メニュー

犬の肥満チェック法。「肥満かも?」と思った時にするべきことは?【獣医師監修】

   2018/10/12

「うちのコ、太ってる気もするけど、コロコロしててかわいいし、健康そうだから大丈夫」なんて思ってはいませんか?でもその考えはとても危険!「肥満は万病のもと」などと言われる通り、犬の肥満とは、ただ「太っている」というだけの問題ではないのです。犬でも肥満によって引き起こされる病気が多々あることが確認されてきており、「肥満そのものが病気」という考え方が強まってきているほどです。でも、愛犬が肥満かどうか、ご自身で判断するのはなかなか難しいですよね。被毛もフワフワしているし、少々ムチムチしているくらいが健康的な気もするし…。今回は愛犬の肥満が気になる方のため、自宅でできる犬の肥満のチェック方法と、「愛犬が肥満かも」と思った時にするべきことをご紹介します。

愛犬が肥満かどうかの判定、どうする?

もこもこで肥満かわからない犬

肥満とは、体脂肪率が上昇してしまっている状態をいいます。でも、残念ながら犬の体脂肪計はまだまだ一般的に広く普及しているとはいいにくい状態で、体脂肪率から犬の肥満を判定することは難しいところ。一方、体重を目安とした場合は「犬の適正体重から15%以上重い状態が肥満」とされることもあります。しかし、愛犬の理想体重や適正体重を正確に把握している方は少ないですよね。また、犬は犬種により骨格や体型のバラつきも多いですし、被毛がフワフワしている犬種もたくさんありますので、見た目だけで肥満かどうかを判断することもできません。

そこで、犬の肥満は多くの場合、BCS(Body condition score)と呼ばれる9段階評価法や、時には5段階評価法で判定します。動物病院では、視診や触診により体脂肪の量を確認しながら、BCSの評価を行い、「肥満」「適正」「痩せすぎ」などと判定するのです。ここではBCSの評価方法を参考に、自宅で実践しやすい肥満チェックのポイントをご紹介していきます。

犬の肥満、ポイントは「肋骨・骨格」「輪郭」「くびれ」

犬の肥満のチェックが必要な犬

動物病院で行っているように、自宅でも愛犬の体を「見て」「触って」肥満度をチェックしましょう。この時のポイントは、「肋骨・骨格」「体の輪郭」「くびれ」です。

こんな状態だと肥満気味!(BCS7程度)

  • 肋骨が脂肪に覆われていて、胸のあたりを横から触った時に肋骨が「なんとか触れるかな」という状態
  • かろうじて背骨や骨盤などの骨格に触れることができる
  • 横から見た時にお腹のへこみがない
  • 上から見た時の腰のくびれがほとんどない
  • 背中や尾の付け根に脂肪がたまっている感じがする

こんな状態は肥満!(BCS9程度)

  • 肋骨の上が厚い脂肪におおわれていて、胸のあたりを横から触っても肋骨を触ることは不可能
  • 背骨のまわりに厚い脂肪がついていて、背骨や骨盤など骨格に触れることができない
  • 横から見たときにお腹が張り出している
  • 上から見たときにくびれがなく、背中が平べったくなっている
  • 尾の付け根だけなく、首のまわりや四肢にも脂肪がたまっている

理想的なのはこんな状態!(BCS5程度)

  • 薄い脂肪におおわれているが、余分な脂肪はなく、肋骨を容易に触ることができる
  • 容易に背骨や骨盤といった骨格を触れる
  • 横からみると腹部はキュッと引き締まっている
  • 上から見ると、腰に適度なくびれがある
  • 体の輪郭がなだらか

ちなみに、「痩せ気味~痩せすぎ」はこんな状態

脂肪がなく、肋骨や骨盤がはっきりと見てとれるなど、骨格がうきでているようであれば、痩せ気味~やせすぎの可能性あり。腰のくびれが強く、上からみたときに砂時計のような体型になっている場合にはやせすぎです。

愛犬が肥満かも、と思ったら、まずは動物病院に相談を!

肥満チェックが必要になった犬

ここに紹介した肥満のチェック方法で愛犬の体をチェックして、愛犬が肥満気味~肥満かもしれない、と感じたら、早めに動物病院を受診し、「本当に愛犬が肥満かどうか、どの程度の肥満であるのか」を評価してもらったうえで、愛犬の健康状態をきちんと診断してもらいましょう。

肥満かもしれないからといって、安易な食事制限はNG

犬の肥満には、単純に食べすぎや運動不足によるものもあれば、病気に伴う肥満の場合もあります。特に、おやつの与えすぎや運動不足といった心当たりがないにもかかわらず急に太ってきた…などという場合には要注意。安易な考えで食事制限などのダイエットをはじめてしまうと、愛犬の健康を害してしまうことも考えられます。
また、成長期の犬の場合には、成長に必要な栄養分が制限されてしまうことで健やかな成長が妨げられてしまうおそれもあります。

愛犬にぴったりの減量計画を作ってもらおう!

特に肥満の原因となるような病気はないと診断された場合、つまり単に食べすぎもしくは運動不足による肥満であった場合にも、きちんと動物病院で減量計画を作ってもらったほうが安心です。

肥満が解消されてきた犬

愛犬の犬種や性別、年齢、避妊・去勢の有無、ライフスタイル、そして現在の体重やBCSから、愛犬にあわせた目標体重や目標達成までの期間、食事管理の方法などを決定してもらいましょう。
その後、定期的に受診をして、ダイエットの進み具合を再評価してもらったり、うまくいかない場合の軌道修正をしてもらったりしてもらうことで、健康的なダイエットが可能となるのです。特に成長期の愛犬の場合には、発育への影響を含めて、こまめに再評価を行ってもらったほうがよいでしょう。

肥満解消を目指している犬の体重測定は、週に1回はしたいところ。数字で変化を知ることで、飼い主の意識ややる気も長続きするのでおすすめですよ。自宅で犬の体重測定が難しい場合には、体重測定のために動物病院を訪れてもよいか、相談してみましょう。

犬の肥満は病気のひとつ!動物病院と協力して向き合おう

犬の肥満は病気のひとつであることをお忘れなく。被毛に隠れて、気づかないうちに犬の肥満が進んでしまっていることも少なくありません。愛犬の肥満具合は、こまめにチェックしてあげましょう。動物病院は、犬の肥満を予防したり、肥満を解消したりすることに協力的です。「太ったかも、というだけで動物病院へ行くなんて…」などと思わず、愛犬が肥満かな?と思ったらぜひ早めに動物病院へ。肥満を起こすような病気があったとしても、なかったとしても、動物病院では、愛犬にあわせた肥満解消のプログラムを作成してくれるはず。あわてて食事を減らしたりはせず、動物病院と協力して、ぜひ無理なく肥満を解消してあげましょう!

※愛犬のダイエットについてはこちらの記事でご紹介しています。
犬のダイエット。成功するための5つのポイントとは?【獣医師監修】

東京大学農学部 獣医学専修を卒業後、大阪の高度獣医二次診療病院に勤務の後、渡米しミシガン州立大学、カリフォルニア大学 ディビス校にて、整形外科・再生医療の研究などに携わる。帰国後は、アメリカでの経験を活かし、川村動物病院の院長として、より良い地域医療の普及に邁進中。

関連記事