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犬のフケの原因…病気のこともある?チェックすべき点は?【自宅でできる対策も】

   2019/01/07

愛犬のフケが多いと、ちょっと気になりますよね。特に空気の乾燥する冬場はフケがふえがち。でも、犬のフケの原因は単なる乾燥だけとは限りません。外部からの色々な刺激から体を守る働きをしている皮膚から出るサインかもしれないのです。今回は、犬のフケが気になるときに参考にしてもらいたい、犬のフケの原因とケアについてご紹介します。

フケがありブラッシングしている犬

そもそも、フケって?

犬のフケには、白くてカサカサしたタイプのものと、皮脂を含んでいるために少しベタっとしていてツンとするにおいのあるタイプのものとがあります。いずれにしても、これらのフケは、「古くなった皮膚の表面がはがれたもの」です。

フケが出るのはなぜ?

人と同じで、犬の皮膚は複数の層からできています。
深いところでうまれた細胞が表面へと向かって古い細胞をどんどん押し出していくように置き換わっていくことで、皮膚の細胞は常に生まれ変わっているのです。これが、「皮膚のターンオーバー」といわれるもので、耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。こうして一番表面まで到達した細胞は角質といわれ、役目を終えるとはがれ落ちます。

健康な状態の皮膚であれば、このときはがれた角質は、皮膚の表面にいる細菌類が分解してしまうため、フケが目立つことはありません。

一方で、何らかの原因で皮膚のターンオーバーが異常に早くなると、角質がどんどんはがれてしまいます。すると、細菌が処理しきれなかったはがれた角質が皮膚の表面に残るため、フケが目立つようになるのです。

この、皮膚のターンオーバーが異常に早くなる原因は、皮膚の炎症や感染、乾燥などの、「皮膚への刺激」です。皮膚が何かしらの刺激を受けると、皮膚はターンオーバーを早めることで刺激から守ろうとするため、フケが目立つようになるのです。

フケが多い原因は病気?受診のチェックポイントは?

フケが多くて顔をかく子犬

フケが目立つようになる原因は、病気である場合もあれば、そうでない場合もあります。
愛犬の皮膚が気になったら、まずは皮膚の状態やかゆみの有無をチェックしましょう。

ひどいかゆみや長引くかゆみがあったり、皮膚に赤みや湿疹などのできものがあったり…といった場合には、病気に伴うフケの可能性があります。早めに受診をしましょう。
また、フケ以外に気になる症状が見られない場合でも、自宅でのケアで改善しない場合は、動物病院で相談されることをおすすめします。

※愛犬のかゆみや脱毛についてはこちらの記事もご覧ください。
【原因リスト】犬が痒がるのは病気のせい?理由と対処法まとめ
【獣医師監修】犬の毛が抜ける…病気を見分ける5つのポイントと3つのおすすめケア

病気ではないのに犬のフケが増える原因とケア

愛犬のフケが気になりだしたものの、フケ以外には気になる症状はない、そんな時は病気が原因のフケではないかもしれません。
ここでは、病気以外でフケが多くなる原因の例とケア方法を見てみましょう。

フケが増える原因① 乾燥

冬になり乾燥によるフケの気になる犬

「冬になってパラパラしたフケが気になりだした…」そんな場合は、乾燥によるフケかもしれません。
犬も人と同じで皮膚が乾燥すると、フケとともにかゆみを感じます。ただの乾燥が原因なら気にしなくていいや、などといって放置すると、掻いて傷を作ってしまうこともありますので、まずは保湿を心がけましょう。

スキンケアは犬にとっても大切。犬用の保湿成分が含まれたクリームや化粧水などがさまざま販売されています。お好みにあわせて選んでみるとよいでしょう。
中でもおすすめなのは、皮膚を乾燥から守るための働きをしてくれる「セラミド」を補ってあげること。セラミドを補うことは、皮膚の水分を保持する力を助けてあげることにもつながります。セラミドが配合されているシャンプーもありますので、そういったものを使用してみるのもよいでしょう。

保湿クリームやローション、保湿成分入りのシャンプーには、とてもたくさんの種類があります。選択に悩んだら、動物病院で相談してみるとよいでしょう。

フケが増える原因② シャンプーがあっていない

フケが出ないようにシャンプーをもとに戻した犬

人と同じで、犬も体質によっては季節によってシャンプーをかえることも大切です。でもその一方で、「シャンプーをかえてからフケが増えた気がする…」、「それまでなんともなかったのに、シャンプーをかえてから数日で急にフケが出だした…」といった場合にはシャンプーが愛犬にあっていないのかもしれません。

シャンプーの種類をもとにもどしてみるか、かかりつけの動物病院の先生に相談をするとよいでしょう。

犬のフケが増える原因となる病気の例

フケが多いため、病気を疑い受診した犬

フケが多くなるのは、病気が原因であることももちろんあります。たかがフケ…と甘く見ていたら、かゆみで愛犬がつらい思いをしたり、時には人にも感染する病気であったりすることもあるのです。

ここでは、フケを伴うことの多い病気の例をいくつかご紹介します。
※フケを伴う犬の病気は他にもたくさんあります。また、適切な診断と治療のためにも、気になるときには早めに動物病院を受診してくださいね。

原因①細菌や酵母、カビなどによる皮膚炎

フケを伴うマラセチア皮膚炎の多い犬

皮膚に常在する細菌や「マラセチア」と呼ばれる酵母が何らかの原因で過剰に増殖すると、皮膚が炎症を起こし、フケの原因になることがあります。細菌の過剰増殖による「膿皮症」や、マラセチアの過剰増殖による「マラセチア性皮膚炎」では、フケとともに強いかゆみが起こります。
また、「膿皮症」では湿疹が見られることが多いほか、「マラセチア性皮膚炎」では、皮脂の過剰な分泌に伴うべたっとしたフケが特徴的です。

一方、「皮膚糸状菌症」は、他の動物や土から真菌(カビ)が感染する感染症。フケが出ると同時に、円形の脱毛が広がっていくのが特徴的で、子犬によくみられる病気です。
皮膚糸状菌症は、人にもうつる病気で、飼い主さん自身が感染してしまうこともあります。

原因② アレルギー性皮膚炎

アレルギー性の皮膚炎を起こしていると、皮膚の水分を保つ機能が弱くなってしまうために、皮膚が乾燥しやすくなることが知られています。
さらに、皮膚が持つバリア機能も弱くなってしまうことから、細菌が増殖しやすくなる傾向があります。そのため、アレルギー性皮膚炎の犬では、フケとかゆみがとてもよく見られます。

犬のフケ、丁寧なスキンケアと観察で早めの対策を

犬のフケは、犬の皮膚のコンディション不良のサインです。乾燥肌のように、自宅でのケアで解決できるケースもありますが、病気が原因であることも。愛犬のフケが気になったら、まずはかゆみや皮膚の様子を観察して、早めに対策をとりましょう。様子を見てもいいものか判断に迷う時は早めの受診を。また、愛犬にあったスキンケアについて悩んだ時もぜひ、動物病院で相談してみてくださいね。

東京大学農学部 獣医学専修を卒業後、大阪の高度獣医二次診療病院に勤務の後、渡米しミシガン州立大学、カリフォルニア大学 ディビス校にて、整形外科・再生医療の研究などに携わる。帰国後は、アメリカでの経験を活かし、川村動物病院の院長として、より良い地域医療の普及に邁進中。

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