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犬のおしっこの回数が増えるのは、どんな病気?<チェックリストあり>【獣医師監修】

   2018/12/07

愛犬のおしっこの回数が急に増えてきたら要注意。それは病気のサインかもしれません。急にトイレ以外の場所でもおしっこをするようになった、最近おもらしが多い…なんて場合も、病気が原因でおしっこの回数が増えてしまっているのかも。そのため、愛犬のおしっこの回数が増えている時には、できるだけ早く適切な診断、治療を受けたほうがよいでしょう。ここでは、犬のおしっこの回数が増えた場合に考えられる病気の例と、ご家庭でチェックしておくべきポイントについてご紹介します。

犬のおしっこの回数と病気に関係がある?

おしっこの回数が正常な犬

通常、健康な成犬のおしっこの回数は、1日2-5回くらいであることがほとんどです。これは、一定量をまとめて排尿する回数であり、去勢していない雄でみられるマーキングは含まれていません。

もしも犬がこれを大きく超える回数のおしっこをしている場合には、「頻尿」といって病気のサインかもしれません。

病気によって「おしっこの回数の増え方」にパターンがある

実はおしっこの回数が増える病気はとてもたくさんあります。しかし、「おしっこの回数の増え方」は、病気によっていくつかのパターンがあります。

おしっこの量が異常に増え、我慢できなくてたくさんのおしっこをジャーっと何度もする場合もあれば、残尿感が常にあり、チョコチョコと少しずつ色々な場所でおしっこをしてしまう、といった場合もあります。そのほか、おしっこが溜まっていて排尿したいのだけれど、少しずつしか出せないために、何度も何度もポタポタとおしっこをするケースもあります。

なんだか愛犬のおしっこの回数が増えたかも?と感じたときや、トイレの失敗が増えたときには、おしっこをするときの様子をよく観察しましょう。

おしっこの回数が増える病気にはどんなものがある?

おしっこの回数が増えている犬

犬のおしっこの回数が増える病気はいくつもあります。正確な診断のためには、必ず動物病院を受診し、検査を受けることが必要です。ここでは、参考としておしっこの回数が増える病気の例を5つご紹介します。

犬のおしっこの回数が増える病気①膀胱炎

犬のおしっこの回数が増えたときに考えられる病気のひとつが膀胱炎です。

ちょこちょこと色々な場所でおしっこをする、おしっこが終わったはずなのにまた排尿姿勢をとっている…といったことが多いのがこの病気です。
膀胱炎は残尿感を伴います。そのため、何度も何度もおしっこを出そうとして、おしっこの回数が増えるのです。1回あたりのおしっこの量が増えることはあまりなく、逆に、おしっこの姿勢をとるのにいつもより少しずつ出ていない、といったことが多いです。

また、おしっこの色が赤っぽくなったり濁っていたり、においがいつもと違う、といったこともあります。

※おしっこの回数が増える病気としてよく見られる「膀胱炎」」についてはこちらの記事でご紹介しています。
膀胱炎になった犬のためにしてあげたい5つのこと【獣医師監修】

おしっこの回数が増えて外でおしっこをする犬

犬のおしっこの回数が増える病気②尿道閉塞

おしっこをしたくて排尿姿勢をとるにも関わらず、尿が少ししか出なかったり、ぽたぽた漏れるだけだったり、時には全く尿が出ていなかったりすることがあります。こういった場合には、結石や腫瘍などが膀胱から尿道出口までの尿の通り道を塞いでしまっている可能性があります。

おしっこをしようとする回数が多いにも関わらず、まったく出ていなかったり、ほとんど出ていなかったりする状態は、非常に深刻です。特にまる一日尿が出ていない状態ならば、一刻も早く診察を受けましょう。

犬のおしっこの回数が増える病気③腎臓機能の低下

腎臓は尿を作り出す臓器。その腎臓の機能が低下してくると、尿を濃縮できずに、薄いおしっこがたくさん作られてしまいます。その結果として、尿量が増え、おしっこの回数が増えてしまいます。

腎臓の機能が低下してしいる場合は、うすい色の尿がたくさん出るのが特徴です。また、それとともに、水を飲む量も増えます。
運動量や食事の種類にもよりますが、1日、つまり24時間で体重1kgあたり100ml以上の水を飲む日が続くようならば明らかな異常といえます。

犬のおしっこの回数が増える病気④糖尿病などのホルモンの病気

犬が糖尿病をはじめとしたホルモンが関連した病気にかかっている場合もおしっこの量が増え、結果的におしっこの回数も増えます。

糖尿病の場合には、尿がべたべたした感じがすることもあります。
この場合も、腎臓の病気の時と同じように、水を飲む量がかなり増えるのも特徴です。

犬のおしっこの回数が増える病気の例⑤子宮蓄膿症

避妊をしていない雌犬がかかることのある子宮蓄膿症。この病気にかかると、子宮に溜まった膿から産生される毒素の影響で、おしっこの量と飲む水の量が増えるとされています。

子宮蓄膿症は、早急に治療をしなければ状態が急激に悪化し、命にかかわることもある病気です。特に、避妊をしていない高齢の雌の犬の場合には要注意です。

おしっこの回数が増える病気で元気がない犬

愛犬のおしっこの回数が増えたと感じたら…

犬のおしっこの回数が増えたと感じたら、できるだけ早く動物病院を受診して適切な処置を受けましょう。
これは、おしっこをしようとする回数が増える病気の中には、放置しておくことで治療が長引いたり、時にはきわめて深刻な状態へと病気が進行してしまったりするケースがあるからです。

おしっこの回数の変化があるときには、愛犬の様子で他にも観察しておく必要のある項目がいくつかあります。まずは次のチェックリストの項目を確認してみてください。

おしっこの回数が増えたと感じた時のチェックリスト

おしっこの回数を確認するためのペットシーツ

  • おしっこの色(血尿?オレンジ色?うすい色?)
  • おしっこをする時の行動(痛そうにしていないか)
  • おしっこは出ているか
  • おしっこの出方(チョロチョロ?たくさんまとめて?)
  • 24時間あたりの飲水量(数日間、同じ時刻にチェック)
  • 元気の有無
  • 食欲の増減

これらのポイントをしっかり観察して、動物病院を受診するときに伝えるようにすると、診断の助けになります。また、可能であれば、おしっこを病院に持参するとよいでしょう。採取が難しければ、おしっこを吸い込ませたティッシュや、おしっこをしたあとのペットシーツでも参考になります。

また、まる一日以上おしっこが出ていない、元気や食欲がない、といった場合は非常に深刻です。すぐに動物病院へ向かうようにしてください。

※おしっこの回数の増加とともにみられることのある、「血尿」についてはこちらの記事でご紹介してます。
犬が血尿したかも…色や観察のポイントは?緊急性の判断や原因は?【獣医師監修】

普段から愛犬のおしっこの回数を気にしておこう

おしっこの回数の変化は、比較的飼い主さんが気づきやすい体調の変化のひとつです。おしっこの失敗や、おもらしが病気の兆候であることもあるのです。おしっこの回数の変化が、時には大きな病気の発見につながりますので、愛犬のおしっこの様子は普段から気にかけておきましょう。気になる変化があるようならば、ぜひ早めに動物病院を受診するようにしてくださいね。

東京大学農学部 獣医学専修を卒業後、大阪の高度獣医二次診療病院に勤務の後、渡米しミシガン州立大学、カリフォルニア大学 ディビス校にて、整形外科・再生医療の研究などに携わる。帰国後は、アメリカでの経験を活かし、川村動物病院の院長として、より良い地域医療の普及に邁進中。

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