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犬の気持ちを読むポイント大特集!「しっぽを振る=嬉しい」だけじゃない?!

   2019/01/18

犬がしっぽを振っているときは嬉しいときとよく言われますが、果たしてそれは本当でしょうか?犬の気持ちを読み取るには何に注意したら良いのでしょうか?愛犬の気持ちをわかってあげることができれば、愛犬の好きなこと、喜ぶことをもっとたくさんしてあげられますし、逆に愛犬が苦手なことはできるだけ避けてあげられます。そうすることで、愛犬との暮らしはもっと楽しく、また、愛犬にとってもより幸せなものになるはずですよね。言葉を離せない犬は、尻尾の振り方や目や耳の動きなど、いわゆる「ボディーランゲージ」で気持ちを表します。この記事では、そんな犬のボディーランゲージから犬の気持ちを読み解くポイントをご紹介します。

【犬の気持ちを読むポイント】緊張感は体に現れる!

犬の気持ちを読み解くときに、絶対に見逃してはいけないポイントは、犬の体の緊張感です。
犬の緊張感を見逃さないことは、犬にとって「避けたいこと」に気づいてあげるためにもとても大切。
まずは、体をこわばらせたり、力が入っているかどうか、それとも余分な力が抜けた状態なのかどうかをチェックしてみましょう。

力が入っている場合は、緊張している様子や興奮している様子、何かに集中している様子を表しています。
気を付けなくてはならないこととしては、体の緊張感は、単純に怒っているという理由に繋がるのではないということ。飼い主さんがしつけのために号令をかけようとしたとき、犬は飼い主さんの声や合図をしっかりキャッチしようと神経を集中させます。そんなときも気持ちがピシッとした犬の体には力が入るため、体の緊張感が見て取れるはずです。

緊張した状態の犬

反対に、余分な力が抜けているときはリラックスしている状態や、気持ちが安らいでいる状態です。
犬の体を触ってみると、皮膚がふにゃりふにゃりと動かせるような状態は、力が抜けている証拠です。犬が外出先や動物病院などで、体を緊張させている場合は、マッサージをしてあげてみてください。大好きな飼い主さんに触れてもらうことで、犬は安心して体の緊張を解くはずですよ。

リラックスした気持ちの犬

次に、この「緊張感」を意識しながら体の各部位の動きに注目してみましょう。

犬の気持ちが現れる体の部位① 尻尾

尻尾の振り方で犬の気持ちを読み取ることができる、すでにご存じだという飼い主さんが多いのではないでしょうか?
犬を観察していると、尻尾の動きがとても繊細だと言うことが分かります。尻尾の動きをチェックするときは、尻尾の向きや振り方、高さなどに注目しましょう。

喜びの気持ちでしっぽを振る犬

尻尾の向きには、犬の気持ちがよく現れます。
多くの場合、上向きは強気な気持ちを表し、下向きは服従心を表すといわれてはいますが、必ずしっぽの向きと同時に緊張感や毛の逆立ち具合もよく見てあげるようにしてください。
上向きでも力が入っていない状態はリラックスしていますが、上向きで力が入っている場合は興奮状態を示しています。さらに毛を逆立てているようであれば、攻撃的な気持ちを表していることがあります。下向きで振っている場合、斜め下に垂れた尻尾が穏やかに揺れているならリラックスしている状態を表しますが、両足の間に巻き込んでいるときは、怖がっているときです。体の緊張感とともに気持ちを読んであげましょう。

尻尾を振っていると、「犬が喜んでいる」と思われがちですが、犬が尻尾を振るのは嬉しい気持ちの時だけではありません。ここでも愛犬の体の緊張感に注目してください。
振り幅が小さい場合は「こんにちは」の意味があり、特に体が緊張しているような時には、必ずしも歓迎しているという意味ではありません。犬が尻尾を振っているから、初対面の犬でも仲良くなれるというわけではなく、近づけると飛びかかってしまうということもあるので注意しましょう。

尻尾で気持ちを現す犬

また、尻尾を振る時のスピードは、興奮度合いを表しています。早く大きく振っているほど、興奮度合いは大きくなります。とはいえ、犬種によって尻尾の長さは異なるので、尻尾の振り方の印象はずいぶん異なるもの。尻尾を振る時のスピードは、他の犬と比べるのではなく、愛犬の普段の様子との比較でチェックしてみましょう。

犬の気持ちが現れる体の部位② 口元

犬の口元も、犬の気持ちを読み取るのに最も分かりやすい部分のうちの1つです。口元のしまい具合や、歯の見せ方をチェックしてみましょう。ここでも、体全体の緊張感をあわせて見てあげることを忘れずに。

口元が緩んでいて、少し口が開いて舌が見えている状態や、舌が犬の下の歯よりも下に出ているのが見えている状態は、犬がリラックスしている状態です。人間でいえば、ぼんやりとテレビを見ているような感じです。口角が奥へ伸びていて笑っているような表情は、リラックス+嬉しい気持ちの現れです。

