物病院の院長として、より良い地域医療の普及に邁進中。

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