リラックスして嬉しい気持ちの犬

一方、犬が口に力を入れて歯の一部を見せている時は、警戒や威嚇の意味があります。触らないでほしい、どっかに行ってほしい、近づかないでほしいなどの気持ちを表します。
さらに、マズルにシワを寄せながら歯をむき出しにするのは、完全に怒っている状態です。歯をむき出しにしている犬のみんなが自信があるわけではなく、歯を見せている犬の中には自信のない弱気な犬もいます。武器である牙を見せることで威嚇し、不要な争いを避けようとする犬の賢さでもあります。

怒っている気持ちの犬

犬は時折、歯を見せずにしっかりと口を閉じているときがあります。そのようなときは何かを発見し「あれ?」と興味を持っているときです。同時に、目を向け耳を傾けていることが多いのでチェックしてみてください。

犬の気持ちが現れる体の部位③ 目

目は口ほどに物を言うと言いますが、犬にも同じことが言えます。愛犬の目つきを観察してみましょう。
ただし、愛犬の目を正面からじっと見つめる行為は犬にとって威嚇や敵意の現れに繋がることがあります。人間でも、信頼関係のできていない相手から至近距離で目を見つめられるのは気持ちのいいことではないはずです。信頼関係が十分でない犬の目を真っ直ぐに見ることは避けましょう。

ここでも体の緊張感をとらえることが大切です。リラックスしている愛犬が甘えから飼い主さんを見つめてくるような時には、優しく撫でて応えてあげてくださいね。

甘えの気持ちの現れている犬

犬と目が合ったのに犬の方から視線をそらせるときは、敵意がないということを伝え、不要な争いを避けようとする姿勢です。
ドッグランなどで初対面の犬に出会ったときに、顔をフイとそむけるのは、関心がないというわけではなく、争いを避けたいという犬の気持ちの表れだと読み取ってあげましょう。

犬の気持ちが現れる体の部位④ 耳

耳にも犬の気持ちが現れているのでは?と、愛犬をチェックしていると感じ取ることが多いのではないでしょうか?犬の耳から気持ちを読み取る場合は、角度や両耳の幅をチェックしてみましょう。

耳を直立させ、両耳の間を狭めている時は、耳がやや前向きに傾いていることが多いものです。よく物音を聞こうという点もありますが、それよりも対象物への興味の現れであることがよくあります。犬が新しい発見をしたときや、興味のあるものが見えた時、飼い主さんの合図を待っているとき…そんな時は、気持ちがキリっとしていて、口をしっかりとつぐんで、体にも少し緊張感が見られるでしょう。

耳が少し傾けて体が緊張している気持ちが現れている犬

犬が耳をペタンと後ろへ引いているような様子を見たことはありませんか?体がリラックスしているようならば、飼い主さんの帰宅時など嬉しい気持ちの現れでしょう。
ここでも必ず体の緊張感にも注意してくださいね。同じように耳を後ろに引いていても、体が緊張していて、歯を見せている場合は、服従心と同時に敵対心を持っているかもしれません。

【犬の気持ちを読むポイント】姿勢が前重心?後ろ重心?

「緊張感」が犬の気持ちを読むうえで非常に大切だということはおわかりいただけたかと思います。ここで、犬の気持ちを読むときのポイントをもうひとつ。それは、「体の重心」。

前のめりとも言えるような、重心が体の前方にある状態のときは、強気な状態を表します。

反対に、腰を引いていたり、体の後ろ半分に重心が寄っているような状態は弱気な気持ちを表しています。

重心で気持ちがわかる犬たち

無意識のうちに見て、感じ取ってあげられていることも多いのですが、犬の気持ちを読むときには、ぜひ、「体の緊張感」と「重心の位置」を意識して見てあげましょう。そうすることで犬がポジティブな気持ちであるのか、ネガティブな気持ちであるのかがよりとらえやすくなるはずですよ。

犬の気持ちは一言では言い表せない!

犬には他にも、声や体のくねらせ方などさまざまなポイントで気持ちを表現しています。「〇〇しているからこんな気持ち!」と一言では言い切れません。丸暗記では愛犬の気持ちを読み違えてしまうかもしれません。愛犬をよく観察し、「緊張」や「苦手」のサインに気づいてあげられると、愛犬をリラックスさせてあげることも可能になり、愛犬と飼い主さんの絆をより一層深めることができます。一方で、「リラックス」「心地よい」のサインがわかるようになれば、愛犬の喜ぶことをもっとたくさんしてあげることができるでしょう。とはいえ、犬種によって気持ちの読み取りやすい種類とそうでない種類があるのも事実。分からないからとガッカリする必要はありません。そもそも言葉の離せない犬の気持ちを100%理解することは難しいもの。それでも、どんな時でも犬の気持ちを分かってあげようとする気持ちは忘れないようにしたいものですね。

※愛犬が感じているストレスの見つけ方についてはこちらの記事でご紹介しています。
犬のストレス、気づいていますか?サインを見抜き、上手に解消してあげよう!

東京大学農学部 獣医学専修を卒業後、大阪の高度獣医二次診療病院に勤務の後、渡米しミシガン州立大学、カリフォルニア大学 ディビス校にて、整形外科・再生医療の研究などに携わる。帰国後は、アメリカでの経験を活かし、川村動物病院の院長として、より良い地域医療の普及に邁進中。

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